キネマの神様のレビュー・感想・評価
全59件中、1~20件目を表示
やりきれない映画だった
映画としては、敢えて手を挙げた沢田研二の男気、美しかった北川景子、可憐な永野芽郁が目立った。
以前BSテレ東で見た時には、主人公ゴウ(若い時は菅田将暉)が撮影所にいたという、原作にはない設定が出てきた段階(過去パート)で、それ以上見続けることが難しかった。第一、同じ監督さんが作った1986年の「キネマの天地」とそっくりだと思った。「天地」が1930年代、「神様」は、本当は50年代終盤だろうけれど(69年とされていた)。BS260で放映された時、現代に戻るところから視聴を再開した。
ここでは、ゴウ(沢田研二)が書いたシナリオに関する展開が付け加えられている。それ自体はご愛嬌としても、過去パートの撮影所場面で出ていた原節子を思わせる女優(北川景子扮する桂園子)が再び登場して、長い間ゴウのために尽くしてきた淑子(若い時は永野芽郁、後半は宮本信子)の一番良いところを根こそぎ奪い去ってしまう。あの監督さんは、もともと、小津さんの古いホームドラマを否定したくて映画を作っていたのではなかったのか。これは原作とは全く異なる筋立て。
マハさんは、なぜこんな映画に、ご自分の名前が原作者として載ることを許されたのだろう。この映画ができたことは、百歩譲って仕方ないのかも知れないが。
おやおや?
原作は未読だけど、原田マハは好きで、何作か読んでいる。この方の作品は、だいたい読んでスッキリするから、元はもっといい話じゃないだろうか。なんかタイトルがハマるから映画にしたけど、原作のエッセンスは再現してない、という気がする。まあ、いろいろ事情はあったとは思うけど、映画の出来とは切り離して考えたいかな。
ゴウの若い頃は、賭け事にのめり込む描写はなく、映画作りに精を出す、好青年だった。プレッシャーに弱い面はあったけど、平気で借金したり、人に迷惑かけて開き直るような男じゃなかった。そうすると、淑子が甘やかしたってことかな。自分は幸せにしてもらうんじゃなく、自分が幸せにするとタンカ切ったのは、何だったのか。あんなに気丈だった娘が、なぜ弱くなっちゃったの?
ストーリーがとっ散らかっているが、北川景子の昭和女優ぶりは素晴らしく良かった。あと、野田洋次郎もいい感じだった。ギターをポロポロ弾くところ、もっと聴かせて欲しかった。
BS松竹東急の放送を鑑賞。
ちょっと残念
同じ人物の若い頃を演じる役者と現在を演じる役者が主人公を含めて各々まるで似てないのが最悪。面影すらない。北川景子の昭和の女優存在感は抜群だったし、各役者の演技はとてもよかったので残念。劇中、テラシンが面接で年老いた淑子に雑談まで気がつかないのはおかしいよ。履歴書に淑子の名前があるだろうに、淑子だって気づかないかね?まさか似てない役者を使った事に忖度したワケでもあるまいに、、。
セリフで話を進める
本作しか知りません。
若い頃のゴウが、責任の重圧に体調悪かったりケガしたりしたけれどもそれで退職するというのが理解しにくかったです。本人自身、脚本も書くぐらい映画を愛し作品を生み出す意欲も力も持ち合わせていた筈であるにもかかわらず。
また、社長が、若いゴウを監督に抜擢したぐらいなのにすんなりと辞めさせるのもわかりませんでした。
ゴウの若い頃と現在の姿も繋がりにくく、現在の姿になるほどギャンブルにのめり込んでいたのかどうか、若い頃からは想像できませんでした。
