キネマの神様のレビュー・感想・評価
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高齢化社会の縮図みたいな映画
松竹映画
19世紀に創業し1920年から映画製作も取り組み
日本映画を創生期から支えてきた会社
今作のメガホンを取った山田洋次監督と主演の渥美清で
作り上げた人気シリーズ「男はつらいよ」は
そんな松竹の屋台骨を支えました
そんな松竹の100周年記念作品にあたる今作
当初は滅多に俳優業をする事のなかった
志村けん主演ということで話題になりましたが
それは叶わず志村けんと親交のあった沢田研二
が主演を任されました
原作小説は未見です
で感想ですが
恐らく山田洋次監督の思い出の中にある
ノスタルジーあふれる(たぶん)松竹の大船撮影所の
雰囲気はすばらしく惹きこまれますが
監督の持ち味である人物の描写や繋がりの
部分がちょっと…深みを感じられず
色々勿体なくなってる印象を受けました
前述の通り原作は未見ですが
相当改変を受けているようです
また近年の映画ではまだ少ない
コロナ社会を取り込んでいますがそれも
取って付けただけのように感じます
主人公の円山ゴウは飲んだくれでギャンブル好き
借金まみれで家族にも逆ギレという
クズっぷりで家族は映画以外の趣味を取り上げます
ここまで原作とほぼ同じようですが
ゴウが元松竹映画の助監督でそこで妻淑子とも知り合った
というような改変にされています
その撮影所時代から映写技師として知り合いだった
テラシンとの三角関係といった図式になります
で若ゴウはテラシンとの淑子をくっつけよう
とするのですがなぜそうしたいのかも不明
自分も好きだけど照れくさくてそうしてるのか
鈍感なのかハッキリしなさすぎて見方では
ただのサイコパスにも見えてしまいます
またゴウは「キネマの神様」と言う当時としては
かなり画期的(らしい)シナリオを書き
監督としてクランクインまでいくのですが
撮影初日に緊張でお腹を壊し現場とケンカをして
映画の仕事をやめて撮影所を去ってしまう
というアッサリした展開
テラシンをあっさり振った淑子はゴウに
ついて行ってしまうと言うどうしようもない
展開に正直そこまで移入もできません
テラシンの方がよっぽど主人公向きな気が…
で現世のクズゴウはその時のキネマの神様の台本を
読んで感動した孫と現代風に脚本賞に応募すると
大賞に選ばれて100万円を獲得
でも借金がどう解決したのかとか
(前は退職金を充てたとか言ってましたし)
細かなディティールがいい加減な映画で
現実味がどんどん無くなっていきます
これ山田洋次監督の前の寅さんの映画でも
思ったのですが監督特有の意識がすれ違って
ケンカになるような描写が現代なりの
高齢者を挟むとどうしても認知症だとか
そうした要因を意識してしまうんですよね
ゴウが映画監督を挫折してからどう映画と
向き合ってきたのかもよくわかりません
(テアトルの会員にはなっていたようですが)
あと肝心の沢田研二の演技
確かに昔はすごかった
「太陽を盗んだ男」なんて今観てもゾクゾクする
でも今作は演じ方をすっかり忘れてる感じで
山田洋次監督のディレクションをそのまんま
やってるだみたいな感じを受けました
若時代も含めゴウが魅力的に見えてこない
これを100周年記念作品でいいのかなと
志村がジュリーに憑依⁉︎
泣かせようという意図が透けて見えると却って泣けない。山田洋次監督って、そういうことをしない監督だと思ってた。
「後期高齢者まではまだ10年もある。俺もまだ何か頑張れるかも」と思ったりしてたけど、だらだらと続くストーリーにいささか食傷して、感動も薄れ気味。映画観ながら最後を迎えるなんて、山田監督のわがままを観客に見せられても…。
若き日のゴウがバクチをするシーンが一つもないのは不自然。菅田将暉はもっとやさぐれた感じでもよかったのでは。若き日の淑子と現代の淑子の性格が違いすぎるのも気になる。親や周囲の反対を押しきってゴウの元へ走った強さが、宮本信子のナヨナヨとした演技からは感じられなかった。
テラシンと淑子が再会する場面はあえて入れない方がよかったのではないかと思えるくらいクサかった。
北川景子は収穫。昭和の女優の存在感をとてもうまく表現していたと思う。
沢田研二も、志村けんの演技に似せた演技をしていて、ある程度成功していた。
原作がある以上仕方ないかもだけど、映画作品としてだけみると、現代パートは不要だったのでは?
