「慢性骨髄性白血病の薬、グリベック(イマチニブ:2001年に登場)を...」薬の神じゃない! カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
慢性骨髄性白血病の薬、グリベック(イマチニブ:2001年に登場)を...
慢性骨髄性白血病の薬、グリベック(イマチニブ:2001年に登場)を巡る実話かどうかは相当怪しいお話。
中国映画ですが、主人公はじめ、主な
登場人物がわりかしチャーミングで、親近感を感じました。
そのドイツの製薬会社の薬は値段が高くて買えない人がほとんど。家も売り払って、借金して自殺するくらい高い薬。その背景には、中国の外国製の輸入薬に対する高い関税と製薬会社と政府の役人や大臣との癒着があるわけです。インドから密輸した強壮剤専門の薬局の店主の主人公はある日、ひとりの患者からインド製の後発医薬品(ジェネリック)を密輸して欲しいと、顔の長いマスク三枚重の男から頼まれます。コロナじゃなくて、免疫が下がって感染しやすいからマスク三枚重ねです。国が認めない医薬品なので、個人輸入して、個人の責任で使う場合は許されるかも知れないが、密輸して営利目的で販売することは法に抵触する訳で、リスクが高すぎるわけです。でも、店は貸し店舗で、家賃を払うのもやっと、父親の医療費もままならない主人公は一攫千金を狙って、単身インドへ。
顔の輪郭とか雰囲気がムロツヨシみたいでした。髪型と目は宮本浩次っぽくもあり、あちらでは人気のコメディ俳優だと思われます。しかし、タバコ吸いすぎ。みてるこっちもニコチン中毒になりそうなぐらい。
インドの社長は小売り価格なら売ると。中国での販路を広げて、代理店契約すればさらに安い卸価格で売ってやると。そこで、依頼したマスク三枚重ね男に話すと、知り合いの患者はたくさんいる。患者が通う教会の神父さんは晩年の長門裕之みたいな感じだった。英語が達者なので、インド人との電話交渉、発注係です。幼い娘が白血病のポールダンサーのシングルマザーは堀北真希がちょっと年取った感じで、患者団体の旗頭。SNSを駆使して注文を集める。そして、地方出身の精肉工場に勤める茶髪(黄毛)の若い男が加わり、5人のチームができあがる。その結束がとてもよくて………泣けました。対する刑事役の人もまずまずイケメンで、最後は味方に。
でも、さすが中国です。彼の他にもすでにグリベックの偽物を手広く売っている偽医者?がいる。ドイツの製薬会社の中国社長が売上に支障をきたしていることから、上海警察署長に検挙を依頼する。そいつと警察の三つ巴でドラマは進んで行きます。
最初はお金儲け目的でしたが、最後は仏心、慈悲心が芽生えて、赤字覚悟で販売します。人はこうも変われるのか? と感心します。それで、邦題も、【薬の神じゃない】になったんだと思います。
チームのうち、ふたりは命を落としますし、主人公は懲役をくらいますが、これを契機に、値段は下がり、後発医薬品も認められて、5年間で3割以上は死んでいた患者が95パーセント助かるようになったとのことでした。
この時期、中国政府のイメージアップも兼ねてではありましょうが、とても良かったですよ。
ちなみに日本では、2020年現在、グリベックは1錠2200円。後発医薬品は800円です。
2001年当初は3000円以上で、3割負担でも、1ヶ月10万円ほどクスリ代がかかったみたいです。
クスリの開発にはお金と時間がかかりますからね。でも、日本のジェネリック薬品会社は大杉漣。なんか、あやしいなぁ。
もう30~20年前、薬業界にいました。薬売ったり、調剤薬局に勤めていたりと、かなり勉強させていただきました。
ノバルティスファーマは世界第二位の製薬会社ですから売上も凄いです。
20年前はM&Aが盛んで、解雇された社員もかなりいて、給料はいいけど怖い業界です😅
カールⅢ世さん、おはようございます。
あらためて予告編を見ると、やっぱりムロツヨシでしたw
普通、ジェネリックの効能効果は全く同じですが、製造上の違いが崩壊性や血中濃度半減期などに差が出たりして、安心面ではやはり先発品が良かったりします。
飲み続けなきゃいけない高価な薬だと、やっぱりジェネリックを選びたくなります・・・