しかし、各箇所でセリフでそのように決定づけています。授賞式の場面でも、娘の歩が代読したメモ書きがはたして泣ける文章だったでしょうか。歩も淑子も泣き病室のテラシンも「さすが脚本家。」と褒め称えていましたが、あの短文では理解できません。
映像では噛み合わないいろんなチグハグな要素をセリフでこうだと断定して脚本家や監督の思い描く方向へとムリムリ引っ張っていこうとする作品に感じました。
全世界自粛が飛び交う悪夢のような非常事態宣言の中、ダメージを食らった映画界をどうにか立て直したい気持ちからなのでしょうか。
あの娘歩が代読したメモの文章力で伝統ある脚本賞がとれるわけない、と思ってしまいました。
未完成なのだろうなコレは。
楽しみだったんだけどずっと見れなかった。
志村さんの印象が強すぎて。
様々な不運に見舞われた作品だと思う。
コロナの描写には脚本上の変更等も伺える。
物語はノスタルジックで、ワビサビのような赴きがあり、現代への訴求力は少ないように思う。
70歳になって観ると傑作なのかもしれない。
ただ…昔は余白があったんだなぁと感じる。
数字だけではなく、そこに人の情念が介入出来る余白が。
後半に入り、ホロリとするエピソードが増えてくる。娘が代弁するスピーチなんかはグッとくる。
北川さんの美貌はズバ抜けてるし、永野さんはとてもいじらしく可愛い。ああ、コレらが監督の世界なんだなぁと思える。どこか安心感を感じてしまう。
…
ここからは烏滸がましいが悔しさを綴る。
無念だったと思う。
沢田さんに非はない。
でも、志村けんさんの姿が過ぎる。
剛直が志村さんのまま上映できていたのなら、きっとこの評価では収まらないような気がしてる。
志村さんの人生を反映させた役になっていたはずだし、だからこそのキャスティングでもあったはずだ。
おどけた台詞も、強気な仕草も、年甲斐もなく奮闘する姿や、どこか愛嬌があり許せてしまう。志村さんがこの仕事を受けた時、監督が感じた手応えはどれほどのものであったろうかと想像する。
カメラの前で、それこそキネマの神様がどんな奇跡を巻き起こすのか期待に胸が膨らんだんじゃないだろうか?
山田洋次x志村けんは相性が良すぎるような気がしてて、とんでもないギフトを魅せてもらえるんじゃないかと思ってた。
やっぱりまだ観るべきではなかった。
昇華しきれない無念さに引っ張られたままで、作品に相対せなかったように思う。
共演者もスタッフも普段感じる事がないような相当な苦労があったのだろうと思う。
監督を生業とするならば苦渋にも満ちた作品だろうとも感じる。
今更ながら、故人のご冥福をお祈りします。
ファンタジー的な要素とリアルさが同居するのが山田監督らしく、俳優たちも素晴らしい
山田洋次監督による2021年製作(125分)の日本映画。配給:松竹
心に染みる良い映画だった。ただ、沢田研二はめちゃ頑張っていて立派とは思ったが、あて書き脚本に思えるだけに、志村けん主人公で是非見てみたかったとは思ってしまった、合掌。
原作は読んでいないが(原作とはかなり異なっているらしい)、映画ファンの気持ちを揺れ動かす、上手い良く出来た脚本と思った。主人公である助監督だったゴウのアイデア、ヒロインが画面から出てくるというモチーフが、最後に生かされるのが何とも鮮やか。
山田演出のなせる技なのか、人選の凄さなのか、ゴウの妻となる永野芽郁、親友テラシン役の野田洋次郎と小林稔侍、大女優役北川景子、いずれも素晴らしい演技で感心。特に永野に片想いをする冴えない映写技師役の野田洋次郎のナチュラルに感じる演技には驚かされたし、大女優の我儘さと凛とした佇まいの両方を醸し出した北川景子の演技もお見事と、唸らされた。
