劇場公開日 2020年11月27日

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「人生の通過点を克明に記す第一章」アンダードッグ 前編 エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人生の通過点を克明に記す第一章

2020年12月9日
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鑑賞方法:映画館

女性ボクサーを演じ安藤サクラがはじけた「百円の恋」の武正晴監督作。これは今年の邦画のベストワンになるのでしょうか。

主人公のプロボクサー・末永晃(森山未來)はチャンピオンへの夢を諦めきれず、“アンダードッグ(咬ませ犬)”としてリングに上がり続ける。妻と息子は家を出て、デリヘル嬢の送迎とサウナの清掃で父(柄本明)を養う。

親に捨てられ児童養護施設で育った大村龍太(北村匠海)は新進気鋭のボクサーだったが、許されることのない過去を抱えていた。

大物俳優(風間杜夫)の息子で鳴かず飛ばずのお笑い芸人・宮木瞬(勝地涼)はテレビ番組のボクシング企画に再起をかけた。

それぞれの思いを抱え3人の男たちが闘うクライマックス。晃と心を通わす子持ちのデリヘル嬢(瀧内公美)、龍太の子を身籠った妻(萩原みのり)、売れない瞬を支え続ける彼女(冨手麻妙)、そして彼らを取り巻く多くの人々の思いが十分過ぎるほどパンチに乗っかった。

第一章とはいえ凄まじい感動があった。しかしこれもひとつの通過点。更なる感動をよぶ第二章があった。

エロくそチキン