宇宙でいちばんあかるい屋根のレビュー・感想・評価
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セリフに『何々かよ!』っと言葉は2015年の流行語
残り一時間、結末が分かった。
そんな偶然あるわけないと見ればわかる事。
どこかで見た事ある奴らばかり出ている、旧国営放送とコマーシャルに出ている俳優の寡占状態なのだろう。
可愛いのは良いが、見た事ある顔には混乱する。
これからの俳優は可愛いだけではなく、芸が必要だと思う。芸と言っても、お笑い芸人だけではない。例えば『ミッドナイトスワン』の主演女優のバレエとか。
僕はこの主演女優が、川口春○だと思ってみていた。
中学三年生が受験勉強はどこへ行ってしまったのか?
監督が男のようだ。やはり女子中学生の気持ちは、女性の監督しか表現出来ない。世界に誇れる女性監督の出現を大いに希望する。一般の仕事だけでなく、日本の女性監督の能力を、引き出そうとする流れもまだまだ弱いと思う。
しかし『桃井かお○さん』も『男はつらいよ』のミツオくん相変わらずだね、
僕ら世代の老人は若者に何も伝えられない。平和の尊さは不幸な時代があるからなのかと感じる。例えば、僕らの子供の頃は戦争の事とか関東大震災の事を祖父祖母や父母から聞いた。しかし、僕ら世代は、全共闘の争いも知っているのは知識だけ。
さて、残念だが、これからの若者の方がその試練を被るのかもしれない。
やはり、結末はちょっと違ったが、予想通り。但し、糸電話は糸をはらないとつたわらない。小学校2年の理科は忘れてはリアリティにかける。
『渡る世間は鬼ばか○』の第三話と第四話の違い。さんざん、同じ様な話を僕らは見てきた。安心して見ていられるってそんなもんだ。
それぞれの屋根
14歳の女の子は、隣の男の子に思い寄せている。そんな気持ちを上手く伝えれないまま、ある日不思議な体験をする。
星バァと出会い自分の人生が好転していく様な軽やかな進み方でとても良かったです。
屋根=家族、親
連れ子として生きてる自分には、どこか居場所の様なものがあるようで無い様なそんな気持ちを主役の子から感じました。
ファンタジーでありながら、どこか切ない情緒的なリアリティを思い出させてくれるシーンが多くて、感動しました。
登場人物がみんな嫌だった!!
ザ・夏休み映画という感じで、劇場アニメにありそうな内容でした。桃井かおりは桃井かおりでしかないと思います。お父さん(吉岡秀隆)が何かフニャフニャしていて、娘より後妻大事で凄く頼りなかったです。継母は面倒くさそうな感じで、つばめとは腹を割って話さず、つばめが邪魔な印象でした。伊藤健太郎が交通事故に遭っていてネタのようになっていますが、亨君がどうでも良いので楽しめませんでした。習字の先生も上面だけですが、父親からビルを相続した自慢は必要なのでしょうか。星ばぁ関連も押しつけがましく、どのキャラクターも嫌でした。初主演作でこのポスターの上を向いた柄は無いなと思います。
守ってくれる「宇宙」それは多分「家族」
2020年。監督:脚本は藤井道人。原作は野中ともそ。
14歳のつばめ(清原果耶)のひと夏の成長物語です。
つばめは父親(吉岡秀隆)と2度目の妻・麻子(坂井真紀)に大事に育てられている。
しかし父親と麻子に新しい命が誕生することになり、心が揺れ動いている。
ある夜。
通っている書道教室の屋上で風変わりな老女と出会う。
彼女はほしばあで本名は星野とよ(桃井かおり)。
“年を取ったらなんでも出来る”
が口癖で、つばめが密かに恋してる隣家の大学生亨(トオル=伊藤健太郎)に出した
恥ずかしいラブレターの回収をしてくれたり、
すっかり打ち解けて恋や家族の悩み・・・
そして学校の出来事をなんでも相談するようになる。
桃井かおりはつばめのお悩みを聞く代償に焼肉弁当や菓子などを要求する。
“見えるものには見える“なんていうから、もしかしたら幽霊なのかなあ?
