劇場公開日 2020年10月16日

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「薬の神は生きる希望を売っていた」薬の神じゃない! bionさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0薬の神は生きる希望を売っていた

2020年11月12日
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鑑賞方法:映画館

 こりゃ中国で大ヒットするのもわかる。テンポよし、キャラ立ちもバッチリ、笑わせた後にくる涙のかつあげ。中国映画でここまで感動したのは初めて。

 だめ男を絵に描いたような主人公のチョン。結婚は失敗。インドの怪しい強壮剤を販売する店を営むも閑古鳥で、家賃も払えない。金持ちと再婚した元妻から一人息子の養育権を手放すように迫られる始末。このチョンがインドとのコネクションを活かして白血病のジェネリック薬をインドから密輸するところから物語は始まる。

 密輸仲間の面子が面白い。汚らしい長髪と三重マスクがトレードマークのリュ。このマスクが感動の伏線になっている。
 白血病の娘を持つポールダンサーのお姉さんはちょうどいい感じの美人。ネットワークの中心人物。
 それに加えて下手くそな英語を話す牧師と無口茶髪カーリーヘアー君の4人組で密輸した薬をさばいていく。

 実際にあった事件と年代を変えているのは、中国政府当局を意識してのことだろうし、この作品自体が庶民のガス抜き目的で製作されたかもしれないけれども、映画としての出来は文句なし。江戸時代に御公儀の規制がありながらも浄瑠璃や歌舞伎が花ひらいたように知恵を絞れば映画も面白くできる。

 後半は、コメディタッチが一転して社会派シリアス調が強まり、徐々に心が揺さぶられる。白血病患者であるお婆さんが、必死の思いを刑事にぶつけるシーンで目がウルウル状態になり、裁判所から移送されるシーンでは、涙でスクリーンが霞んでしまった。

 こんな面白い映画は、久しぶり。ハリウッドの穴を中国映画で埋めてくれるといいな。

bion
kossyさんのコメント
2020年11月12日

感動的でしたね♪
最近日本で公開される中国映画ってカンフー映画か、ハリウッド模倣アクションばかり・・・庶民的な映画が輸入されません・・・特に政府に批判的な映画なんて・・・って感じですよね!

kossy