ドクター・デスの遺産 BLACK FILEのレビュー・感想・評価
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つまらない
数年前に原作を読んだことがあり、この前ようやくネトフリに加入したので配信終了ギリギリで観ました。今はもう原作の詳しい内容は覚えていないのですが、面白かった記憶があり、原作者である中山七里さんの犬養シリーズはこれ以外にも読んでいてどれも面白かったので期待を込めつつ観ました。
結果……思ってた数倍つまらなかったです。キャストの方々の演技はどれも良かったです。
ですが他のレビューでも言われている通りテンポが悪いし、「え、なんでそうなるの?」ってなることもしばしば。なんで娘が目を覚ますと同時に勝手にタブレットの電源がついてドクター・デスのホームページが表示されるんだ、とか。
とにかくご都合主義の連続で、こういう風にストーリーを進めたいんだろうなっていう制作側の魂胆が見えるような展開が続きます。
原作では安楽死の是非について問うような内容で、映画でもそれ自体は変わりませんでした。中山七里さんの作風はだいたいこんな感じで、社会問題をテーマにして作品を書かれていて面白いんです。
ただ、この「ドクター・デス」は最終的にただの快楽殺人者でした。最初は安楽死させられる側からも感謝されていたりして、どちらを取るべきか観ながら迷っていました。
しかしラストではただ単に私怨、自らの思惑のために人を殺したいだけ、その手段が薬物による安楽死になっていました。本当に人のためにするのなら、例え憎き刑事相手でも、一度は安楽死を望んだ人間でも、拒否されれば辞めるのがポリシーじゃないの?と。
自分の安楽死を罵られたから娘に良からぬことを吹き込んで思考の誘導をして殺してやる!なんて、ただヘイトが向くまるっきり悪役でしかない。本来はそうじゃないから、見る側の価値観が揺らいで面白かったはずなのに。
中山七里さんは「どんでん返しの帝王」という二つ名がつくくらい、毎回ミスリードからの衝撃のラストが気持ちいい作家なのですが、この映画のミスリードはしょぼかったですね。原作はもっと面白い展開だったはずなんだけどな…。
数年ぶりに原作を読み返したくなる映画でした。
原作と違っても、面白ければ構わない
原作未読な為比較は出来ないが、映画「ドクター・デスの遺産」に関して言えば、これは間違いなく安楽死を隠れ蓑に「美しい死」を求めるドクター・デスと、それを追う刑事たちのサスペンスドラマだ。
そして、その点はかなり面白く、テンポも良く、主人公・犬養と高千穂のバディ感も良い。
「安楽死に関する諸問題」をサスペンスと並走させて描き出そうと思ったら、とても2時間の枠には収まらない。そこで、生きるエゴイズムと死ぬエゴイズムの間で揺れる役割を犬養に一手に引き受けさせ、残りのキャストは快楽殺人者ドクター・デスの造形を浮き彫りにし、ドクター・デスを追いかけていく、という思いきった割り振りになった。
ストーリーを「娘と生きていく希望」を掴めるか否か、というシンプルさに絞ったお陰で、サスペンスとして見応えのある作品に仕上がっているし、素直に犬養を応援できるのだ。
この点について批判するのはお門違いも良いところ。原作を愛するあまり、映画に文句を言うのはナンセンスだよね。
映画のドクター・デスは、人の安らかな死に顔に「美」を見出だすシリアル・キラーで、患者たちの最期の感謝は自分の全能感を後押しする讃美歌のようなもの、と感じている。そういう解釈で良いんじゃないかな。
事件を追う者でありながら「安楽死」について一番揺れるのもまた犬養だ。
冒頭、娘・沙耶香のいる小児病棟で、犬養は同じ病棟に入院している男の子とオセロに興じている。沙耶香とは遊ばず、他の子どもと遊んでいるのは、犬養が上手く沙耶香の病状に向き合えていないことの現れだ。