古き良き時代の撮影所を舞台としたドラマ仕立ての方が、懐かしさを求める年代層にもウケたのではないだろうか。あ、それだと『蒲田行進曲』になっちゃうか。
あの客船が。。
つい去年の日本の様子も描かれ、あのダイヤモンドプリンセス号のコロナ感染のニュース、当時はもう嫌で早く解決してほしい、と思っていたので、忘れかけた今久しぶりに当時のニュース映像を見させられて少しトラウマが戻ってしまいました。。
沢田研二さんの役の、若い頃の菅田将暉さんは格好良く魅力的な撮影スタッフでした。淑子さんは本当に幸せだったのかなかなか難しいところですが、とりあえず、昔のことでもとても好きだった仕事、夢中になれること(今回の主人公なら脚本を書くとか)は、忘れようとしてギャンブルなんかに溺れず、少しでも関わりを忘れないようにして本来のその人らしい余生を送るべきなんだな、と思いました。
最後に見た映画の脚本が、あぁやっぱりその脚本にするんだな、というしっくりくる落としどころで良かったです。映画業界を救う作品として、もう一度ジブリを、という企画でナウシカや千と千尋などを見たこと、そして鬼滅の刃を何度も見たことを思い出しました。
そうです、良い作品はまた何度も見ようとするんです。これからも良い映画を期待していきます。
日本の映画としてはまあまあ
だいたいがハズレの日本映画としては、まあまあだったかな。
終始、志村けんだったら?というか志村けんでないと出来ないシーンがあったように思います。
歳をとったけどジュリーはスター。
志村けんにはなれません。
昔っぽい映像よかったです。
北川景子とリリーフランキーが良かった
映画の感想としては、それだけかも…
ちなみに原作は読んでいません。
【一番良かったセリフ】
「どこまでションベンに行ってんだよ! オイ、太陽に待ってもらえ‼️」
映画、テレビ関係者で成功するのは一握りだそうですね。
運と鈍のない人はこうなる、という見本がゴウさん、そういう映画とも言えます。
そしてその真実を、運も根も鈍もある大成功者が監督した映画。(あ、寅さんは大好きです)
日本の映画界で新しい人材が出てきやすい仕組み、特に金銭面の改革が望まれると思いました。
【雑 観】
ところで下痢には今は良い薬も出てるけど、メンタル面の弱さ強さは本人次第。
結局、やると言ったらやる人間がたとえ悪人でも、どの業界でも世に出てくる。稀に善人タイプで登って行った人がそういうのにブチ当たると暗闘になる。
なのかな。。。
心暖まる映画でした😊
原作は読んでないので、映画を観ただけの感想ですが、ところどころホロリとさせられるいい映画でした🈵
ぼろぼろの現在から懐かしき良き時代を振り返る映画構成(回想映画)が見事に出来上がってました✌️
さすが、山田洋次監督ですね‼️
出演俳優も豪華な顔ぶれでとても見応えがありました🆗
