「シリーズ物の続編かと勘違いするくらいの説明不足」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE 木根間さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ物の続編かと勘違いするくらいの説明不足
予告で散々No. 1バディと言っていたがなにが、どこがNo. 1なのだろうか。
犬養と高千穂が軽口を叩きながらも信用し合ってるのはわかるが、ラスト付近の「家族の思い出の場所はここしかない」は一体いつ聞いていたのか?
犬養→高千穂に対して、家族の思い出話をしているシーンもないのにいきなり『知ってました』シーンが入るのは推理映画としていかがなものかと。
医療モノ、刑事モノ、サスペンス、推理、家族愛
色々詰め込もうとしてとっ散らかった感じ。
ドラマにした方が絶対に面白かった。
原作は未読だが、うまくまとまっているのだとしたら2時間程度の映画の尺に納めようと思い立ったのは間違いだったと思う。
綾野剛の演技はうまく、父親役が見たい人はおすすめだ。
ただ犬養は破天荒というより気性が荒く冷静さに欠けるだけだったし、だからといって特別強いというわけでもない。
高千穂は冷静で分析力がある設定だが、解決の糸口になることを発見したわけでもない。
キャラ設定どうした。クライマックスも、別にバディとして行動してる感なかったしあっさり終わった。
オープニングも最後も、あわよくば続編狙ってる感じ(うまく言えないが、コナンのオープニングでコナン映画はじまった!感)でちょっと。
2人の関係性描写も浅いし、娘との描写も引っ張っておいてあっさり。起きてから抱きしめて、何か言うシーン欲しかった。
最近、安楽死が話題になったが無意識に鑑賞者は、安楽死は認められるべきか。良いことか。
ということをこの映画に訴え、求め過ぎた気がする。
この映画(小説)の論点はきっとそこではないのだ。
公開の時期が悪かったかな、と思う。
あと、いきなり机や壁を殴ったり暴れるシーンが多かったので音が大きくなるたびにビクッとした。笑
こういう映画見るといつもそうなるのでそろそろ耐性をつけたいところである。
岡田健史君はMIUで演技力が格段に上がった気がするので、映画の撮影時期はやはり今と比べると少し。
これからに期待の俳優さんだ。