沙耶香の闘病に対して、他でもない犬養自身が「苦しむ娘」を直視できない。1日に何時間も透析を受ける沙耶香は、きっと自分より先に死んでしまうのだ、という諦念が犬養の中にあるから、沙耶香と二人きりになってその思いを悟られたくないのだ。
似顔絵が一致しない件について、犬養が遺族の心理を言い当てられるのはドクター・デスへの思いを当事者として想像できる状況にあるから。
安楽死を提供したドクター・デスに対して、「恩人」という表現が出てしまうのは(それが例え否定的なニュアンスを含んでいたとしても)、安らかな死を「救い」のように感じているからとしか思えない。
その犬養の心理は、重要参考人として対話する元看護師の雛森とのシーンで浮き彫りにされる。雛森は「何も知らなかった、何も覚えていない」と主張する一方で、「患者は皆幸せそうだった」と述べている。
苦しむ人を救う為の死、ドクター・デスの行為を肯定するかのような雛森に対し、犬養は語気荒くドクター・デスを否定する。
雛森の語る言葉は、そのまま犬養の隠された思いだ。犬養自身が何度も考えたことだ。
そして、何度も「考えてはいけない」と封印してきた。自分の心の蓋を抉じ開けるような雛森の言葉に抗うには、汚い言葉でその思想を否定するしかない。
ほとんど反射のようにドクター・デスの行為を忌み嫌うのは、己の中にある葛藤への防御反応なのだ。
しかし、雛森に「もし、娘が死を望んだら?」と訊かれて絶句してしまう。沙耶香の生きる希望を確かめられずにいた犬養には、その問いを捩じ伏せる力がなかったのだ。
ドクター・デスを追いながらも、次第にドクター・デスの語るうわべの「幸せ」に飲まれそうになる。そんな犬養に転機が訪れるのは、ドクター・デスの「死」に対する表現だ。苦しみから解放され、その幸せに感謝する患者の死を、ドクター・デスは「美しい」と口走った。
散々「救いを与える」と自らの行為を利他的に表現し、自己中心的な「生」からの解脱を唱えていたドクター・デスの根底にあるのは、自己犠牲でも苦しみからの解放でもなく「美しい死への欲望」なのだ、と気づいた。
ドクター・デスの罠にかかった沙耶香もまた、「お父さんともっと生きていたい」と犬養に思いを伝える。
犬養や沙耶香とドクター・デスとの決定的な違いは、「苦しくてもカッコ悪くても生きている」方が「解放されて安らかに死を迎える」より美しい、という価値観。
仕事と看病に追われ、沙耶香の帰ってくるはずの家が荒れ放題だった犬養が、沙耶香のために塩分を抑えたお弁当を作ってきたシーンは、「生きたい・生きていて欲しい」というエゴを完全に受け入れた勝利のシーンだ。
沙耶香と向き合うことすらままならなかった犬養が、沙耶香の恋人話に動揺するぐらい、父娘二人の未来を想像できるようになる。
複雑に交錯する胸のうちを、綾野剛の演技力でカバーしきってしまおうというのは確かに荒業だが、サスペンスとしても父娘ドラマとしてもバディ・ムービーとしても楽しめる。
「犬養隼人」シリーズとして続編があったら、また観に行きたい。
主人公がバカ過ぎて共感できね~
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父親を殺されたという小学生からの電話で安楽死事件が発覚。
ドクターデスと看護婦が闇サイト経由で無料で人を安楽死させに来るという。
その利用者を割り出し犯人の人相書きを作るがそれらの供述は全て嘘だった。
しかし綾野の説得に応じた利用者の供述から、看護婦・佳乃を確保。
取り調べると、安楽死と知らずドクターデスに利用されたとの供述、釈放に。
綾野はお前は薄汚い殺人犯とか罵るわ、超絶失礼な態度を取りまくり。
人相書きを作る際、人は最初に嘘をつき途中に真実を入れるという法則から、
本当の人相の予測し、かつ各現場共通の特別な泥からホームレス・柄本を確保。
でも実は柄本が手伝いで、主犯は佳乃と判明。
綾野には重病で移植ドナー待ちの小学生の娘がいた。
佳乃が近づき、あなたのせいで父が看病と仕事に追われて苦しんでると告げる。