テラシン野田洋次郎から見ればキラキラの才能に見えたゴウ菅田将暉。ただ、いざ監督となった時に、大女優役北川景子の心配通り、緊張のあまり下痢は起こすし、演出案にカメラマンから少し異議を言われただけで不貞腐れ、挙げ句の果てに怪我をして入院し、撮影所を辞めてしまう。そんな彼だが、撮影所前の小料理屋の看板娘の永野芽郁には一途に想われる。結婚相手としては、彼女に恋心を持っていたテラシンの方がずっと良いのにとは思ってしまう。山田洋次がずっと、テラシン的な視点で見てきた世界だからだろうか、何だかやけにリアルで、自分の心にも染みるところがあった。
映画監督の夢破れギャンブルに明け暮れる借金まみれのゴウ。妻や娘にもすっかり見放されているが、ゴウの脚本を読んだ孫の勇太(前田旺志)が、その内容に感銘。勇太が現代的視点からゴウの脚本に手を入れて、城戸賞ならぬ木戸賞に応募し受賞する。孫に脚本を認められ一緒に作品を練れたのは、彼にとって最高の幸せだったと想像できる。家族をずっと描いてきた山田監督作らしく、素敵なファンタジー的な展開であった。
監督山田洋次、原作原田マハ、脚本山田洋次、 朝原雄三、プロデューサー房俊介、 阿部雅人、撮影近森眞史、照明土山正人、録音長村翔太、美術西村貴志、編集石島一秀、音楽岩代太郎、主題歌RADWIMPS feat.菅田将暉、VFX監修山崎貴。
出演
沢田研二円山郷直(ゴウ)、菅田将暉若き日のゴウ、永野芽郁若き日の淑子、野田洋次郎若き日のテラシン、北川景子桂園子、寺島しのぶ円山歩、小林稔侍寺林新太郎(テラシン)、宮本信子円山淑子、リリー・フランキー出水宏監督、前田旺志郎円山勇太、志尊淳水川、松尾貴史キャメラマン・森田、広岡由里子淑子の母、北山雅康借金取立人、原田泰造家族の会主催者、片桐はいり常連の女性客、迫田孝也、近藤公園、豊原江理佳、渋谷天笑、渋川清彦、松野太紀、曽我廼家寛太郎、前田航基。
山田洋次作品として見れば良いと思う
あれ?原作との共通点って家族構成のとこだけなんだ。
山田洋次作品が苦手なので、原田マハ原作見たいけど相性どうなんだろうかと中々手が出せずにまごまごしていましたが、よしと見てみたら完全に山田洋次作品になっていたので心配するほどでもありませんでした。
原作パートが少なくてむしろ良かったように思う。完全に別物なので原作についてあれやこれ考えるのもどうかなって。
人生が込められていた!!
私の父もアル中だったので出だしは面白くなるか分かりませんでしたが、人生が込められていて良い映画でした。邦画で過去の時代が舞台だと、何か誤魔化しながら撮影しているように感じてショボく感じる事が多いのですが、本作は映画の世界に入り込めたので、制作者の目が行き届いていると思いました。クラシンさんが昔も今もキャラが変わらない良い人で、映画館のお客さんに主人公の受賞を知らせるシーンで泣けました。物語は必ずしも成功した主人公が良いという訳では無いのだなと思いましたし、また挫折して無為に過ごしてもいずれ時間切れで終わるという、氷河期世代にとっては恐怖の現実を知りました。
懐かしい感じ
園子さんの美しさに最初、この新人女優さん誰なのだろうと思いました。北川景子さんはつり目だし別人だと思いました。ただセリフが棒読みと言うか彼女と沢田研二さんだけ浮いている気がしました。
この映画の題名を検索すると志村けんさんが出てきて、沢田研二さんが代わりに演じられたのですね。なんとも言えない気持ちになります。志村けんのゴウちゃんも観てみたかったな。最後の方で沢田さんが「東村山4丁目」を歌うのも志村さんへ捧げたかったからでしょうね。友情に感動。
