「時間っていうのはな、もっと気持ちよく使え。」宇宙でいちばんあかるい屋根 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
時間っていうのはな、もっと気持ちよく使え。
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・・と、そう言うのは、言った星ばあ自身がそれを後悔しているから言えること。はたして、そうだった。星ばあはすごく後悔してた。だから、成仏できなかった。心残りを片付けたから成仏できた。つばめが見ていたものは幻なんかじゃなくて、口は悪いがとっつきやすい幽霊だったんだよ。まあ、はじめからその設定をわかりやすくしてくれてたけど。たぶん、幽霊は、心の弱い人間に近づいてくる。それってたいていおぞましい結末を迎えるのが常なんだけど、星ばあとつばめの場合は、相互補完ができる良好な関係で、この二人の出会いだからこそハッピーエンドにつながるわけ。お互い、ちょっぴり思いが伝えきれないしょっぱさを感じながらも、良かったねと声を掛けたくなるのは、星ばあは成仏できて、つばめは少し大人になったのを見届けることができたからだろう。
とにかく、清原果耶初主演、ってだけでもめでたいし、その代表作として恥ずかしくない出来でした。
桃井かおりは、このまま我が道を進めば、現在空位の「樹木希林」という稀有なキャスティング枠最有力に成り得るか。あまり融通の利かない婆さんをごり押ししちゃ、だめなんだよなあ。あの方は雑妙に力を抜いていたものな。難しいとこ。
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