ただ、沢田研二の役柄は、どうも志村けんが頭をよぎってしまうのか、何となく違和感がありましたが、なかなか味のある演技をされていたと思います😋
なんといっても、憧れのジュリーですから、多少のことは大目に見ましょう😅
宮本信子もとても良かったんですが、個人的には、田中裕子だったら面白かったのに…なんて考えてしまいました😋
北川景子は、さすが、見惚れてしまうほどキレイで、はまり役ですね😊
何はともあれ、とても心暖まるいい映画だと思います(^-^)/
追伸
この映画は、原作とは全く違うという批判がありますが、原作者「原田マハ」の寄稿を読むと、敬愛する山田洋次監督に映画化して頂いたことにとても感謝されているように記述されてます😊
編集担当者から、脚本は原作とはかなり異なってますとの連絡を受けて、すぐにその脚本を読んだところ、読み終えた頃には、涙が止まらなかったと…😢
原作者曰く
「確かに、脚本は原作とは大幅に違っていた。全く別物と言っていいくらいである。
けれど、だからこそ、私は嬉しかった。
原作をただなぞらえて映像化するのではなく、監督が完璧に自分自身のものにしている。原作に対する深い読解と敬意、想像力がなければ決してかなわないことだ。
ーこれこそが、山田洋次監督の❬キネマの神様❭です。」と…‼️
淑子ちゃんの幸せ
松竹映画100周年記念作品にして主演志村けん
絶対に観たいと思った。
それからいろいろありたぶん観ないかなと思ったけど
やっぱり観てしまいました
この映画は家族に見放されそうなダメ親父ゴウが再び映画の夢を追う話…ではない。本当のダメ人間のお話である
まず思った以上にジュリーがよかった(謎の上から目線)
ダメ人間ゴウがどこか愛嬌のあるキャラクターなってた
でもやっぱりゴウは許せないよ
よく青年ゴウと老年ゴウが結びつかないって意見があるけどそれは淑子のフィルターを通して見たゴウなのだと思った
ギャンブルが好きで女性にだらしないけど才能があって夢に向かって頑張っている。淑子からすると良い部分しか見えてなかったのだと思う
ゴウは悪い人間ではない。だがダメ人間だ
淑子はゴウちゃんに幸せにしてもらおうと思ってないと言ったが母親や出水監督には幸せにはなれないとわかっていたから反対したのだろう
ゴウ自身にもわかっていたからテラシンに告白させたのに淑子が自分を好きだと知るとあっさり受け入れる…
岡山に逃げたゴウを追いかけて淑子は幸せになったのか?映画に描かれていない部分は淑子にしかわからない
けれど
好きな人と一緒になったほうが幸せと他人は言うが
よく知らない人とお見合いして平凡に送る人生が幸せでないと誰が決めたのか!
ゴウは淑子だけでなく家族を何度も裏切っている
そんなゴウに尽くして淑子は幸せだったのか
そして映画のラスト
ゴウは最後に桂園子に手を引かれキネマの世界に行ってしまった。ゴウの魂は淑子の側から消えてしまったのだ
私にはこれが淑子に対する最大の裏切りに思えた
淑子ちゃんアンタ本当に幸せだったのかい?