と私は思ったりしたが、取り越し苦労だったみたい。
ちょっとファンタジーな味付けだった。
だってほしばあはバス賃も持っていない。
「バス、来ーーい!!」
と呼ぶだけで目的地行きのバスが来たりする。
やはり魔法使いだ!!
おまけに住所不定でホームレス風なのだ。
書道教室の先生(山中崇)がこの映画を牽引している。
つばめに水墨画を薦めて、
つばめの実母(山上ひばり=水野美紀)との出会いの橋渡しを
演出する。
(なんかこの辺り今泉力哉監督作の「かそけきサンカヨウ」によく似ている気がする)
サンカヨウも実の母親が画家で、絵画展で再会した母親には幼い子供がいて、
新しい家族との仲良しぶりを目撃して心を取り乱すところとか・・・
育ての母親麻子がとても優しい女性である点とかも似ているけれど、
まぁ良くある設定ではあるのだ。
起承転結の転と結。
ほしばあの孫探しに付き合うつばめとトオル。
赤い瓦の屋根・・・それだけの情報で町内をローリングするつばめなのだ。
そしてマコトと言う名のほしばあの生き別れの孫が、
つばめのクラスメートで元彼の笹川誠(醍醐虎太郎)なのだから、
《かなり偶然の度が強い》
普通そんなに簡単には見つからないですけれど・・・ホントは住所の枝番も
わかってたんだろうねー。
な訳ないか!!
(そう言う身も蓋もないことを感じるオバサンはこの映画を楽しむ資格なし)
魔法使いみたいだったほしばあが意外と普通人の転と結を迎える。
起承転結の起承はファンタジーで後半の転結はリアリズム。
桃井かおりさんはそんな不自然な設定を自らの演技でなんの違和感もない
説得力を見せます。
さすがと言うか、キャリアと実力です。
なんとも可愛らしい老女なのです。
伊藤健太郎くんは可もなし不可もなし。
主演の清原果耶さんは初主演とは思えない透明感と清潔感に抜群の演技力。
彼女の場合、若いのに貫禄すら感じます。
監督の藤井道人さん。
「新聞記者」2019年。
「宇宙でいちばんあかるい屋根」2020年。
「ヤクザと家族The Familly」2021年。
そして
「余命10年」2022年。
来年には、
「ヴィレッジ」が公開されるそうです。
横浜流星主演の藤井道人監督が新境地に挑む作品らしい。
どんなジャンルも死角はなし。
とても楽しみな監督です。
題名の【宇宙でいちばんあかるい屋根】の「屋根」とは、
いつも雨・風・台風・それを屋根は防いでくれる。
麻子さんが結婚を決めた一番の決め手は、可愛いつばめ、だったこと。
お父さんの告白で知るのですが、「屋根」は「家族=守ってくれる人たち」
でもあると、この映画は告げています。
水墨画っていいな
繋がっていたい
ピュアな女の子のお話
最初このタイトルの意味がわからなかった
宇宙で…って
と言うところから
ファンタジー要素がたくさんです
突然。。星ばあが出てきて
彼女の悩みの話を聞いて
…大丈夫だよ
…繋がっているよ
誰しもが通る悩みごと
本人が思うほどじゃない
この二人の対話がよかった
一番の軸を成すところ
夜の屋上から見る景色が宝石を
散りばめた様な…美しさ
それを見るだけでも
心がピュアになる
あと。クラゲと一緒に空を飛んだり
ファンタジーありきですね
お習字の先生もよかった
生徒たちを包み込む優しさがある
優しい人たちに囲まれている
モネちゃんが、いいね。
清原果耶が、14歳の少女を好演している。
桃井かおりのどあつかましい婆さんとの絡みが
いいね。
つばめちゃんの事情もわかり深みがでます。
伊藤健太郎が、交通事故にあうシーンは皮肉だね。
新聞記者やヤクザと家族の監督さんなんやね。
清原果耶さん初主演ファンタジー
WOWOWで視聴。
期待の朝ドラヒロイン清原果耶さんの記念すべき初主演映画。
いきなり桃井かおりさんとの共演というのが凄い。
出てくる人物が全て複雑な家庭環境という設定。
父親の連れ子で、腹違いの妹が生まれようとしている複雑な家庭環境の中、自分は家族から邪魔な人間では無いかと思われるのではないかという不安の中にいる主人公。
