劇場公開日 2020年11月13日

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「原作が骨抜き」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5原作が骨抜き

2020年11月17日
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原作小説に色濃くあった、推理小説の形から、臓器移植の問題や、障害、過失致死に見せかけての殺人など、「命」や「医療」「罪を定める法」などを描く、重いテーマは陰をひそめて…いや、物語の骨子が放棄されたと感じました。

バディもの、キャラ立ち優先にして、過去のヴィラン・ダークヒーロー犯罪を模倣するストーリーをなぞっただけのパチモン・アクションもの。
主人公の刑事二人は、いつ警視庁に出勤しているのかわからないくらい自由。
予算不足なのか、やる気ないのかわかりませんが、捜査員も主演2人以外は常に2~3人程度。
犯人確保に警官隊が現れることもない。
安楽死依頼サイトをそのまま放置したり、警察はバカばっかりだし。

改めて日テレで、これを連ドラシリーズ化したかったのかな? と邪推するほど、綾野剛と北川景子推しにしか思えず。
二人のキャラに関して割と深堀も説明もなかったから、私が知らないだけで、てっきりすでにテレビシリーズがあっての、スピンオフ映画かと思ったくらい。
キャラ推しの割には、原作にあった犬養の「嘘を見抜く」という特技が目立たないし。

犯人が快楽殺人犯と判明したとたん、推理ものの香りは吹き飛び、スリラーものに変貌。
サイコパスとの追っかけっこ。

後半だけ取って見れば、『怪奇大作戦』「狂気人間」に近しい雰囲気。

よかったのは、宣伝でクレジットされてない、この真犯人のサイコパス演技くらいだったかな。

10分に一回「ダメだこりゃ」「助けて、早く終わって、帰りたい」という言葉が溢れそうになるほど呆れかえりました。

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コージィ日本犬