円山郷直の人間性を否定はしたけど
映画としては面白かったしジュリーのゴウは不快感も最小限でとてもよかった
でもやっぱり志村けんのゴウを観てみたかったです
共感できない古臭い人物描写、そしてコロナに縛られすぎ。
原作読んでいませんが、予告に惹かれ初日に観ました。それだけに残念でした。
若い頃映画に関わりながら挫折し、今やアル中ギャンブル好き、闇金で借金もあるダメ主人公が、孫の助けで脚本大賞を取るが、不摂生が祟り体調を崩し、コロナ禍の映画館でかつて自分が関わった映画を見てるうちにスクリーンの大女優に心惹かれ、迷惑をかけ続けた妻を残してそのまま死ぬ話です。これをキネマの神様というなら、なんとくだらない神様。
主人公たちの若い頃の描写は爽やかで情熱に溢れ、往時の映画産業の活力も感じられよかったです。菅田将暉、永野芽郁、北川景子、リリーフランキーらの俳優陣には満足です。。一方で現代はひどいものでした。沢田研二演じるゴウと宮本信子演じる淑子はあまりに落ちぶれて、どうみても同一人物だと感じられませんでした。唯一の接点は折角の初監督映画の撮影初日にミスし、情熱を捧げていた映画からあっさり身を引いた主人公の心の弱さでしょうか。それでも晩年アル中ギャンブル漬けのダメ人間まで落ちぶれるほどではなかったので、せめて賭け事に狂うとか借金を平気でするというような人物描写があれば辻褄を合わせられたと思います。淑子も「自分でゴウを幸せにするのだ」と母親の反対を押し切ってゴウと一緒になったとは思えないダメっぷり。闇金アル中の主人公と縁を切れず、娘に金を無心する酷さ。映画冒頭からずっと首を捻って見てましたが、原田泰造の「借金は肩代わりしたらいけない、自己破産させてでも本人に始末させるのだ」というセリフに強く頷きました。中盤以降のメインエピソードである、孫の助けで現代風にアレンジした昔の脚本が脚本大賞を獲得するところは、ご都合主義過ぎではありますが、これ否定すると何も残らないのでよしとします。しかし、エンディングがありえない。ゴウは、長年の不摂生が祟って病に臥せったのち、コロナ禍を押して長年の友人の映画館でかつての名画を鑑賞中に、スクリーンの中の往時の名女優に惹き込まれ、若い頃の映画制作のシーンを思いながら往生します。「映画への情熱が戻ったね、映画と関わりながら最後死ねたね、映画の神様っているんだね。めでたいね。」なんて思わせたいのでしょうが、わたしの想像していたうちで最低のおわり方でした。全く妻が報われなかったからです。なぜ長年迷惑をかけ続けた妻ではなく、女優に心奪われて死ぬのでしょうか。ダメなったと書きましたが、とはいえ奥さんはミシンで借金を必死に返済してきていたのです。それを置き去りにして映画の世界で死ぬなど、あまりに古臭い男の生き様を美化されてドン引きしました。せめて大賞をきっかけに若い頃諦めた映画に改めて挑戦し、その制作中や上映中に妻といるときに死ぬ展開であって欲しかったです。
コロナ入れすぎです。志村けんさんが亡くなったことをなんらかの形で残したかったのでしょうが、原節子や小津安二郎の50年後は今ではないです。時代感も狂ったし、マスクしてソーシャルディスタンスキープする映画館で、映画の上映中に喋るゴウと孫も心底不愉快でした。時事ネタが入ったことで、もう時を超えることもないでしょう(わたしは二度と見るつもりはないですが)。感傷でシナリオを書き換えるべきではなかったと思います。
山田洋次監督に誰も何も言えなかったのかな。
そんなはずはないと調べた原田マハさんの小説はやはり別物らしいので小説を読んでみます。
2つの時代どちらも中途半端な感じです
2つの時代を思い出と織り交ぜながら描いてるんですが、どちらも中途半端感が否めません。
そして落ちぶれてどうしようもない老人に至るまでの過程が若い頃飲む打つことが好きってこと以外、深くは描かれずその後のことは母娘の多少の会話のみで表され、省略されすぎててモヤモヤ感が残りました。