しかし淑子とテラシンが面接で再会した時、すぐに気付かないのが不思議です。年齢、名前、声や顔でピンと来そうなものなのに。
辛い記憶の残る100周年映画
志村ケンさんの訃報でとん挫した映画と言うことで話題になりましたね、喜劇の巨匠山田監督が志村さん主役で渥美さんと違ったどんな味を引き出すのかと興味津々だったのでがっかり、同じ事務所の縁でジュリーが代役というのもびっくり、全然イメージが違うじゃないですか。
折角のジュリーなのに劇中で唄うのが東村山音頭ですからジュリーにはまったくお気の毒。
ケンさんへの追悼の想いが勝ったのでしょう、ジュリーも所々ケンさんを真似たようなとぼけたリアクションをしていましたね。
ただ、あまりにも自己中のダメ老人なので誰がやっても引いてしまうと思いますがジュリーはキレ方がリアルなので怖いです。モデルは原作者原田マハさんの実父とのこと、ギャンブル好きで借金まみれ、どうしようもない人だが情に熱く憎めない人柄だったとか、難しい役どころ、監督がケンさんを選んだわけが察しられました。
松竹100周年ということで往時の花形、清水宏監督(劇中では出水宏)や小津監督(小田)、原節子(北川恵子)さんをもじっていますね、清水監督は嘘っぽい演技を嫌う人で実際に「役者なんかものをいう小道具」という暴言を残しています、リリーフランキーさん怪演でした。
劇中でゴウが書くシナリオで二枚目俳優がスクリーンからとび出てくるアイデアはバスターキートンの喜劇からインスパイアと言っていましたが、ウッディアレンの「カイロの紫のバラ(1985)」のまんまですね。木戸賞100万円としていましたが実際の城戸賞の副賞は50万円です。
映画通ならすぐわかりそうなつっこみどころを入れるのも「キネマの天地(1986)」同様の山田監督らしいくすぐりに思えます。
コロナのパンデミックで映画界も苦境に立たされている現状も織り込んで奇しくも辛い記憶の残る100周年映画になってしまいましたね。
キネマの神様、私たちをお守りください
映画「キネマの神様」(山田洋次監督)から。
本来なら、主人公ゴウを中心に「キネマの神様」をピックアップして、
「カットとカットの間に神が宿るんだ。映画の神様が」とか
「第一回監督作品、題名も決まっています」「なんていうの?」
・・・「キネマの神様」などを取り上げたかったけれど、
コロナ禍での鑑賞となってしまったので、こんな会話が引っかかった。
若い頃「なんとかしてお金を貯めて、東京の郊外に小さな映画館を建てて、
そこで僕の好きな映画を、映画を愛する人たちのために上映する。
それが遠い夢です」と言い、それを実現した、映写技師テラシン。
「大変なことになったわね」と心配する主人公の娘は、こう言い放つ。
もうすぐ緊急事態宣言で、休館になるんでしょ、ここ」。
そんな会話をしながら、弱気になるテラシンは、
「この歳でこんな目にあうとはな。もうダメだ、歩ちゃん。
おじさんはやっていく自信がなくなった」と、途方に暮れていたが、
最後に、神棚に向かって、手を打ち、こう祈る。
「キネマの神様、私たちをお守りください」
そう、どの世界にも「〇〇の神様」はいるんだ、とメモをした。
今、いろいろな場所で「〇〇の神様」に祈っている人がいるんだ、
そのことを忘れないために「キネマの神様、私たちをお守りください」
このフレーズを残そうと思う。
PS.
