「ぶれないベッソンに喝采。ただし既視感も否めず」ANNA アナ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
ぶれないベッソンに喝采。ただし既視感も否めず
「ニキータ」「ジャンヌ・ダルク」「LUCY ルーシー」と闘うヒロインを撮り続けてきたベッソンが、またも女殺し屋の活劇を世に放った。ルックス抜群のファッションモデルを抜擢するのはミラ・ジョヴォヴィッチの例があるが、本作のサッシャ・ルスは過去のベッソン映画の主演女優と比べても美貌・若さ・身体能力の総合点でトップクラスだ。
脚本の特徴として、アナがある決定的な行動に出るのを先に見せ、次に時間を遡ってその行動に至る出来事を種明かしするというパターンが繰り返される。ソダーバーグ監督が多用する手法だが、主人公に欺かれる敵や組織の驚きを、観客も一緒に味わえる。サプライズは増す反面、流れが断ち切られる難点も。
ベッソンが確立したジャンルではあるが、フォロワーと呼べそうな「アトミック・ブロンド」「悪女 AKUJO」などの佳作も増えつつある昨今、大筋を構成する諸要素に既視感を覚えてしまうのも否めない。
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