見事に洗脳された娘は、佳乃に自分を安楽死させてくれるよう依頼する。
その現場に一人で来いと言われて行く綾野。そこでアホみたいに捕まる。
でもデキるパートナーの景子が来てくれて娘ともども助かる。
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何やろなあ、途中まで面白かったのやが、そっから間延びしてもた感じ。
犯人が分かってから30分以上あったと思う。そのへんがそう感じた理由かな。
あと主人公のパートナーの北川景子は仕事がデキるし、超カッコいい。
この人の熱い演技って結構心に響くんよな、それでかなり好きなのやが。
それに引き換え主人公がクソ過ぎるんよな。とにかくブチ切れ過ぎでアホ。
娘を殺されかけたのも、お前が平気で人に失礼な態度を取るからやんけ。
最後のシーンも超アホ。佳乃がスイッチONすれば娘に毒点滴が始まる仕組み。
よって一刻も早く助けなきゃ死んでしまうってな状況じゃないわけ。
なのに慌てて助けようとして注意力散漫になり、背後から自分が注射されるw
北川景子がメインで捜査に当たってたら、こんなアホなことなってないのにな。
自分の感情もコントロールできんようなのは、やっぱり仕事デキねーわ。
そう感じ続けたから全然共感できんかったわ。
楽しかった〜〜〜 まさかあの人が犯人だとは…。 綾野剛好きだわ。 ...
楽しかった〜〜〜
まさかあの人が犯人だとは…。
綾野剛好きだわ。
深い問題だけど、結局快楽殺人だもんな。
みんながみんなあんなこと言われて死を決意したのであれば……。
・゜・(つД`)・゜・
北川景子美しすぎんか?
ああいうキャラ好きだわ
21.8.29 スカパー
ほんとにただの快楽殺人だった
冒頭は惹き込まれた。安楽死とどう向き合うか考えさせられるストーリーなのかと、なるほどという展開を期待していたのに、ほんとにただの快楽殺人だったというオチにガッカリ。やけにキレる綾野剛の刑事としてのキャラもイマイチ。最後に向かうほどに話が暴走迷走していた。残念。
2時間ドラマのような内容!!
2時間ドラマのような内容で、劇場で観た方はさぞかしガッカリされた事だと思います。幼女を追い込んでいくのは卑怯でした。おとり捜査でサイトにアクセスせず禁じ手なのかなと思いましたが、結局は刑事の娘がアクセスして捕まえるので、ストーリーとしてはあまり上手くない気がしました。
安楽死の是非を問う社会派サスペンス…だと思いきや…。 王道刑事ものなのに、なんでこんなにつまらないの!?
安楽死を請け負う謎の医師「ドクター・デス」と、それを追う2人の刑事の攻防を描いたクライム・サスペンス。
主人公である警視庁捜査一課の刑事、犬養隼人を演じるのは『ヘルタースケルター』『怒り』の綾野剛。
犬養の相棒、高千穂明日香を演じるのは『君の膵臓をたべたい』『スマホを落としただけなのに』の北川景子。
犬養の後輩刑事、沢田圭を演じるのはドラマ『MIU404』や『望み』の水上恒司。
謎の男、寺町亘輝を演じるのは『シン・ゴジラ』『万引き家族』の、レジェンド俳優・柄本明。
本作の犯人のモデルになったのは、実在の安楽死医師、「ドクター・デス」ことジャック・ケヴォーキアン。
ケヴォーキアンは約130人を安楽死させたが、そのうちの1人の男性に対する自殺幇助で起訴され、殺人罪で約8年服役。2007年まで収監されていた。
彼は釈放後も、2011年に心臓疾患で亡くなるまで安楽死・尊厳死の啓蒙活動を続けた。末期患者を苦しみから救うことが彼の目的であったようだが、その一方で遺体を乱雑に扱ったりする猟奇的な一面もあった様だ。
日本でも2019年11月、京都市においてALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性が安楽死を望み、それを実行したとして2人の医師が嘱託殺人容疑で逮捕・起訴された。
