「あ、弾がない!」ANNA アナ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
あ、弾がない!
両親が亡くなり、辛い過去を背負ってしまったアナはやがてKGBの諜報員として活躍するが、アメリカCIAも彼女を利用するというストーリー。訓練を受けた後の試用期間でKGBナンバー2のオルガが命令を下す・・・いきなり弾の入ってない銃で要人を暗殺って・・・終わってみると、序盤のここが一番凄かったな。試用期間の給料と保険は?などと考えてると、即刻置いてきぼり=“死”なのだ。
何度も過去に戻って「実は裏があったんだよ」という繰り返しシーンは、今ではコンゲーム作品でいやというほど使われているが、この使い方があまりスタイリッシュではないのです。ベッソンどうした?と思えるくらい、時代に取り残されてる気もします。
そんなスパイを演ずるサッシャ・ルスの魅力。髪型や髪の色もコロコロ変えてりして、いい感じではあるのですが、泣きを見せたり、手首を切ったりで、弱々しい一面も見せてくれる。「あ、弾がない!」という表情も良かったりします。苦労して苦労して、自由を勝ち取りたい!男だって手段の一つにすぎないのです・・・多少ビッチ。
1985年から始まるわけですが、1991年にはKGBも解体するので、社会情勢としてはギリギリのところ。ソ連崩壊にしたって、諜報活動してたらわかってる気もするのですが、東西冷戦の美しいスパイを回顧的に描きたかったのでしょう。そして、美味しい部分は他の者が持っていくというもの。ただ、トップに立つのはほんのわずかなんですよね・・・多分。
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