「モヤモヤ感」泣きたい私は猫をかぶる sssaさんの映画レビュー(感想・評価)
モヤモヤ感
●気になったところ
①日の出君がムゲのことが好きになる理由が曖昧だったこと
記憶ではそうだ俺もムゲに救われてたみたいなセリフくらいだったと思います。
②日の出君の悩みがわかりづらい
過保護な母親っていうのはわかるのですが具体的に日の出君が何に悩んでいて、そしてどういう風にムゲに励まされていたのか、ここがわかりづらかった為後半入っていけませんでした。
日の出君にもっと明確な苦悩を与えて、それを猫になったムゲが毎日のように励ましに来る
ムゲが毎日猫になってまで励ましてくれているのを終盤で日の出君が知って
→俺もムゲに救われていた
だったなら行動にも好きになるのにも違和感はなかったと思います
③ムゲの手紙をぐしゃった後の日の出君
教室で嫌な二人組に手紙をからかわれた後、日の出君が手紙をぐしゃぐしゃにして大嫌いだと言ってしまうシーンがありますが、その後日の出君が自分が言ってしまったことについてムゲに何もフォローがないのが個人的にはすごくモヤモヤした
その後廊下で謝らなきゃなと言っていますが結局ムゲに謝っていませんし
それがなかったのでラストシーンのお互いに気持ちを言って希望を語るシーン見ながら、いや…まずムゲにひどいことを言ってしまったことについて解消しないとダメだろ…とモヤモヤしてしまいました
・ムゲが失踪した後のシーンで親友の頼子ちゃんが一発日の出君をぶん殴るとか
・あの時は恥ずかしくてつい強い口調が出てしまったと言うとか
・ラストシーンで面と向かって謝って二人とも泣きながら抱き合うとか
そういうフラストレーションを解消できる描写が一つでもあったらこんなにモヤモヤしなかったと思いますしそのせいで日の出君が嫌な奴に見えてしまいます
ムゲが猫になる直接的なきっかけでもあるのでそこのフォローというか見せ方はしっかりしてほしかった
④離婚した理由
作中で察せられる部分があって見落としていたら申し訳ないですが、ムゲの母親が家を出て行った(作中では娘を捨てたとも言われていました)理由とは何だったのでしょうか?
そこが曖昧なので結局どうしてムゲが両親を信用できなくなったのか、薫さんはいい人なのかどうか、元母親はどんな人なのか、父親はどういう人なのか、そこが謎のままでした
ラストでムゲは家族を好きになろうと決意しますが、理由によっては「いや、そんな両親を好きになる必要なんてないよ…」って思ってしまうものかもしれません、そこは明確にしてほしかったです
全体的に日の出くんの行動原理が、(描写不足のため)理解できず話に集中できませんでした。ここがはっきりしていたらもっとスッと話も入ってきたと思います。
●良かったところ
きなこのシーンは好きなところが多かったし今回の映画では一番好きなキャラ(猫)でした
薫さんとの絆が感じられるシーンでもあったのでお気に入りです
きなこがムゲになり替わる動機も家庭がうまくいっていなくて悩んでいる薫さんを安心させたい、幸せにしたいという動機ですごく理解できるし泣けました
(リビングで父と薫さんが話し合ってる所を聞き耳だてるムゲをきなこがひっぱたくシーンも愛ゆえの行動だったのかと(笑))
ムゲはつらい現実から逃げたいという理由で猫になりますが、きなこは愛する人を助けたいというこの作中では珍しい前向きな理由で猫になっていますよね
見終わった後はエンドロールとかよかったですしいい映画見た~感はありました。
ただ後半の展開の急さや描写不足がどうしても気になってしまいました