さらに、逮捕された医師の一人・山本直樹容疑者の父親も彼らに殺害されている可能性があり、共犯として山本容疑者の母親も逮捕されている。
膨大な量の証拠があり、その為2022年6月現在でも初公判の日程は決まっていない。
犯人の一人・大久保愉一容疑者は、かねてから「ブラック・ジャック」に登場する安楽死医師ドクター・キリコに憧れていたという。
ドクター・キリコは元軍医で、死を望む負傷兵を多く見てきた経験から、安楽死に賛成するという立場をとる闇医者。ブラック・ジャックと対をなす存在として漫画中に登場する。
事程左様に、安楽死をめぐる事件はフィクションの中だけではない。
安楽死・尊厳死の是非は非常に難しい問題で、もっと盛んに議論すべき論題であると思う。
一応日本は積極的な安楽死は認められていないわけだけど、延命治療を停止するという行為は患者の了承を得ていればO.K.な訳だし…。どこからどこまでが安楽死で、どこからがアウトでどこまでがセーフか、その線引きって結構曖昧なのかも。
鳥取大学医学部准教授・安藤泰至先生は、人の助けが得られない状況で生きたいか・死にたいかという選択をさせるというのは「死になさい」と言っているのと同じである、という旨の発言をされています。これが自分の中では一番しっくりきたかな…。
とまぁ、安楽死の是非はもっとマジで考えるべき題材だと思うのですが、この映画は犯人をサイコパスにすることによって、その回答を有耶無耶にしてしまった。
安楽死を扱った先行作品、例えば「ブラック・ジャック」であるとか、イーストウッド監督の『ミリオンダラー・ベイビー』であるとか、そういった作品の真摯さに比べると、この映画は言っちゃ悪いけどお遊戯レベルです。
とはいえ、この映画はあくまで刑事もののサスペンス。シリアスな文芸映画ではなく、娯楽映画ど真ん中な作品な訳です。安楽死の扱いが軽くても、刑事ものとして面白ければ問題はないと思うのだが…。
率直な感想を述べさせもらうと、これは「真正面からつまらない映画」🌀
凸凹コンビが力を合わせて事件を解決に導くという、刑事ものの王道をしっかりと押さえているにも拘らず、とにかくつまらない💦
役者はとても良いと思う。
粗野で乱暴だが娘をなによりも大切に想っている刑事・犬養と、冷静沈着なクールビューティー・高千穂のコンビを演じた綾野剛と北川景子。この2人のバランスは絶妙デス👍
そして、犯人である木村佳乃さんがとにかく素晴らしい!正直、ボサボサモッサリなおばさんとして初登場してきた時には、木村佳乃さんだと気が付かなかった。一切のオーラを消して、冴えない孤独な女性を演じており、メイクと演技でここまで印象を変えることが出来るのか、と驚かされた∑(゚Д゚)
役者陣には好感が持てたんだけど、兎に角脚本が酷い。
そして演出がダサい。
テンポも悪い。
これらが役者の頑張りを帳消しにして、映画を退屈なものにしてしまっている。
120分がとにかく長く感じた…。
もし本作が1話60分のテレビドラマだったら、まだ満足出来たのかもしれないが、明らかに映画のレベルには達していない。柄本明との追っかけっこシークエンスなんて、あまりにも緊張感が無さ過ぎて失笑しちゃったよ…😅後半は完全に尺が余っており、とにかく進みが遅い。いや〜、怠かった。
似顔絵がどうとかグダグダやってたけど、ドクター・デスは闇サイトを介して安楽死希望者を募っていたんだから、囮捜査とかで簡単に逮捕できそうなもんだけどね。
まぁどうでもいいけど。
上手い監督、上手い脚本家が手掛けていればかなり面白くなりそうな作品だと思ったのだが…。
原作はシリーズ小説なので、お話のストックはまだある。あわよくばシリーズ化しようと目論んでいたのだろうが、一作目がこの出来じゃあ続編は期待できそうにないですねぇ😮💨
繰り返しますが綾野剛&北川景子は凄く良かったので、映画ではなくテレビドラマとして放送していれば人気が出たかも知れない。
これが映画!?2サスじゃなくて!?
