「映画館で上映した、テレビドキュメンタリー」3年目のデビュー タイシさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で上映した、テレビドキュメンタリー
この作品の第一印象は「映画じゃないな」。
面白い面白くないとかは横に置いておいて、映画としての必要な要件を満たしていないと思いました。長編テレビドキュメンタリーをただ映画館で流しているだけにしか感じなかったので、日向坂のドキュメンタリー映画が観られると思っていたから、個人的にはそこがかなり引っかかった部分となります。
ストーリーはざっくりと、デビュー前の苦難・人気を獲得してデビュー・卒業やスキャンダル・レコ大と紅白に出て東京ドームをめざす、というものです。
前半4分の1は『46分間の予告編』の再編集、というかこのデビューまでの前半部分を膨らませて一本の番組にしたのが『46分間』なんでしょうが。
気になった点は、裏で撮っていた映像に『セルフドキュメンタリー』の時に一緒に撮っていたインタビューをあわせて、一つ一つのエピソードを時系列順に並べましたって感じで、ストーリーに新鮮さや驚きが少ないこと。
東村と金村のプライベート(風)映像があったくらいで、各メンバーごとの掘り下げが少ないのも気になりました。スキャンダルや卒業についてはもうちょっとツッコんでくるのかと思っていましたが、さっと表面をなでて通り過ぎた印象です。
大人の事情もあるのでしょうが、個々のエピソードを広げたり掘り下げたりすればもっと盛り上がったと思います。すべてが淡々としていて、ひたすらに地味な印象を受けました。単純にいろいろやりたかったけど予算も時間もなかっただけなのかも知れません。
良かったのはラストシーンかな。ゆるい感じではあるけれど、前向きにみんなで歩んでいる姿が日向坂らしくてとても好きです。
つまらない作品では決してないので、ファンならそこそこは楽しめると思います。