ある日屋上で星ばあ(桃井かおり)と出会い接することで自分を取り戻し前向きに家族と過ごすことが出来るようになるまでのストーリー。
以前、産婦人科の看護婦役を経験している清原さんは赤ちゃんの抱き方は上手ですね。
10代にして高い演技力を発揮している清原さんにこれからも期待します。
伊藤健太郎という役者を好きになった
予備知識を全くもっていなかったこともあるがタイトルやポスターから想像していた内容とは違った内容だった。
星ばあの孫はお約束でしたね。
レビューを書くためにあらすじを読んで初めて知ったが隣人の亨って、大学生だったのか。
てっきり同い年の幼馴染だと思っていた。
でも、この映画で伊藤健太郎という役者を好きになってしまった。
・今日から俺は!!劇場版
・弱虫ペダル
・宇宙でいちばんあかるい屋根
と三本の映画に連続登板していたけど、彼の良さが一番良く表現されていたかな。
屋上のセットが安っぽかったのは残念。
主題歌もきれいだった
きれいな映画だった
ピュア。
ひっそりファンタジーしててよかったなぁ
思春期感じたなぁ
よくある家族物にファンタジー加えた話
そりゃ泣けますわ
屋上のシーン、いいなぁ
空をふわふわ漂うシーンも、いい
『お母さんはつばめに一目惚れした、手放したくなかったのはお母さんのほうなんだ』
めちゃくちゃ素敵なお母さんだ。
今まで屋根を意識的に見たことがないけれど
屋根の下にはいろんな家庭ことがあるって
ことなんだなぁ
清原果耶、いい演技するなあ
伊藤健太郎もやるなぁ〜〜
桃井かおりの星ばあもいいけれど、樹木希林の演じる姿がみえる
2020年の使い方がいいなぁ、これくらいがいい
あたたかい気持ちになれるファンタジー
何の予備知識もなく清原果耶、桃井かおり、伊藤健太郎と言う出演者に惹かれて鑑賞しました。
ピュアな清原果耶と爽やかさ全開の伊藤健太郎は期待通り、桃井かおりの星ばあもこの映画の世界観にぴったりでした。
いろいろな事に悩みながら成長して行く女の子を演じさせたら清原果耶はピカイチです。
ただ残念なのは他の方もレビューされているけれど、セット感満載な屋上シーン。ファンタジックな作品なのでリアリティを出す必要はないのかも知れないけど、そこだけが異質なものに思えてしまいました。
吉岡くんも真紀ちゃんも年頃の娘を持つ父母役をやる年齢になったのだなぁと変な所で感慨深くなってしまいました。(笑)
美しい
とにかく映像が美しいと思いました。
それも、ほれ、綺麗だろ?と押し付けるような美しさでなく、あくまで自然体なフォトグラフのようなナチュラルな美しさです。
ロケーションの選び方も上手なのでしょう。屋上の風景や、階段の下までまっすぐ続く道の周囲にある団地の景色がとても伸びやかで美しい。
夜空の暗すぎない青に浮かぶって三日月や、裸の電球など、照明さんの力も大きいのかもしれません。
さて、映像ばかりについて語ってしまいましたが肝心なストーリーを。
すごく特別なお話ではありませんでしたが、ほろっとするよいお話です。桃井かおりを星ばあに使ったのがキモです。
俄然個性的な芝居に引き込まれました。
ファンタジー作品なので腑に落ちるとか落ちないとかはあまり気にするひつようがありません。
つばめと両親の気持ちがきちんと伝わる、よい作品です。
心が温まるファンタジー
とにかく清原果耶さんの泣きの演技にもらい泣きしました。
伊藤健太郎くんが好きなので楽器を弾いている手に見惚れました。
思春期の娘と父の関係がわかりやすく表現されていました。
星ばあはきっと素直な人には見えると思いました。
時間っていうのはな、もっと気持ちよく使え。
・・と、そう言うのは、言った星ばあ自身がそれを後悔しているから言えること。はたして、そうだった。星ばあはすごく後悔してた。だから、成仏できなかった。心残りを片付けたから成仏できた。つばめが見ていたものは幻なんかじゃなくて、口は悪いがとっつきやすい幽霊だったんだよ。まあ、はじめからその設定をわかりやすくしてくれてたけど。たぶん、幽霊は、心の弱い人間に近づいてくる。それってたいていおぞましい結末を迎えるのが常なんだけど、星ばあとつばめの場合は、相互補完ができる良好な関係で、この二人の出会いだからこそハッピーエンドにつながるわけ。お互い、ちょっぴり思いが伝えきれないしょっぱさを感じながらも、良かったねと声を掛けたくなるのは、星ばあは成仏できて、つばめは少し大人になったのを見届けることができたからだろう。