Amazon Prime Videoで鑑賞。
原作は未読。
キャストが豪華な2時間サスペンス、と云う印象でした。カメラワークもテレビドラマみたいで、スケール感皆無。「ドラマスペシャルでいいじゃん?」と思いました。
安楽死の是非を問うと云うテーマは確かに映画向きなのかもしれませんが、全てを放り投げて終わらせてしまうやり方はやっぱり2時間サスペンスのようでした。
※修正(2024/05/11)
35点
映画評価:35点
タイトルが良い!
このタイトルと、あらすじだけで
めちゃくちゃ見たくなりました。
脱出ゲームの様なネーミングが良い!
名前ばかりではなく
内容の方はというと、
色々と雑な作りでした。
ドクターデスの正体を明かす事がメインなのかな?
確かに驚いたし、よくある心理テストに用いられる方法なんかを駆使していて
正体を知った時には「なるほど」と感心しました。
ですが、肝心のドクターデスの崇高な考えには
興味も納得も出来ず、
最終的にはただの殺人鬼みたいになってしまい、
ドクターデスが積み上げてきた印象や生業、プライドなんかが台無しになってました。
主人公の娘を人質に取り始めた辺りからは
もう見ているのが地獄で
見所もないし、推理要素も解決しており、
ただのアクション映画でした。
テーマ自体は
チームバチスタでも見た事のある
【安楽死】についてでした。
もっと考えさせられるのかと思っていたのに、
なんだか拍子抜けでしたね(汗)
【2022.2.15観賞】
安らかに美しく死ぬか?苦しみながら無様に生きるか?
本作は「安楽死」をテーマにしたサスペンス。
粗野で大人げないが人情味のある熱血漢の犬養刑事と
酒乱のおっさん女子だが、きっちりとした武闘派の高千穂刑事を中心に
警察組織の各セクションが一丸となって、謎の難病患者連続不審死事件の解決へ動く。
はたして事件の黒幕である「ドクター・デス」を止めることができるのか?
感想としては突っ込みどころはあるものの
どこかエモーショナルな昭和の刑事モノを彷彿とさせ、かつ医療技術の進歩したこの現代における
介護や看護における綺麗ごとなき現実とジレンマ、そしてドクター・デスと刑事たちの戦いを通して「死と生」についての問いを改めて提起している。
こと日本においては『葉隠れ』の「武士道は死ぬことに見つけたり」と言わんばかりに死ぬときでさえ、いや死ぬ時こそ人に迷惑をかけてはならないことを美徳とし、弱体化したものの未だにそういったものを強いる「恥」の文化の社会だ。
故に、本作のように明らかに人為的な行為で現時点では違法な「安楽死」も
介護や看護で「困難」を強いられているご家族の方やその家族に迷惑をかけている事にさえ「苦しみ」を感じている難病の患者さんのことを想うと個人的にはそれは「尊厳死」ではないかと思うし、劇中犯人が提唱する「死ぬ権利」も認めてもいいのではないかという「迷い」もある。こればかりは答えの出ない問いだし、
状況次第では私自身もいつ「ドクター・デス」に憑りつかれてもおかしくないと考えている。
最後に、人間は「美しい死に様」を求めているのか?それとも「無様な生き様」を望んでいるのか?