エンドロールには「さようなら 志村けんさん」の文字。
本来、主人公ゴウを演じるはずだった彼、コロナ感染で他界し、
その意思を継ぎ、沢田研二さんが代役を務めた話を後から知った。
「あなたを愛したから、神様にであえた」・・なるほどなぁ。
原作とは完全に別物
先日動画配信サービスにて鑑賞
当方
子供の頃から「男はつらいよ」ファンでほぼ全シリーズをみていてラッドウィンプスファンの自分としてはなんとなく気になってた作品だが、映画館いくのもなあと考えてた
まず思ったのは皆さん意見が分かれてる通りジュリーの演技について、味はあるが正直うまいとは思えなかった。
しかし、他のキャストも宮本信子なども普段よりもわざとらしい演技になってる気がしたので
監督などからそういう演技指導があったのかな?と思った。
脚本は志村けんに向けてあてがきをしたということだったが、正直ジュリーの方が合ってるような気はした。
また志村けんへの敬意で東村山音頭が組み込まれていたがあまりに露骨に感じジュリーの曲や昭和歌謡へ変えてもいい気はした。
また原作と全然違うとのコメントも多く
興味があったので原作も読んでみた。
原作の内容は確かに全く違う内容で
非常におもしろくゴウとローズバットの友情やゴウと娘の家族愛の描き方など最高で、山田洋次がその様を描いたらどんなにおもしろかっただろうと思った。
松竹の100周年記念作品で菅田将暉や野田洋次郎を使ったりすることが決まっていたのかなと感じた。
映画のストーリーの若い時は夏目漱石の「こころ」を連想させるし、無理やり作った感じがあり必要性性はあまりなかった。
菅田将暉を使うことが確定していたなら、ばるたん役で使って大幅に出番を増やすとかにするべきだったのでは。
山田洋次の回顧録のような感じになっていて
それはそれで別の映画で作った方が面白くなったよう気はする。
良かった点としては北川景子が昭和のスター女優を演じているがそれがとても似合っていた。
またゴウが賞を受賞して書いた手紙を娘がスピーチするシーンは感動的でグッと涙を堪えた。
山田洋次は家族愛などを描かせたらやはり上手だと思う。
またクレジットシーンのうたかた歌も素晴らしかった。
原作とは完全に別の映画としてみたらぼちぼち秀作ではあると思うので日本映画好きな方は見てみてもいいかと思う。
合掌
山田洋次監督のイメージで見ると違和感があるかも
原作未読者の感想であることをお許しください
男はつらいよ、家族はつらいよシリーズなどが大好きで、山田洋次監督の作品だと思って期待して拝見したのですが、期待したものは得られませんでした。
沢田研二さん演じる主人公も不器用さ上の生き方というよりは、罪悪感なく周りに迷惑をかけている様な感じがしてあまり好きにはなれませんでした。
こういった種類の作品が好きな方もいると思いますし、他の監督の作品と思ってみればいい作品だと思います。
亡くなった志村けんさんへ対する追悼の意が込められていたのかもしれませんが、後半に出てきた新型コロナのニュースや、緊急事態宣言などの話題が本来作ろうとしていた(と思われる)ノスタルジックな雰囲気に対してミスマッチが強いと思いました。
例えるなら、老舗の和菓子屋でタピオカが出てくるような痛々しさが目立った感じがします。
数奇な運命を辿って届けられた贈り物
松竹映画100周年記念作品。
Blu-rayで鑑賞。
原作は既読、ノベライズは未読です。
映画愛に溢れた原作の映画化が発表された時、こんなにも本作が社会情勢に翻弄されるとは誰が予想したでしょうか。
緊急事態宣言で撮影中断を余儀なくされただけでなく、志村けんさんが新型コロナによって帰らぬ人になるだなんて…
果たしてどうなるんだろうか。本作の公開を楽しみにしていた私はどれほどの悲しみに暮れたことか分かりません。
完成が危ぶまれる中諦めなかったスタッフやキャスト、代役を引き受けた沢田研二さんの想いに強い感動を覚えました。
残念ながら映画館に観に行くことは出来ませんでしたが、今回鑑賞し、映画愛に溢れた作風と映画を通して人生を取り戻そうとする男と彼を見守る家族の物語に心温まり、「いい映画だったなぁ…」と心の底から思いました。
数奇な運命に翻弄された本作ですが、情熱と信念が結晶し、これ以上無い素晴らしい形となって届けられた贈り物のように思えました。本当に「キネマの神様」は存在するのかもしれないと思わずにはいられませんでした。