とにかく、清原果耶初主演、ってだけでもめでたいし、その代表作として恥ずかしくない出来でした。
桃井かおりは、このまま我が道を進めば、現在空位の「樹木希林」という稀有なキャスティング枠最有力に成り得るか。あまり融通の利かない婆さんをごり押ししちゃ、だめなんだよなあ。あの方は雑妙に力を抜いていたものな。難しいとこ。
息を潜めたくなるほど静かで素敵な映画です。
これは映画館で観たい映画ですね。
静かな映画で、つい息を潜めてしまうような映画でした。
静まり返った劇場で、他のことを全く忘れて物語に引き込まれてしまう映画でした。
脚本が、これまた素晴らしい。
いい人しか出てきません。大好物です。
無駄なやりとりもなく、あっという間の2時間でした。
書道教室も、うまくできていましたよね。
わたしにとっては、今までは、浜辺美波さんを推してましたが、清原果耶さん、まさに超新星の誕生でした。
誕生日おめでとう。
それをいう時のなんとも言えない笑顔とか素晴らしい演技でした。
桃井かおりさんとのラストシーンで、海月踊り。
あれ、なかなか自然できないですよ。
そして、あの笑顔にやられました。
号泣というより、
人を思う気持ちが伝わって、涙が溢れる感じでした。
是非、いいから観てよと、人に勧めたくなる映画です。
原作ファンです! 絶対に映画館で見るって決めてた☆彡
17年前の思春期小説。この原作がとても好きなので、映画化を知った時は、えっ今頃??と驚きました。そして主題歌がCoccoと知り、ぜひ映画館に行かなくちゃ!と決めていました。誰もいない一人きりの映画館で鑑賞!(笑)
雰囲気は、いい感じ。さわやかで 少し淋しくて、ほんのり心あたたまる話。
ただ、原作ファンとしては、ん~…満足ってわけではないな。
小説では、登場人物一人一人すべての個性が鮮やかに立っていて、感情の機微が強く伝わってきました。思春期の少女の微妙な心の揺れ動きが、この話の肝心なところ。でも映像化したら、言葉で説明しない分(モノローグは無し、やや寡黙な感じ)、映像の雰囲気に頼る感じで、ちょっとありきたり~なほのぼの話になってしまった気がします。原作ファンじゃない人の方が、すんなりと楽しめるのかも。
主人公の少女つばめの、ちょっと寂しさを抱えた静かな透明感は、この女優に似合っていて好感です。でも映画ではあまり中学生ぽくは見えない気も。まじめで落ち着いた雰囲気は原作と同じだけれど、大人びて時々周囲のにぎやかさにうまく混じれない一方、時折うっかり子供っぽい幼い行動をしてしまった自分に恥ずかしくなり苛立ちを抱えたり、くるくる変わる感情を自分でうまく扱えずにもてあます、言葉にしないけど心の中には色々な感情があふれてる「14歳って、とても不便だ」なようすが原作では詳しく描かれ、読む側は、思春期の頃を思い出して共感したり、あいたたた…とほほえましく感じたりするのですが、映画のほうは淡々としすぎて「思春期の少女」の綺麗なイメージだけを優先して描き、つばめという人物の個性や思春期の説得力が薄まってたな。
主人公が出会う、変わり者の「星ばあ」。原作ではもっと、鼻つまみ者な感じ(笑)口悪く辛辣な言葉でつばめを半泣きな気持ちにすらさせる出会いだったけれど、映画ではソフトでした。文字だけで読んでた時、私の頭の映像の中では、たぶん樹木希林イメージ。目をぎょろっとしたり、にらんだり、にやっとしたり、大声で笑ったり、ちょっとうるさくてわずらわしいほど個性が強いおばあちゃんでした。「アイツは殺しても死なない!(笑)」って笑い飛ばせてしまうほどアクの強いキャラだからこそ、いざ孫のマコト君と会う時に気弱になってしまう姿が妙で、ひとにはそれほどまで壊したくない大切なものがあるんだなと感じられるし、いなくなってしまった後に切なさがおしよせてくるんだけれど…。実写映画の桃井かおりも悪くはないけど、ちょっと風変わりな程度でキャラが弱く、インパクトには欠けました。それが、レビューでよく言われてる「ファンタジー要素がちょっと…入り込めない人もいる」原因にもつながったと思います。