野生の生き物としての本能はおそらく後者のように他を押しのけてでも「生」にしがみつくことだろう、一方でこの監視の目が良くも悪くも行き届いた成熟した世の中に生きる人間である限りは前者のような何もできない・してやれない自分なりの「けじめ」を願うのかもしれない。
演出
主人公がホワイトボードを殴ったり、机を殴ったり、病院の器物を蹴っ飛ばしたり、部下を殴ったりとアウトロー感を演出していたが、ここまでの暴力が物語に必要だったのか疑問。
主人公の態度が胸糞悪いという感想しか残らなかった。
これはアルコール片手にツッコミながら観る映画っすよ
アマゾンプライムで鑑賞。酷評します。
これを真面目に観る方が間違ってる。劇場に観に行かなくて良かったと心底思う。
昨年(2020年)の年末に公開された映画ですが、多くの映画レビュアーさんから非難囂々の問題作。映画系YouTuberさんなどは「2020年ワースト映画ランキング」という映画ランキングを出す人も多いですが、複数の映画系YouTuberさんがワーストランキングにランクインさせていました。内容はほぼ知らない状態での鑑賞ですが、期待値はめちゃくちゃ低かったです。
早速結論ですが、噂通りの酷い映画でした。ある意味期待通りです。
私はこの映画をアマゾンプライムで鑑賞しましたが、劇場でお金払って鑑賞していたらブチ切れていたかもしれません。途中まで観て「あ、これはダメだな」と真面目に観ることを諦め、一時停止して酒を片手に矛盾点にツッコミいれつつ観たら結構面白かったので、この映画観る時はアルコール片手に観るのが正解かもしれません。
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ある日警察に「父親が殺された」という少年から通報が入る。重い病気を患った父親の元に正体不明の医師が訪れ、その直後に父親が亡くなったという。犬養隼人(綾野剛)と高千穂明日香(北川景子)の刑事バディが捜査に乗り出したところ、終末期の患者に発生する連続不審死事件の裏には、安楽死を請け負う「ドクター・デス」と呼ばれる殺人犯がいることが発覚する。
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矛盾点を挙げればきりがありませんし、不満点を挙げるなら「全部不満」なので、要点を絞ってお話ししますね。
設定は面白いですし、原作の中山七里さんの小説はかなり人気があります。私は原作は観ていませんが、原作を読んだ人のレビューで「原作と全然違う」とか「安楽死についての解釈が陳腐化している」というのを見掛けましたので、「日本映画の悪いところが出ちゃった映画なのかな」と思います。重いテーマを扱った原作の表面的な部分だけを掬い取ってメッセージ性が薄っぺらくなるとか、原作には無いエンタメ要素を蛇足のように継ぎ足しして安っぽいところとか。
特に本作は「安楽死」「尊厳死」という重いテーマを含む作品です。なのに終盤でドクター・デスがただの快楽殺人者になってしまっているのは完全にテーマを理解せずに脚本書いているとしか思えません。原作ファンの方が言うには、原作では終末期の患者が疼痛などの苦しみや介護や治療費で家族に掛かる負担から解放されるために、自ら安楽死を望むという展開になっているそうです。それ故に、劇中に高千穂の言う「この事件に被害者はいるんですか?」という台詞が活きるのです。
それなのに本作では最後には「安楽死ダメ絶対」という安直な結論に収まってしまっているのはいかがなものかと思います。オランダやルクセンブルクなど、最近は安楽死を合法化する国も増えてきている昨今の情勢から鑑みても、「安楽死ダメ絶対」という安直なメッセージは物語のテーマの的を射ていないです。
そしてラストシーンで首筋に注射器を突きつけられて犬養が人質となるシーン。(アルコール片手に鑑賞していれば)一番の爆笑ポイントです。犯人に銃を向けるが「動くと犬養を殺す」と言われて手出しできない高千穂。この絶体絶命の場面をどのように突破するのかと言えば…銃を投げ捨てて犬養もろとも犯人に蹴りを食らわせるという展開。これ笑わない人いるんですか?ギャグシーンであれば最高に面白いんですけど、これはシリアスなラストシーンですので0点ですね。
