「ブラックユーモア炸裂の上質ヘンテコ映画」ディック・ロングはなぜ死んだのか? せき(名前変えました)さんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックユーモア炸裂の上質ヘンテコ映画
“便利な死体と化したダニエル・ラドクリフ”でおなじみ『スイス・アーミー・マン』のダニエル・シャイナート監督最新作!
小さな田舎町を舞台に、友人ディックの死に関わってしまった2人の若者ジークとアールが、
その真相を警察から隠そうと奮闘する姿を描きます。
前作『スイス〜』に引き続き、シャイナート監督のクセが強いブラックユーモアが炸裂!
真面目に見るにはあまりにバカバカしい一方、
ギャグの中に人間の哀しさも感じてしまうという、
絶妙なバランスで作品を仕上げています。
ディックの死因を隠そうとジーク本人はいたって真面目に奮闘するのですが、
その姿からは想像できないヘンテコ展開に、みなさん唖然とすること間違いなし。
ブラック加減で言うと、ポン・ジュノとヨルゴス・ランティモスを足して2で割ったイメージです。
分かりにくかったらすみません。笑
事件の真相を知ったある人物が放つ、
「人間の行動って計り知れませんね…」というセリフが印象的でした。
終盤には、ロックバンド ニッケルバックのファンとしてたまらないサプライズが用意されており、
エンディングでは思いがけずストレートに感動させられました。
人生がままならなくても、人に言えないぐらいの恥を抱えても、それでも生きてかないといけない者たちへの眼差しを温かく感じる幕引きでした。
作中の「ディックの死因」はなんとフィクションではなく、実際にアメリカで起こった事件を基にしているとのこと!
鑑賞後はぜひ、その死因についてウィキペディアをのぞいてみてください!
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