劇場公開日 2020年6月26日

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「きれいな映画を楽しみながら、「共生」 について理解することができます!(1)」ハニーランド 永遠の谷 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0きれいな映画を楽しみながら、「共生」 について理解することができます!(1)

2020年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、TV地上波

さすが、キネカ大森! 「ビッグリトルファーム」 と 「ハニーランド」。この組合せ、最高!!!!
共に、"共生" の物語。一方は、農業で荒れ果てた土地を、生物多様性のある土地に再生しようとする人々の物語であり(「ビッグリトルファーム」)、もう一方は、北マケドニアの厳しい自然から、自らのわずかな取り分だけをいただいて生きるひとりの女性の物語である(「ハニーランド」)。

こちらは、急な山肌や川面にかかる木の幹などに、上手に作ったミツバチの巣箱から、定期的にハチミツをいただくことをなりわいとしている女性の話。
ハチミツの取り方も、決してもらい過ぎない。「半分は自分のため、半分はハチのため」 という原則を貫き、それがハチと人間の長い間の共存を成り立たせている。そうは言っても、「もっともらっても、なにも問題ないんではないの?」 と観ている俺たちも感じるわけだが、物語(ドキュメンタリー)では、隣に引っ越してきた大家族が、主人公の彼女に教えを請うて、ハチミツ作りを始める。子供たちの学費のためにと、主人公の教えを守らず、大量生産に取り組もうとし、結果として、彼女が指摘した通り、ハチミツの産出量が減ったり、近すぎるためにミツバチ同士がケンカして数が減ったりした結果、ハチミツは激減してしまう。自然と人間が共生していた場所が、共生できない場所に変わってしまう姿を、俺たちはこの映画で見ることができる。

映画は、60歳近くまで病気の母を診ながら働き続けている彼女の姿を、淡々と描き続ける。ハチミツを採り、それを街で売る姿には、「足るを、知る」 という言葉を教えられる。一方で、歌や踊りが大好きな彼女が、越してきた隣家が教えてくれた "アルミ皿を使ったラジオアンテナ" で、ラジオで音楽を聴けるようになって、うれしそうにする姿も忘れられない。そう、すべての人には、もっと幸せになる権利も与えられているのだから・・・

冒頭に書いたように、この映画 「ハニーランド」 で 「すでにある自然と共生する姿」 を観たら、「ビッグリトルファーム」 で 「壊してしまった自然を、共生できる姿に再び戻す姿」 を観ることを、強くお勧めします。

CB
KEIさんのコメント
2021年6月19日

コメント有難うございます。自然界の捕食動物も決して獲りすぎないですし、例え敵であっても共生ってことなんですかね。

KEI
kossyさんのコメント
2021年1月22日

隣人家族がキモでした。
彼らの行動がちょっと映画的だったため、作られたもののように感じてしまいました。

kossy