「映画を観て「感じたい」人たちにはオススメしない」泣きたい私は猫をかぶる プールサイドさんの映画レビュー(感想・評価)
映画を観て「感じたい」人たちにはオススメしない
脚本が岡田麿里さんということで初スタジオコロリド。
簡単に全体的な感想を言うと、前半まあまあ、後半退屈でした。
「無限大謎人間」略してムゲ(さすが岡田さん 笑)と呼ばれる女子中学生の笹木美世は、ある日の夏祭りをキッカケに同級生の日之出賢人に恋をする。
アプローチの仕方がめちゃくちゃオープンで、現実味はないけれどこんな子いたら自分は好きになるなとか、猫に変身できるアイテムがお面という心擽られる設定に、実写映画では受け付けない要素を楽しく観られました(設定はともかくキャラクターがアニメーションでないと観てられない)
ただ、ラストになるにつれて確信めいた事を幾度も繰り返すので、観ていて疲れたし、その割には画的な力強さが物足りなかった。
これは、お面売りの猫店主に問題があるね。人間に戻りたいというムゲと、ムゲを完全に猫化させて寿命をもらいたい猫店主、利害関係的に悪役ではあるのだけれど、そもそもこの人間から寿命をもらう行為は猫の世界では良しとされているのかどうか?猫店主は、猫の世界ではどういう存在なのか?これらがわからないままだったから、ラストの展開が盛り上がりに欠けたのだと思う。
まあ、ラストで言いたい事は、「家族とちゃんと向き合いたい」、「日之出にちゃんと想いを伝えたい」、この2つの回収がわちゃわちゃってなってたね 笑
良い事を書いてなかったけれど、きなこが自分を心配する薫さんを「見ること」で、ムゲになって薫さんに尽くすよりも、たとえ想いを伝えられない猫のまま、きなこのまま彼女のそばにいる事が1番大事だと気付いたシーン、ああいう演出こそが映画の醍醐味だと個人としては思ったね。
あと志田未来ちゃん声優上手!岡村明美さんに声似てない?笑