映画ファンも原作ファンも低評価だし、おそらくターゲット層にしているであろう綾野剛や北川景子などの役者目当ての人たちからもイマイチ評価が低い。「(役者名)さんが見られたから満足」と言いながらも脚本やストーリーにダメ出しするレビュアーさんも見受けられます。
まだまだ文句言いたいところはあるんですけど、このまま続けると全部のシーンに文句言うことになっちゃうんでこのくらいにしておきます。久々に「映画館に観に行かなくてよかった」と思える作品でした。全くオススメできません。
木村佳乃がやっぱすごい。怖すぎ。
総合的に見て、木村佳乃の演技の凄さにやられた作品です。早々に柄本明の顔が割れたので、別に主犯がいるんだなとは思いましたが、最初のみすぼらしい印象から、まさかあなたが……と、驚きました。
テーマは安楽死ですから、賛否分かれるのは致し方ないと思います。しかし、苦しいから安楽死をというのは些か性急な結論だと思います。犬飼の娘、沙耶香がやっぱり生きたいと願ったところに人間らしさを感じ、思わず涙しました。苦しいから家族を置いて死ぬという選択に、私はどうしても納得できなかったからです。死を待つだけと捉えるのでなく、死にゆく時間の中で、どれだけ自分の生き様を見せられるか、何を残せるか、どれだけの人を愛せるかということに目を向けてもらいたかった。その一瞬、遺族は精神的に楽になるかもしれない。しかし、いつか必ず後悔する日がきます。それは、自分が幸せを感じたときです。自分だけ幸せになって良いのか、あの人を見殺しにしたくせにと。そういった部分に気づけなかった方は、きっと雛森が正義で、犬飼や高千穂がそれを邪魔する悪に見えたかもしれません。
こういった議論を巻き起こすような作品。それだけでこの映画の素晴らしさが伝わるのではと思います。また何より綾野剛と北川景子のコンビ、めっちゃ良かったです。続編期待。
見所は木村佳乃
安楽死事件に挑む刑事の物語。
綾野剛、北川景子、木村佳乃が共演するサスペンス。テーマが「安楽死」ということで「社会派サスペンス」と想像していのですが、かなり様相の違う作品でした。
映画の見所は木村佳乃の名演技。特に取調室の演技は鬼気迫るものがあり、主人公二人を圧倒します。
また、主人公と安楽死を依頼した父親とのやり取りも良かったです。「家族を救うために安楽死を選択した息子」・・・父親の悔恨の嗚咽が心に響きます。
ただ、映画全体としては低評価。
設定やディティールに甘さが目立ち、気持ちが引いてしまいます。
例えば、簡単にネットで検索出来る安楽死HPとか・・・
例えば、連続殺人事件なのに、捜査本部も立ち上がらず少人数で捜査しているとか・・・
例えば、犯人が、主人公の娘を簡単に特定しているとか・・・
例えば、犯人が娘を拉致したことを告げる電話に、病院に駆けだす主人公とか・・・まず病院に電話しようよ。上司に報告して非常線張ろうよ。激高した主人公がそれを出来なくても、冷静な相棒がいる設定なのに・・・
フィクションでどれだけ現実を求めるかは色々な意見はあるとは思いますが、細かいところで「雑」を積み重ねて説得力を失くすのはとても勿体ないと思います。
あと、「安楽死」は賛否両論があるテーマだと思っています。もっと賛成側の意見をしっかりと描いて、主人公が葛藤するような描写があっても良かったように思えます。重たいテーマなのに軽く流された印象も、評価が低くなった理由の一つです。
なんとも言えない
悪くは無い。ただ良くない。
真犯人を突き止めてからの展開がとてもチープでありがち、読めない人の方が少ないのでは。
安楽死をテーマに扱うのであれば、依頼した人たち、犯人の心情をもっと深く掘り下げなければ。
期待していただけに残念。
暇つぶしに丁度いい
木村佳乃さんの二重人格のような演技が素晴らしかった。カウンセラーとして、語りかけるシーンは怖さが際立っていた。
柄本明さんのクセがすごい演技もおもしろくて笑ってしまった。
綾野剛さんが何かあるとすぐに暴れ散らかすのは見ていて滑稽だった。
綾野剛さんと北川景子さんのやり取りが、なんか鼻についた。
付き合ってるのか?どういう関係?
