劇場公開日 2020年6月26日

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「この本編映画の題名は肌色の事ではなく、”刺青を消す事”なのでは?」SKIN スキン YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0この本編映画の題名は肌色の事ではなく、”刺青を消す事”なのでは?

2020年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

第1シーン:ネオナチ系デモ隊「ハーケンクロイツ」の連呼を
「焼きつくせ!」と訳していたが、意味が違います。
「ナチス(思想)万歳」と正確に訳すべきです。
 暴れろ! と言う意味で言っているのではなく、集団顕示です!

映画冒頭の但し書きで、「inspire。。。。」 を「実話に基づく」と訳すと、
”内容は実話”ということに成り、「事実に対して、脚色だけしました」の意味に鑑賞者はとってしまいますが、
それは映画の本質を見失う重大な誤訳です。
1行の文章だけで、作品のリアリティ度を上げるチート技で、最近多い日本での卑怯な宣伝演出だと思います。
base on A true story(事実)ではないのだから
「事実から触発・影響受けた」と正確に和訳すべきです。

最初に短編を見せられたが、この短編映画は KKK的にアフリカ系市民・肌の色への人種差別者に対する映画だが
本編はネオナチの、移民・外国人排斥運動者集団に関する映画(ヴィンランダーズ事件)で、似て非なる問題をごっちゃにする悪意を感じる構成だ。
何よりも、似たような短編を先に観させられると、鑑賞中に混同してしまいます。

劇中「差別主義者」という和訳が多々でてくるが、やはり 移民・外国人排斥運動者もしくは@人至上主義者と訳さねば映画の本質が崩れるだろう。
この映画の翻訳者は 超失格訳者である。

ネオナチを改心する過程での本人の葛藤は少しも描かれておらず、対外的な障害にのみストーリー構成している薄下手い(うすべったい)社会派映画となっている。

問題の本質は思想ではなく
貧困からくる社会問題ではないかと
個人的には思います。

劇中、複線をうまく使いこなしていないが
ネオナチによる”青年の勧誘”という社会問題が描かれていたことは、
数少ないプラスポイントではある。
そこを炙り出すのが、この映画の本軸で有るべきだ。

そもそも刺青を消すことで「SKIN」という題名をつけてはいるが
無理がある。映画で言いたいことは ネオナチからの改心の筈だ。
この題名が許されるのは最初の短編映画の方だけである。

肌の色だけで、差別される世の理不尽さを訴えた映画は。。。
思い出しておきます。

YAS!
YAS!さんのコメント
2020年8月17日

なぜハリウッド映画が詰まらなくなったか、理解できた気がする。

日本のますこみと同じで、筆者は傍観者ではなく、逆に自分が書きたい本・シナリオが最初からあり、そこに事実を入れ込んでいくからだ。

話は解りやすくなるが、真実がそこには無くなってしまう。

YAS!
YAS!さんのコメント
2020年7月26日

この映画は ネオナチ という極端な集団から抜け出した話だから解りやすい。
日本でも似たように、オーム事件があった。
そんな事はもっと身近にもある。
貧困家庭や育児放棄の家庭だ。
子供たちは他の親・環境を知らないと
現在自分が存在する集合体を否定することも離れることもできない。

生活・生きる為、そして自分と言う存在を肯定させてくれる唯一の集団から抜け出すことは難しいが、この映画ではそんな男を母子家庭の女性達が救ったのだ。

YAS!
YAS!さんのコメント
2020年7月26日

ヴィンランダーズに代表されるネオナチは白人至上主義というよりも
移民反対運動と捉えた方が理解しやすい。
その「ネオナチ者を黒人が改心させた」と結ぶのは事実を湾曲した捉え方である。
ハミルトンの様に黒人に手柄に与えたいのだろうが、黒人ではなく
当たり前に存在する「人」であり、黒人だからできたのではない。

YAS!