だって原作の星ばあの性格なら、平気ででまかせや嘘も言う口達者な人だから、「空を飛べる」と言い張っても、つばめは「もー、星ばあってばまた言ってる。そこまで言うなら飛んで見せてよ?」くらいにとらえていて、でも最後の方は信じてみたい気持ちになったりする感じが、普通にリアルです。この映画ではそういう雰囲気じゃなく、中学生にもなってつばめはそのまま信じちゃってるみたいだし…現実世界に妙にファンタジーが混じっちゃってる感じは否めません。その感覚に共感できず苦手と感じてしまう人はいるんだろうな~。
映像で惜しかった場面は、夢の中で、くらげにつかまって空中遊泳して、星ばあとすれちがう場面。ふわふわした浮遊感が全然無く、不自然な硬い動きが、夢の中っていう設定でも説得力が微妙でした。そもそもこの話は、現実の日常生活の中で「…あれ?夢だったの?」と境目があいまいになるとこが絶妙なのだけど、映画化ではそこがうまくいかず、妙にファンタジー色が目立ってしまってたかな。
映画化では時間削減のためか、とおるくんの彼女の存在は消されているなど、ちょこちょこ原作との違いがあります。これはこれで話は成立してるし、登場人物の性格は特に変えられたりはしていないから、まあよいのですが。しかし、感情の機微が肝心なこの話において、印象的なモノローグや、登場人物の個性や魅力をきわだたせるエピソードが削られ、行動が変えられ別の感情が描かれてるのは、ちょっと期待はずれでした。時間削減しながらつじつま合わせの為に行動を変えても、話は流れるけれど、その人物の性格や感情がいまいち伝わらない行動になってたら、意味ないのでは。
彼女の存在が描かれることで、つばめの幼い淡い恋心が、大学生のとおるくんに届かなくてもどかしい感情や、背伸びしたいのにできないはずかしさ、淡い焼きもちなどがちゃんと伝わるのにな。屋根さがしのために、けが人のとおるくんと一緒に毎日毎日炎天下を長距離歩き回るのは…酷。映画版のつばめは、つばめらしくないな。普通はあんなことしないと思う。好きな人なら心配だし、もっといたわるでしょ。原作の「好きな人のために自分が何もできなくても、とおるくんが苦しんでるなら、私も静かに夏休みをすごしたい、会えなくても同じ町の中にいたい」と一人静かにストイックに時間をすごす切なさが、つばめの芯の強さやけなげで純粋な恋心を表していて、好感がもてたんだけどなぁ。まことの登場場面も不自然に変えられ、ご都合主義に感じました。
特に残念だった点
父が「実の母がつばめを引き取りたいと来た時、今の母親が断固反対したことがあった」と打ち明ける場面。母がちょっと破天荒なほど感情をぶつけてつばめを守ろうとしたエピソード、「ええッまじ?汗」と驚き、思わず笑えちゃって、『家族って、どの家の家族もみんな、色々ある。普通の家庭って、なに? 普通なんて、なんだっていいじゃない。血のつながらない家族だって、こんなに愛あふれるんだよ。』ってことが伝わってきて、大好きなエピソード。ギャグまじりだからこそ感動が深まる場面。なんだけど、映画では、その状況説明の父のセリフが全部削られ、最後のつばめのセリフはそのまま「ママ、やるなぁ」←いや何を?説明きいてないのにそのセリフ出てくるわけ…。
こんな風にたくさんのセリフを削られて、ただ表情や雰囲気だけで伝えようとした場面がたくさんあるんだけど、かなり薄味~でありきたりな、ただの「いい話」風になってました。悪くないけど、2回見ようとは思わない、たいして印象に残らない映画になっちゃってたな…。
ごめん、原作ファンってやっぱり、そう感じちゃうこと多いですよね。
原作を超える映画化って、なかなか見かけること少ないものですよね。一人で書かれた文字だけじゃなく、何百人もの人達が映像も言葉も音楽も総動員して映画化してるのにな…。
最大の残念な点!