[余談]
原作で描かれていたテーマを維持しつつ、ゴウが青春を捧げた撮影所時代のエピソードを新たに構築すると云ったオリジナリティー溢れる物語に改められていて、キネマの天地・松竹のアニバーサリーに相応しい作品だなと思いました。
[追悼]
現代のゴウのシーン。ジュリーもいい味わいのある演技をしていましたが、志村けんさんならどう演じていただろうかと、どうしても考えずにはいられませんでした。
特に東村山音頭を歌う場面。志村けんさんを偲ぶシーンでした。本来ならご本人が歌う楽屋ネタ的な楽しいシーンになっていただろうになと考えたら思わず涙がこぼれました。
バカ殿様が幼少期から大好きだったし、未だに亡くなったのが信じられない。志村けんさんの生み出す笑いが本当に大好きでした。改めて、心より哀悼の意を表します。
※修正(2023/08/05)
映画愛に溢れた作品
面白かったです。そして永野芽郁ちゃんがとても可愛かったです。飲み屋で割烹着のような制服での接客姿がとても可愛かったです。
才能を持ちつつも不運な事故や撮影スタッフからの理解されないことから映画の道を捨ててしまった主人公のごう。
数十年後に孫がごうの脚本を見つけたことから転機が訪れて。とても素晴らしい孫だなと思いました。最後は悲しいことにごうは亡くなってしまいましたが賞をとって認められて、こんなにいい孫にも恵まれて、さらには奥さんにずっと添い遂げてもらって、結果的にはとても幸せだったんじゃないかと思いました。
ノスタルジックな作品
若き日のゴウを演じた菅田将暉さん、恋人淑子を演じた永野芽郁さんのキラキラと輝く瞳、表情に魅力された。
宮本信子さん、リリー・フランキーさんの優しい人柄が滲む演技も素晴らしい。
沢田研二さんが、ギャンブルに溺れるちょいダメな晩年のゴウを丁寧に演じられていた。優しい眼差しで見つめる志村けんさんの姿が目に浮かぶ。
映画制作に情熱を注ぐ活気に満ちた撮影風景にワクワクした。
心優しい作品でした。
映画館での鑑賞
深く考えた方が良い??
この作品が無事にスクリーンで放映されたこと、関係者さまにお疲れ様ですとお伝えしたいです。
正直、古き良き?昔の撮影所時代のパートはすごく良かったです。役者が生きてる感じが
現代パートがうーん、
対比で昔の映画っぽくわざとらしく?撮ったのかなと思うようにして納得するしか
古き良きを生々しく、現代を懐かしく?
うーん。テレビでお茶の間に流れてる映画として見たら面白いかも。
映画館で見るにはね。
沢田さんの方が菅田くんが老けた設定なら合っていたとおもいます。
志村さんはどうしてもコメディ感が強いような。それでもやはりエンドロールではほろりとしてしまいました。ご冥福をお祈りします。
沢田研二の東村山音頭
109シネマズ川崎で
沢田研二主演(志村けんあてがきキャラクター)「キネマの神様」を見ました。
今の時代の話。
昔のお話。
話が、コロナ発生してから、きちんと変更してあり、妙な現実感がありました。
最初は松竹大船時代の話から始まったので、そのまま行くのかと思いきや…
装飾に湯沢幸夫さんの名があり、へんなところで感動しました。松竹大船の雰囲気を再現されており、昭和平成令和を生きた世代には、ノスタルジーに浸れるだろう。
ただ、すこし、いろんなものを詰め込み過ぎた感はあります。私の個人的な感想ですが。
【円山郷直(ゴウ):沢田研二、円山淑子:宮本信子、円山歩:寺島しの...
【円山郷直(ゴウ):沢田研二、円山淑子:宮本信子、円山歩:寺島しのぶ、円山勇太:前田旺志郎】家族は円満では無い。若き日のゴウが初監督した「キネマの神様」脚本を孫・勇太(パソコンオタク、引きこもり?)が見つけ二人で「木戸賞(脚本)」応募に挑戦シーンに感銘。寺林新太郎(テラシン):小林稔侍の変わらぬ友情に乾杯!授賞式で代理挨拶を読み上げる円山歩:寺島しのぶ、ゴウが妻の円山淑子:宮本信子への感謝の言葉に感涙。山田洋次監督の人間愛溢れる映画、有り難うございます。エンドロールを見ながらいつも思う、「映画ってこんなに大勢の方々が関わっていらっしゃるのだ、感謝」。感銘したのでパンフレット900円をゲット。映画館で見る映画ってえぇなぁ~!
全59件中、1~20件目を表示