劇場公開日 2020年6月26日

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「あれ?ドキュメンタリーだったの?」ハニーランド 永遠の谷 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あれ?ドキュメンタリーだったの?

2020年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 最初はドキュメンタリーだと思って観てたのに、途中からトルコ人の大家族が隣に住み着いて、酪農だけしていればいいのにハティツェに教えを乞うて同じ養蜂を始めてしまう。特に子どもたちとは仲良くするが、長年築きあげてきたハティツェの秘策とも言える農法を邪魔するようになってくる・・・

 昨日『僕は猟師になった』を観たばかりで、「半分は自分に、半分はハチに」という信念が通ずるところがあると感じた。しかも特別の道具じゃなく切り出した岩を使ってである。ガラスの小瓶に詰めて市場まで売りに行く。こんなので生計立てられるのかな?などと、慎ましい生活ぶりにも感心してしまう。

 トルコ人家族は100頭ほどの牛を連れてきていて、その生活ぶりも興味深かったが、子供の衣服や教育費を賄うためにハティツェの養蜂をマネするのだが、欲を出して「半分残す」という掟を破ったため、蜂の生態系まで若干変えてしまう。蜜をほとんど取られた蜂が怒り、彼女の巣の蜂を攻撃しまったのだ。

 マケドニアってどこだっけかな?などと考えつつ、マケドニアといえばアレクサンダー大王!と勝手に思い込むうち、ハティツェの顔がアレクサンダーに見えてきてしょうがなかった(日本人で言えば先日亡くなった斎藤洋介似)。

 顔にはフェイスガードしてるのに、巣箱(とはいっても石壁の中)では素手作業する。牛糞燻製という技で蜂をおとなしくさせているのだ。隣の母ちゃんは年子を産んでいて子沢山。トラックを押し掛けするほど力持ち。途中から牛の姿を見かけなくなったけど、こういうラストが待っていたんだなぁ・・・そしてハティツェにも大きな変化が・・・

 とにかく、ストーリー性もたっぷり感じるドキュメンタリー。自然の恵みは偉大だ!そして自然と共存しなければならない人間のドラマ。フィクションであっても文句はない。どことなくイラン映画の雰囲気も感じられたし、ラストショットの美しさにもうっとりさせられた・・・

kossy
CBさんのコメント
2021年1月22日

> 隣人家族がキモでした。
> 彼らの行動がちょっと映画的
> だったために、作られたもの
> のように感じられてしまい
> ました

あはは。ですよね。狙ったってあんなことできなそうなのに。監督、すごい強運なんでしょうね。...って4年も頑張った人に「強運」で済ますのは酷いか。

CB
CBさんのコメント
2021年1月22日

> 最初はドキュメンタリーだと思って観てたのに

ドキュメンタリーなんですよね。

CB