原作に無い、映画オリジナル場面。実の母に会いに行ったのに娘だと全然気づいてくれなかった場面、やりきれない…。そんなにたくさん会話してるのに何故全然気づかないの?(泣)母親なら気づくはず、なんていう、よくあるお涙頂戴話に出てくる、血の繋がりをミラクルファンタジーに信じるものなんかじゃなくて。(そんなの、この話のテーマと正反対!)この映画は登場人物の感情と行動に、全然つじつまがあわない、理解できない!
だって、つばめが見つめていた3羽のつばめの親子の絵…(尾の形、つばめですよね?)母はすぐに笑顔でお客のつばめに声をかけ「この絵、10年くらい前に描いたものなの、気に入ってくれて嬉しいわ、あなたみたいに若い方が来てくれるなんて珍しい」と喜びます。「10年くらい前に描いた」と瞬時に言えるほどはっきりと覚えている画家本人が、娘と同じ名の「つばめ」の3人家族(自分の家庭と同じ)を描いた時にどんな気持ちだったか、どんな思いをこめて描いたか、思い出さないはずがありません。今14歳のつばめが4歳の頃に描いた絵。2歳で娘を置いて離れ…父は1人で育てられず再婚。離れたら彼女はやっぱり恋しくなり娘を取り戻しに訪れた頃でしょう。そして、つばめを可愛がる継母に激しく断られ意気消沈、家庭を捨ててまで自分の道を選んだ事を後悔したかも。ちょうどその頃に描いた絵を、簡単に忘れられるわけがない。たとえ今は「東京で新しい家族と幸せに暮らしている」としても。この絵を未だに大事に飾ってるのなら、その絵をじっと見つめて何か言いたげに挙動不審にしてるつばめとあれほど会話しながら、「こんな若いお客さん珍しい…中学生くらいかしら、そう、あの子と同じ年頃かしら…」と思わない方がおかしいです。長年会っていないとしても、この絵を自ら飾っているくせに、「つばめ」というキーワードから「この子…なぜそんな顔で私を見つめるの?…あら、この子の顔立ち…え、もしかして」と感じない方がおかしいです。もしも新しい家庭のことで心がいっぱいで、つばめのことを忘れているなら、あの絵を飾り「10年前に描いた」と瞬時に言えるのはおかしい。不自然すぎです。むしろ、昔捨てた娘を思って描いた絵なんか、封印して二度と見ないとか捨てるとかして、新しい家族と幸せになろうとした結果、今のつばめに会っても気づかない、というのならわかります。しかし、その絵をポストカードにまでしてるなんて、つまり代表作なんですよね、よほど有名な売れっ子でもなけりゃ、代表作だけしかグッズ化しません。10年も描き続けていれば相当多数の作品があるだろうに、他の作品を差し置いて特別な一作なんですよね?「つばめ=昔捨てた娘」を思って描いた絵が。新しい家族と幸せに見えても、つばめの秘密をずっと抱えてる証拠。それなのにあの行動はすべて不可解すぎです。映画で母の名は、えり子から「ひばり」と変えられ、娘つばめとの繋がりをより強調させる演出なのに。つばめと名付けたのは母では?と並々ならぬ思い入れ背景を感じる名なのに。母の心情が全く伝わってきません。登場人物それぞれの心の揺れ動きという、この作品の一番重要な醍醐味なんて無視して、ただ主人公が泣くクライマックスを作りたいがために無理やりこじつけた脚本に感じます。