評価良くないな〜笑
綾野剛が大好きで視聴。綾野剛がかっこいいので星4つだが、ストーリー的にはすぐに読めてしまったというか、簡単すぎ?かな。
色々予想して見ていたが、あ〜やっぱりなという犯人。
全てが中途半端かつ低クオリティ
「苦しむことなく殺してさしあげます。」 ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。 警視庁のNo.1コンビ犬養と高千穂は捜査に乗り出すが、遺族は犯人に感謝し嘘の証言で守る。ドクター・デスは猟奇殺人犯なのか?救いの神なのか?というストーリー。
最近見た中ではトップクラスのダメっぷり。
ミステリーっぽい始まりだったが看護師が怪しい流れでそのまま真犯人が木村佳乃。さらにそこからはホラーじみてだらだらと展開が遅く、引っかかることだらけだった。
・似顔絵からの犯人の追い詰め方が雑
・依頼者の急な心変わりも謎
・警察の尾行失敗
・病院のセキュリティが甘過ぎる
・最終局面でのこのこ出てきて捕まってからの不要なアクションシーン
ざっと思い返すだけでもこれだけあるので見直したらもっと出てくるでしょう。
綾野剛演じる主人公もめちゃくちゃ。火葬直前の棺桶を引きずり出し、ドアノブをへし折り、ヒロインをぶん殴る。しかも綾野剛も北川景子も雰囲気俳優なのか、同じ顔しかしない、演技自体もやや大げさでイマイチ。
何よりテーマである安楽死について全く掘り下げられなかったのが残念。最終的に木村佳乃はただの殺人鬼になってしまうし、ぬるっと終わってしまったので意味不明。
退屈かなぁ。
前半は退屈。
綾野剛の演技も無理に低い声で話してる感が強くって、イキってる高校生かい!って。綾野剛はナチュラルな演技の方が良いと思うんだけどなぁ。回想で死んだ奥さんと子供とのシーンが有ったけど、そこでは普通の話し方。今の心境を話し方でって演出なんだろうけど・・・うーん。
テンポが良くなったのは終盤だけど、変わりにツッコミの嵐。
誰も住んでいない取り壊し予定のアパート一室のドアノブが新しくなっている事に気付いたのは良いけど、大家の婆ちゃんが横に居るんだから「鍵有りますか?」って一応開くか確認する位は有っても良いんじゃないかな。いきなりドアを蹴っ飛ばして壊して入って行くって。しかも、犯人の遺留物が有る部屋でノー手袋でモノを触る北川景子。
検索すると終盤はかなり原作から改変している様で、安楽死をテーマにしていたモノが突然サイコパスものに。犯人・木村佳乃が入院してる綾野剛の娘に狙いを付け、それを電話で告げる。慌てて、病院に向かう綾野剛と北川景子・・・・・いや、病院って分かってるんだから、それを同僚に伝えてから行くか、途中の車内で電話しろよ。普通、警備員や近くの交番などから向かわせた方が早いだろ。当然、犯人と娘はすでに居らず・・・・木村佳乃から「娘の希望した、家族の思い出の場所で殺す。一人で来い」と。綾野剛は北川景子に腹パンして、その隙に一人で向かう。まぁ、綾野剛が分かるのは良い。が、北川景子が何故、分かる。しかも、通りがかりの民間人のバイクを借りて一人で・・・・・署に連絡しろ!(現地に着いてから連絡してるけど、場所の特定も雑)。昭和の二時間ドラマか!
北川景子が場所を分かったのは、「母親が死んでいる」「娘は闘病だから出掛けた数が少ない」「普段聞いていた中では一つしかない」と推理したんだろうと(脳内補完したわw)でも、綾野剛と北川景子が普段、そんな会話する様にも見えない描写なんだよねぇ。もしくは綾野剛の死んだ妻が、北川景子の友人もしくは先輩で妻から聞いてたとか、娘から直に聞いていたとか、1分で入れられるシーンで矛盾なくせるのに。
安楽死をテーマにするなら徹底して通すべきだったのに、変にエンタメに寄ってしまって作った意義も消えた。原作者は拒否出来なかったのか?それともネタバレが嫌で別ものにしたのか。
サイコパスと後半のノリで二時間ドラマレベルに。映画館で金取るレベルじゃないわ。
全85件中、1~20件目を表示