この物語、主人公がダメダメなら家族を主体として描くのではなく、ただ映画に没頭し映画を愛した男の人生として描いて欲しかったと思いました。
俳優陣が良かった
昭和臭いとか色々意見はあるようですが、映画なので何でもありって事で設定とか細かい事は気にせず観るタイプです
菅田さんの演技が好きなので今回も観に行きましたが、菅田さんの演技力が目立たない程、他のキャスティングの方々の存在感が素晴らしかったです
思いの外良かったのが野田洋次郎さん
ドライブのシーンでのフィルムのお話しや夢を語るところや、お食事のシーンでの永野芽郁さんとのハイタッチのところ、2人の初々しさが可愛らしく、テラシン目線での映画があっても良いかもと思えてしまうくらいでした
永野芽郁さんのクルクル変わる表情も素敵です
ただ最後はなんだか桂園子が死の世界に連れて行ってしまったような感じに思えてしまって、あそこで撮影に行くのを拒否してたら現実世界に戻れたのだろうかと思うと桂園子が死神に思えてしまったのも事実です…
逆にこっちに来ちゃダメ、淑子ちゃんを幸せにしてね、くらい言っても良かったような…と勝手に思ってしまいました
どちらにしても最後のエンディングの歌も良かったです
志村けんさんに捧げる歌にも聞こえました
走るにはどうやら命は長すぎて
悔やむにはどうやら命は短すぎて…
全体的に笑って泣いて、恋をして、純粋に映画を楽しませて貰いました
素敵な映画をありがとうございます
この役は確かに志村けんだ。
アル中でギャンブル漬けで借金まみれのダメじじいゴウがかつて自分が関わった作品を親友の名画座で見ながら昔を思い出していく話。
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志村けんさんが亡くなってしまったことで代わりに沢田研二さんが演じているけど、これはけんさんで見たかった。このダメ親父でちょっとひょうきんな感じは志村けんだった。
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やっぱりこういう事情があるから作品内でもコロナ禍が反映されていて、作品内でゴウが亡くなる緊急事態宣言間近の日は志村けんさんが亡くなった日に近い。大好きな映画を見ながら亡くなるゴウは、可愛いお姉ちゃんとお酒を飲むのが好きだったのが仇となってコロナにかかってしまったけんさん(本当はどこでうつったかはわからないけどね!)と何となく重なる。
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キネマの神様はカットとカットの間に宿る映画の神様で、それはカットをかける時にカチンコを鳴らしていた助監督だったゴウ自身でもあるのかなと。さらに、今の状況と重ねるなら映画館が休館してる間がカットとカットの間と同じような気がして、休館してもキネマの神様がいるから大丈夫と映画館へのメッセージにもなっている気がした。
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最初過去への回想に入っていく時に、映画の中の女優園子さんの瞳の中に寄っていってその中に自分たちがいるという入り方好きだった。あとは北川景子のあのちょっとわざとらしい芝居って昔の大女優の感じにピッタリハマってて園子さん役結構当たりだったと思う!.
どっちの立場で観るか、
2021年52本目。
"キネマの神様"が
原田マハさんの作品で
初めて読んだ本です。
1番好きな本です。
この本を読んで、
原田マハさんにハマり、
読書好きになったので、
私にとって、大切な1冊✨
なので、
この映画を
ずーーーーーーっと、楽しみにしてました。
感想………
1.原田マハさんファンとして、
原作とは、別物ですよね?💦
原田マハさんファンを無視してるのかしら。
本のキネマの神様ファンは、
