「【”屋根の色を見れば、どんな人が住んでいるのか分かるのよ・・”と”星ばあ”は言った・・。"リリカルでファンタジックな作品。清原果耶さんの透明感溢れる存在感が素晴らしい作品でもある。】」宇宙でいちばんあかるい屋根 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”屋根の色を見れば、どんな人が住んでいるのか分かるのよ・・”と”星ばあ”は言った・・。"リリカルでファンタジックな作品。清原果耶さんの透明感溢れる存在感が素晴らしい作品でもある。】
ー清原果耶さんの弾けんばかりの笑顔、恥ずかしそうに俯く顔、哀し気に涙を流す顔、想いを寄せる人を心配する顔・・・。これまで、幾つか出演された作品を拝見してきたが、ここまで様々な彼女の表情を観たのは初めてである。
そして、繊細で心優しき少女つばめを演じた、全ての表情、佇まいが透明感溢れ、素晴らしい・・。勿論、ラストで流れる歌声も・・。-
・14歳の少女つばめ(清原果耶)は、優しい両親(吉岡秀隆&坂井真紀)に囲まれ、臨家の青年、亨(伊藤健太郎)への恋心を抱えながら、毎日を過ごしていた・・。だが、ある日、不思議な天衣無縫のおばあさん”星ばあ”(桃井かおり)と出会い・・。
■印象的なシーン
・“歳食ったら何だって出来るようになるんだよ・・”が口癖の”星ばあ”に
“後悔は思いを口に出してからするもんだ・・”と言われ、意を決して、亨に”誕生日おめでとう”と言う場面。
ーこのシーンから、つばめは日頃思っていたことを、どんどん行動していく少女になる・・。一歩成長したんだね・・。-
・書道教室で、先生(山中崇:良いバイプレイヤーである。)から勧められた水墨画。東京の展覧会で出会った女性ひばりは・・。そして、ひばりに駆け寄ってきた幼い男の子を見て、取った彼女の行動。ずぶぬれで家に帰り、心配する母に言ってしまった言葉。
ー彼女と優しい両親の関係性が分かる場面。
そうか、お母さんに赤ちゃんが生まれることを喜びながら、内心では色んなことを悩んでいたんだね・・。-
・”星ばあ”から刺激を受け、自分の意思をはっきりと出し、行動的になっていく、つばめの姿。だが、一緒に水族館に行き、幻想的なクラゲが乱舞する水槽を見上げた”星ばあ”は、何かを思い出したようで、何だか元気がない。そして、つばめは又、行動を起こす・・。”星ばあ”の願いを叶えるために・・。
ーつばめを想うが故に、憎まれ口を叩く誠(醍醐虎汰朗)が、実は良い奴で、しかも・・。
あの写真のシーンと”星ばあ”の思いが分かった場面は沁みたなあ。
星空と繋がっている”糸でんわ・・”にも・・。 ー
・ラスト、2020年現在のつばめが”ある分野”で活躍していることが分かるシーンの描き方もとても良い。
<つばめが”星ばあ”の荒っぽいアドバイスを受けながら交流し、どんどん成長していく姿が素晴らしい。つばめを演じた清原果耶さんの魅力全開の作品でもある。>