「頭痛が痛い」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE R2さんの映画レビュー(感想・評価)
頭痛が痛い
評判の低さに驚きましたが、期待半分不安半分で鑑賞。
シンプルに面白くなかったです。観賞後に原作を読みましたが、原作の面白み全潰しでキツかったです。
まず犬養のキャラクターがブレッブレで、原作ならば俳優の養成所に通っていた経験があり、そこで培った演技力を交えて推理をする刑事という設定ですが、映画版では娘思いの気性の荒い刑事になっていたので驚きです。なぜここまでの改悪をしてしまったのかが分かりません。
続いてドクター・デスのキャラクターですが、こちらも相当改悪されています。原作のドクター・デスは死を望む人にだけ安楽死の処置を施す1人の看護師だったのですが、映画版では死顔の美しさを見たいのが動機で、挙げ句の果てには自ら安楽死に誘導しているあたり、見事なキャラ崩壊を招いてしまっています。
重いテーマなので、堅実にそのストーリーをなぞれば良かったのに、合間合間に挟まるコミカルなシーンで物語の緊張感が薄れてしまいます。
警察が無能という日本固有の設定も勿論存在していて、ドクター・デスを目を離していた隙に見失うというポンコツにも程があるポンコツぶりを見せていました。過去の作品と比べても、トップクラスの無能警察だったと思います。
オチもなんだかなぁという感じで、安楽死を勧めていたはずのドクター・デスが実力行使で犬養を殺すという設定どこいった状態になります。B級にもならないアクションも辛いもので、俺たちの戦いはこれからだ!みたいな感じで終わるので完全に消化不良です。
音楽の使い方もヘッタクソで、なぜここでそんな音楽を流す?という場面が多すぎました。ちゃんとチェックしたのでしょうか?
主題歌のBeastがカッコよかったなというくらいしか褒めるとこがないです。まごう事なき駄作です。