観ないほうがいいかも。
キネマの神様ファンとして、
観ちゃダメです。
2.山田洋次監督ファンとして、
面白かったです、
あー、山田洋次監督の作品って感じ。
山田洋次監督好きなら、オススメ。
3.客観的に、、
北川景子さんがとにかく美しい✨
スクリーンで観るべき美しさ✨
ツッコミ1
就活で、面接前に靴履き替えないでしょー
鞄置きっぱで部屋入らないでしょー、
ツッコミ2
授賞式、スマホあるなら、
ビデオ通話でしょ。。
ツッコミ3
これは、ネタバレなので、
言えませんが、
ゴウちゃんと、テラシンの
俶子ちゃんを巡ってのやり取り。。
1年以上期待して待って、
原田マハさんファンとしては、
力が抜けました、笑笑
家族観?に違和感
夏休みということもあってか、意外と10代、20代の観客も多かったです。
そういう若い世代に響く内容かどうかは正直微妙だと思いました。
ストーリーもベタでしたし、恋愛描写も「お前…好きな奴がいるんだろ?」「鈍感…バカ!」という見てるこっちが恥ずかしくなるようなベタなやりとりが多かったです。
ゴウはギャンブル好きが祟って借金を作り、シングルマザーの娘の歩が自らの退職金を借金返済に充ててくれたのにもかかわらず、また性懲りもなく借金を作り、借金の取り立てが歩の職場に電話がかけたり、家に押しかけたりするまでになりました。
母親の淑子も歩に向かって「あなたも少しぐらい貯えがあるんでしょう?それを返済に充てて」と平然と言ってのけ、それだけならまだしも派遣契約が切られる歩に対し、相手の浮気が原因で別れた元夫に就職の口利きをしてもらえとまで言います。
誤解を恐れずに言えば、いわゆる毒親だと思いました。
ギャンブルやアルコール依存症など問題のある家族を抱える人の為のセミナー講師は
「結局、家族が借金を肩代わりすると本人は甘えてしまうんです。絶対に本人に払わせてください。それでも払わない場合は心を鬼にして離婚して本人に自己破産させる、それしかありません」
とアドバイスしましたが、私も本当にその通りだと思いました。
しかし、最後に改心したのは歩の方でした。
ゴウが賞を獲ると「私は本当にあんな父親いなくなってしまえばいいと思ってた」と泣きながら反省する彼女を見て私は「いやいや、あなたの感覚は正しいよ」と突っ込みたくなりました。
授賞式に行けなかったゴウの手紙の「許しておくれ…」の一言では私はとても許す気にはなれません。
本来なら☆3の評価でしたが、コロナ禍というとても難しい状況の中で映画を完成させたスタッフの皆さんへの労いと、志村さんへの追悼という点を加味して☆3.5としたいと思います。
微妙
出演者の演技(沢田研二や寺島しのぶなどなど)は良かったですが、ストーリーがイマイチ薄っぺらく(悪い意味で)微妙でした。
賞金とったり、映画を見ながら旅だったりと、ある意味王道的な流れなのですが、あれだけ好きだった映画を簡単に諦めたり、その後の状況が空白だったり、何でこんな亭主にあいそをつかさないのかだったり、小林稔侍が急に弱気になったり、と共感しにくい内容でした。また、随所に現実の映像が入りましたが、あまり(全く)意味をなさないように思いました。
いろんな変更を余儀なくされたり、スケジュールがタイトだったりと、思い通りにならないこともあったかと推測しますが、行間を埋めて、よりよい作品にリメイクされることを期待してます。
〝不幸せ〟の中の〝幸せ〟
本日観てきました。
あまり文面を考えず、感じたこと思ったことを書いてゆきたいと思います。
現代劇の初めの方を観た時、「この映画、大丈夫かな」、と正直思いました。
序盤を観た時、あまり見慣れない、タイミングを取り合うお芝居みたいに感じてしまったところがありました。
また、主人公の設定が、家族や借金のことよりも、生き甲斐としてギャンブルにはまっていたりなど、共感しづらいところがありました。
