「ほっとする良作」宇宙でいちばんあかるい屋根 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
ほっとする良作
某社の株主優待でブルーレイをいただいたので、観てみました。
なんとも優しい物語で、見ていてほっとする。若いのに、存在感ある、主演の清原果椰が透明感に加えて、安定感抜群。それに対する桃井かおりが、新境地(?)で、ホームレス風のいでたちが不思議な「星ばあ」を演じる。個性が強くて、何を演じても桃井かおりになるのだけど、今回は役がハマったのか良い塩梅のキャラクターに仕上がっている。
とある郊外の街。つばめ(清原果椰)は、隣家の大学生トオルくん(伊藤健太郎)がほのかに気になる中学生。両親と仲良く暮らすが、母親は実母ではなく、もうすぐ子供が産まれるという少し微妙な環境。学校では別れた彼氏が少し荒れてて、通ってる書道教室では水墨画を勧められるなど、何かと落ち着かない日々。ここまでつばめを取り巻く状況が結構な情報量の割に、物語はゆったりと、ふんわりと進んでバタバタ感はない。
書道教室のあるひとけの無いビルの屋上は、そんなつばめがひとりでホッとできる場所。そこに現れたのが怪しさ満点の星ばあ(桃井かおり)。「歳を取るとなんでもできるようになるのさ」と、ちょっとした魔法を見せる。そこから二人の交流が始まり、星ばあに背中を押されながら、前向きになっていくつばめ。またまた事件が起きて…。
ドラマ1クールくらいの展開を、詰め込み感なく、綺麗にまとめているところは、素晴らしい。つばめとそれぞれの人間関係の複数軸を丁寧にまとめて、ゆったりと見せているようで怒涛の展開。構成と脚本の妙。演者の良さを活かしたキャラクターなどなど、なかなか楽しめた作品だった。
ここのところ、コロナ禍で劇場鑑賞も激減。例年だったらこの作品も劇場で観てただろうけど。家の小さい画面でもまあまあ楽しめました。感染が落ち着いて来たら、少し劇場に足を運ぶと