ラストの2020年、つばめが大人になり、描いた水墨画の展覧会を書道教室の先生が笑顔で見る場面は、ほっこりして良かったけど、けど…すごく感動とは思えません。実の母との再会があんなにつらいものだったのに、その母と全く同じ道に、まっすぐ進む??説得力に欠けます。 14歳の夏、本当に色々な出来事があって忘れられない夏の記憶になったはず。素敵な思い出だけじゃなく、トラウマな記憶だってあるはず。あの母との再会は、良い思い出になんかなったと思う?? 書道教室に通いはじめたきっかけは、もう会えない母が自分と父を捨ててまで選んだ書道のことを知ってみたかったから…そんな理由を両親には言えず胸に隠したまま「けっこうおもしろいよ」と笑顔を作って見せてたつばめ。(でも、何も言わなくても、実は両親は気づいてたのが、愛…。血はつながってなくてもね。)そんな繊細なつばめが、あのつらい再会を経てさえも、母と同じ職業を選ぶほどあの母にようになりたくてしょうがない?それとも、きっぱりと母のことをふっ切り、純粋に水墨画を大好きになる?狭い業界、絶対に母と否応なく比較されたり会ったりするのに?それを乗り越えてまで、完全に同じ職業を選ぶ?絵はお世辞にも上手とは言えないほどの腕前だったつばめが若くして成功するほど、がむしゃらに母と同じ道を突き進むの?どんな気持ちで??
映画版では、登場人物の行動に、共感や納得ができません…。原作の方はみんな個性的で魅力的で鮮やかなのに。もしかして監督、シナリオの流れのためにご都合主義優先で、登場人物の感情をちゃんと考えてないのでは?行動原理がほとんど破綻してると感じます。
ごめん、評価★2とか1に下げるべきかも…。人物の感情が伝わってきません!原作ファンだから気になるだけ?映画だけを見た方、雰囲気に流されず純粋に話をきちんと考えた時に、違和感を感じませんか??あの登場人物たちの行動原理を理解して説明できる人います?
でも映画ラスト、Coccoの作った主題歌、主演女優が歌う、あの歌はよかったな~。涼やかで、しんみりと心に響いて綺麗だったな。
ハートフル・ファンタジー
ゆったりとした映像の中で繰り広げられるお芝居を楽しむ作品。
特に、つばめと星ばあとママの三人の女性の涙のシーンは、それぞれがこの映画の見せ場だ。
観るものは、三様の背景を想って、否応なしに共感の涙を誘われる。
きら星の如く存在する屋根の下で、様々に営まれる家族の物語。
ミニマムな社会である家族の中に横たわる暴力や複雑な家族関係をスパイス的に描く事で、人の持つ良心がかえって浮かび上がってくる。
前作とは異なる題材を用いながら、藤井監督の描きたいものは、同じ「人の良心を信じる」ということなのではないかと思いを巡らせながら、エンドロールでは清原果那の歌声が気持ち良く胸に流れてきた。
撮影当時、16,7歳だったと思われる清原果那扮する14歳の大石つばめは、違和感のない存在感で、その表情を追うことが停められない。
この娘は、映像の申し子ではないかと思うほど、これからの活躍が楽しみな女優さんである。
それから、エンドロール前の、2020の東京のとあるギャラリーに掲げられた水墨画たちを、かつての書道の先生が眺め行き着いた所には、水墨画なのに色がつけられた屋根の数々を、つばめと星ばあが見渡している一枚にフォーカスしていく演出には、そこに表れないが、成人したつばめの姿や、書道の先生の今の家族を想像する楽しさが残されていて、それこそが映画的楽しみなのだということを改めて思い起こさせてもらえたのであった(了)
やさしい映画
この映画を一言で表すなら、やさしい映画だなと。
優しいではなくて、やさしいって感じ、どこか柔らかい様な。
それで、この映画はなんといっても清原果耶さんですよね。