しかし、回想劇に入った時、「これをやりたかった」と感じるような、「東京物語」へのオマージュと共に、若返った主人公と共に映画が瑞々しく(語彙力なくてすみません)なったように感じます。
それから、あくまでリアリティを追求し過ぎずに、撮影所の日々を描かれているのを観て、これは現代劇を通して映したい、山田洋次監督の文脈なのだと思いました。
現代劇と回想劇を入れ混ぜながら悲喜劇を通して、なぜ人が〝不幸せ〟と分かっていても選ぶ未来があるのか、が描かれており、それを楽しんで鑑賞しました。
それは、監督の「男はつらいよ」シリーズでも描かれてきた、「フラれる」ことを選ぶ寅さんの生き方と通じる、〝不幸せ〟の中の〝幸せ〟に通じるものを感じられました。
観ていて驚いたのは、その中でも、ラグビーを皆が観ていた頃から現代のコロナ禍まで、映画全体を社会の中の現代劇として向き合っている監督の意志を感じたところです。
エッジを感じました。
また俳優さんそれぞれが、息づいている人物を演じることが、現代というものを照らし合わせて考えることに繋がっていると感じました。
リリー・フランキーさん演じる出水監督は、特に魅力的で、かっこよかったです。
主人公とその孫が協力して書いたシナリオが、木戸賞の最優秀賞を取る場面は、ファンタジックではあり、ハッピーエンドへ向かうきっかけにも感じ、大事なところとは思うのですが、例え、賞を取らなくても、メッセージ性はあったように思います。
そこは少し、キャプラの「素晴らしき哉、人生!」のオマージュ的な要素かと感じました。
本作を、天国の志村けんさんはニコニコして観ているのではないかと思います。
観てよかった、勉強に何かなったような、そんな気がした映画でした。
【”君の瞳にはいつでも、ボクが映っていた・・。ボクは如何にして君の無償の愛に応えたら良いのだろう・・。”現況下、映画界を想う山田洋次監督こそ、キネマの神様である。】
ー 2つの大きな悲しき出来事を乗り越え、今作を届けてくれた山田洋次監督始め俳優さん、スタッフの方々のご努力に感謝を申し上げます。ー
◆感想 ー 物語は過去パートと、現代パートを行き来して進む。ー
・老いたゴウ(沢田研二)が、アルコールに逃げ、ギャンブルに逃げていたのは、淑子(少女時代:永野芽郁、老年期:宮本信子)の無償の献身に堪えられなかったからではないかな・・。
だから、憎まれ口を叩きつつ、金を無心する日々・・。
ー 序盤は、少し切ない・・。ー
・映画は、青年期に舞台を移したところから、輝き始める。
銀幕のスター園子(北川景子)が、助監督のゴウ(菅田将暉)や淑子と交流する姿。
固定カメラで、静的画を撮る事に拘る監督(リリー・フランキー:このマルチな才能を持つ方は、本当に上手い。)の姿。
ー 銀幕の北川景子さん、美しさが倍加している。銀幕の魔法だろう・・。あの監督は小津監督をイメージしているのかな・・。すると、眼の悪い園子は、高峰さんかなあ・・、などと勝手に推測しながら鑑賞。ー
・ゴウの意外な気の弱さ、映写技師のテラシン(野田洋二郎)との交流と、淑子を巡っての相手の気持ちを思いやる二人の姿。
ー 矢張り、映画監督って、胆が据わっていないと、厳しいのだなあ。優しい心を持つ人を描かせたら、天下一品の山田洋次監督の良さが出ている。ー
・現代パートでゴウの孫が、お爺ちゃんの脚本の良さに気付き、二人で(と言うか、孫主導で)脚本を再構成するシーンも良い。そして、その脚本が見事に・・。
ー 代理で授賞式に出席した、ダラシナイ父親に手を焼いていた娘(寺島しのぶ)が、父から渡された手紙を読み、途中で涙で絶句するシーンは、実に沁みた。観ているこちらも涙が出たよ。ー
<年老いたテラシン(小林稔侍)が、夢を叶え、経営していたミニシアターで、銀幕のスター園子と再会するシーン・・。
山田洋次監督が、現況下で苦戦する映画界、ミニシアターの現状を慮って執念で製作した、映画愛溢れる作品。>
◆舞台となったミニシアターが、川越スカラ座だったのも、嬉しかった。「ミニシアターのある街へ。」を読んでみるとするか・・。