清原さん、『愛唄』の屋上のシーンで凄い女優さんだと思い知らされたんです。
当然、初主演のこの映画の期待は大きくなります。
そしてやっぱり良い。特に良いと思ったのが、涙の温度。
温かい涙を流すシーンでは、涙にぬくもりが有る様な気にしっかりさせてくれるんです。
いや、清原さんだけじゃなくて坂井さんの涙も温かかったな。
吉岡さんは相変わらずやさしい感じ、山中さんはほのぼのとした感じで、この映画を温めてくれたかな。
そして桃井さん、桃井さんらしさはしっかり出しつつ、桃井さんらしくない人間臭さが出ていた気がします。
だからでしょうか、不思議な星ばあの設定が割りと自然に感じました。
役者さん達の雰囲気が、映画をやさしく感じさせた一因だと思います。
ちょっと話が変わるんですけど、途中にホオズキ出てきましたね。
中田永一さんの『百瀬、こっちを向いて。』を読んだ事有る人なら知っていると思いますが、ホオズキの花言葉ってあまり良くないんですよね。
この映画でも、その件に関しては良くない結果になりましたね。
それで気になって調べてみたんです、有るんですね花言葉だけじゃなくて鳥言葉。
ツバメの鳥言葉 幸福の予感
若者が年長者から学ぶこと
今注目の女優、清原果耶さん初主演作品。
家族や好きな人への想いで悩む普通の女子中学生の話に、桃井薫さん演じる星ばあという少しのファンタジー。
自分だけの憩いの場に突然現れた見知らぬお婆さんに悩みなんて話す?と最初は思ったけれど、「星ばあ相手だったら話しちゃうでしょ」と思わざるおえない程、桃井さんが素晴らしかった。
清原さんも14歳という難しい歳頃の女の子がばっちりハマっていて、演技ではないのだけれど横顔がまあ見惚れてしまう。
伊藤健太郎さんや山中崇さん、この作品に出演されたキャストさんの代わりは誰1人としては考えられなかったと思います。
脚本においては台詞のセンスがとても好きでした。
好きな人への手紙を書いたのを普通だったら「夏の所為」とすると思うのだけれど、「夜の所為」と言ったり、
「時間は有効に使え」ではなく「気持ちよく使え」だったり。
言葉による表現で心を掴まれましたね 笑
この人の言うことは間違い無いんだろうなと思う人っていますよね。
この作品では、星ばあと習字の先生がそうかなと僕は思いました。
根拠はないのだけれど、そう感じてしまう。
それってその人の歳の重ね方なんだろうなと。
少しずつ積み上げて来たものがその人の雰囲気となり、行動や言葉に力を持たせるんでしょうね。
本編が終わりエンドロールとともに主題歌が流れて来て、いい歌だなと思って聴いていたら、清原さんご自身が歌われていたんですね 笑
とても綺麗な声で松崎ナオさんのようでした。
最後に気になったのが産まれた妹の名前!
何だったんだろうな〜?
すずめ?とよ?くらげ?笑
清原のための映画。清原だけで星一個追加!
ストーリーは、ファンタジーチックである。
それが平気な人は、見るべき一本!
ちはやふるでの演技で、衝撃で、名前を覚えた。
まだ、若いのに、主演だぞ!
桃井の芝居の相手として、対等に渡り合った印象だ!
泣き顔が、美しい。
映画の企画が、清原ありきで進んでいたとしても納得。
最後の歌も、本人だろ!上手い!
書道は、確かうまかったはずだけど、
水墨画は、本人かなー?
最近の邦画は、若い女優さんがスゴイレベルで登場してる気がしてる。見るのに忙しいぜ!
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