沢田研二の歌に涙
昭和世代の映画ファン、男はつらいよファンですが、
響かなかった。
主人公に全く感情移入できなかった。
志村けんが演じていたら、憎めないダメおやじになっていただろうか。
何の努力もしていないのに、映画の神様はこんなやつのところに降りてこないでほしい。
淑子ちゃんが幸せだったとは思えない。
娘が縁を切りたいと思って当然のクソ人間。
あんなに簡単に挫折するだろうか。
沢田研二がまさかあれを歌うとは思ってなかった、泣いた。
泣かすところはここじゃないだろう。
大学生の時に観た蒲田行進曲やキネマの天地、胸が震えた、ワクワクした。
今の若い人がこの映画を観て感動するだろうか。
初日の初回上映、ロビーは人で溢れていたのに観客は三人だった。
原作も沢田研二さんも好きだったので残念。
星は回想シーンへ。
主役クラスの俳優さんが沢山
菅田将暉の違う一面を観たくて公開初日初回に鑑賞。予備知識なし。
山田洋次監督の映画を観るのは初めてです。
監督の演技指導なのか、出てくる人ほとんどが
普段の演技よりオーバーめで、セリフも多いです。
セリフ回しが昭和の娯楽映画全盛感を出してはいますが、観客として純粋に楽しめなくなってきます。俳優が豪華なぶん、あちこちに目がいって余白のない感じです。
さらに公開が延期されて編集しすぎてしまったのかと思われるような
シーンとシーンの間の飛びっぷりも(-_-;)
当時の映画撮影シーンで、リリー・フランキー演じる監督と、大女優役の北川景子が見事です。この時代だけの映画にしてもよかったぐらいです。
テラシン役の野田さんが劇中ギターを弾くシーンは、それまでオドオドしてたのに急にかっこよくなります。
申し訳ないですが途中退席したので評価せずです。
試写会を終えての感想
一言で言うと、面白くないです。
原作未読の感想です。
内容を要約すると、
アル中、ギャンブル、借金の三拍子揃ったくそじじいが家族や友人に迷惑をかけつつ、生活し、借金返済の為にお金を取り上げられたので友人経営の映画館に行く。
思い出の映画を通して過去を回想し、
その後若い頃に作った脚本(撮影したが頓挫)を孫と共にブラッシュアップし脚本賞に応募、大賞をとる。
不摂生が祟って病気の中、友人の映画館で映画を観ながら死ぬ話です。
批判多めの個人的な感想です。
最初から主人公がくそ。若い頃の輝いていた思い出を引きずっているんだか、現実から逃げてるんだか知らないけどちっとも感情移入できない。
若い頃の回想についても、てらしんが可哀想だし手紙をわざわざ主人公に渡させるって淑子もひどい奴だし、これが人間味みたいな描写なの?とモヤモヤ。
極めつけは初監督作をそんなことで諦めるの?どーしよーもねーなと感じた。
現代パートでの脚本賞にしたってご都合主義過ぎる。触れられている所しかわからないが、脚本は今ではありふれた内容だし、どうしても丸く納めたいんだなと思った(その割には借金はなあなあ。賞金の30万ぽっちで返済が終わったとはとても思えない)
あと、最後近くの場面がコロナ禍の設定だったが、わざわざ会話するときにマスクを外させ、ソーシャルディスタンスと言っているのに顔を寄せて話し、映画館で大声を出すのは非常に不自然だった。役者の方の顔が見えなきゃ伝わらない、どうしても映画館で喋らせたいならそもそもコロナの設定を入れるのが間違っているし映画としての完成度を取るなら要らない設定だと思う(そこだけをどうにかしたとしても面白くないですが)
というかコロナ禍設定で映画館で死ぬ最後にするとか小綺麗に描いてるけどどうなんだとしか言えない。
志村けんさんの事もあるし、と軽い気持ちで観に行くのは正直おすすめしません。お金の無駄というか眠くなるorモヤモヤすると思われます。
この監督の作品が好きで思い入れがあるなら楽しめるのではないでしょうか。
全59件中、41~59件目を表示