キネマの神様のレビュー・感想・評価
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感動する場面もある。。。
映画監督を志して周りからさんざん才能あると言われて映画にもなりかけたにもかかわらず勝手にあきらめて何十年も後、亡くなる前に別の形で世間に認められたお話。夢が叶ったようにも見えて観てるときは感動しましたが、後から思い起こすと“この期に及んで。。。”と思ってしまう映画。
最後の感動するシーンのために現在の場面は必要なのは分かるけど、気持ちとしては面白かった若かりし日の場面が9割、現在の場面は1割ぐらいの構成であって欲しかったなぁ。志村さんが存命で出演されてたら感想は違ったかもしれませんが。。。
沢田研二さんが気持ち無理やり志村さんに寄せ過ぎてて、あと若かりし日の場面は配役などとてもよかったので時間配分が短くてもったいなく思いました。
監督はつらいよ 望郷編
ゴウという男の映画青年としての過去と、ギャンブルに依存する老人としての現在が交互に描かれていますが、山田監督の映画人としての思い入れのためか?青年時代が生き生きと描かれているのに対して、現代パートは画質もシャープさがなくゴウへの孫の態度や言葉遣いが昭和的(寅さんに対する満男のよう)で違和感を感じました。
過去パートでは菅田将暉や永野芽郁、北川景子が味のある演技を見せてくれています。しかし、肝心の老人ゴウの描き方が中途半端で、演じる沢田研二もさほどの存在感を感じられません。当初、予定されていた志村けんがやったとしても、それ程魅力的な人物になったかは疑問に思います。
時代劇三部作以降の山田作品の中では比較的良かったものの、全体的には山田監督のノスタルジーに付き合わされたという印象は否めません。
山田監督も89歳。その功績は認めつつ、晩年の黒澤明がそうだったようにこの人もまた自己満足で映画を撮るようになってしまったんだなと感じざるを得ない作品となってしまったのは残念でした。
山田洋次監督の貫禄を示す作品
かえすがえすも、けんさん・・
あの頃は良かったけど・・・
1若い頃、映画監督を目指したが挫折し、今は酒とギャンブルで見る影もない男の姿と映画への揺るぎのない愛情を示す。
2 映画は、現在の自堕落な主人公と苦労の絶えない家族の話の間に、若い映画人の頃の話がサンドイッチされている。現在の前段のスト−リ−はとても辛気臭く暗い。それが若き日の撮影所の場面に転換すると作品に生気が漲ってくる。助監督だった主人公。カチンコを叩き、野外ロケでは大声を張り上げるなど現場での悪戦苦闘の日々。スタジオの張り詰めた雰囲気やたまり場での映画人との交流。仲間との友情や恋の鞘当て。場面一つ一つが魅力的で演じる俳優たちが輝き立つ。
主人公は、独創的なプロットのシナリオを書き、演出する機会を得るが、途中で事故が起こり製作中止となり、失意のうちに映画界から離れる。その後話は現在に戻り、孫が主人公に一つの提案をする。
3 主人公の若き日の描写は、日本映画の全盛期にキャリアをスタートしあの頃の熱気と労苦を肌身を持って知っている山田監督ならではの小気味よさであった。
これに対し、現代の部分、特に家庭でのシ−ンが現在の社会状況を踏まえてか総じて重い。寅さんの頃の軽やかさは無理だとしてももう少し温かみが欲しかった。また、主人公の外見と内面が若き日と現代とでここまで違わせるのは極端過ぎた。
かつて、山田監督はキネマの天地で戦前の蒲田時代を舞台にした映画を作ったことを思えば、今回大船時代でのシ−ンで通した方が良かったのではないかと思う。
4 俳優では菅田将暉の熱情、永野芽郁の可憐さ、北川景子の神々しさ、リリーフランキーの洒脱、小林稔侍の温かみが印象に残った。
また、ラストの主人公とかつての大女優との再会の処理は良かった。
安定の山田洋次
特段奇をてらう訳でもなく、人と人の関わりを描く感じは、良くも悪くも山田洋次監督作品の良さではないだろうか?
ノスタルジック的で悪くはなかったと思いますが、若い人にはどうだろうか?
志村けんでの作品を観てみたかった気もするし、彼が亡くならなかったら、ことさらコロナ禍を描かなかったのでは?と思った。この描写が必要なかった気もします。
原作があって、原作とかなり違うとか…。
いつも議論になる気がするけど、違っても良いのでは?
キャスティングにしても、イメージと違う訳だし、映画は映画で楽しんだら良いのでは?(要は原作が良いからと期待しない方が良いということか?)
最後に映画の神様が降臨したか否かは、もはやわからないけど、もし、神様がいるのなら映画館を救って欲しいと思いました。
青春のスローモーション
良し悪しではなく山田洋次演出を感じる時間。
いいところ悪いところ
ゴウ脚本のキネマの神様、観てみたい
残念、ひたすら残念
原作は未読です。
でも前半の涙が、後半は一滴残らず乾いてしまった。淑子さんの涙も消えました。キネマしかない青年監督がセットの2階から落ちて、それっきり故郷に帰ってしまい、そのままなんて、プロットとしては観たくないです。
何故、キネマに魂を奪われた青年の夢をもっともっと、画面に溢れさせてくれなかったのかなと思います。
映画作品として、ロケハン現場や撮影の緊張感と思惑、脚本の手直しに翻弄されてしまう若者のエピソードを、何とかして積み上げることは出来なかったんでしょうか?
それで青春のゴウの身体に一杯に染み込んだ「キネマ」が、晩年のゴウからこぼれたら、熱い筋が通ったと思います。
青春時代の撮影所やロケハン現場、食堂、アパートは、時代感覚も醸し出していて良かった。晩年の映画館の描写も映写室から廊下、長椅子や自販機まで、黄昏感に浸れました。
ワンシーン、ワンシーンの中で、全ての出演者の演技にリアルな迫力があったのは事実。亡き方へのリスペクトも含めて。
それだけに、最初の熱い感動がどんどん冷めてしまう、中途半端感が切なかったです。
後半、映画館のトイレシーンが出てくる理由がよく分かりませんでした。
脚本賞の授賞式で読み上げられたゴウの手紙には、キネマに心奪われた男の息吹が全く感じられませんでした。
「志村さんで見たかった」と言う声はむしろジュリーにとっては本望ではないのかな。
かつて沢田研二と志村けんのラジオトーク番組「ジュリけん」での話。
志村さんが不愛想で客の注文を無視して返事もしない偏固な飲み屋のおやじの話をすると、「おれなら帰っちゃう」とジュリー。「なんか面白いネタにならないかと・・・」志村さんの言葉にジュリーが感心していた。ひとみばあさんもこのようにしてできたらしい。
キネマの神様で志村さんはどんなゴウを描いただろうか。
若ゴウの菅田将暉は志村さんを想定して演じたと言ってました。
代役で老ゴウを演じた沢田研二は過去パートを受け止め、志村さんならどう演じるだろうとプランをたてたことでしょう。
ギャンブル狂でアル中、妙に芝居がかった仕草の変な爺さん、何者❓から過去パートへ導入。
溌剌とした若ゴウの登場。撮影所の熱気溢れる風景が鮮やかです。
若ゴウが目指す映画の夢を語る場面と老ゴウが白蛇の夢を見た話をする場面は志村さんも含めた3人のゴウが見えたように思います。
それぞれのパートに志村さんが投影され、リスペクトを感じました。
エンディングに流れた「うたかたの歌」胸にこみ上げてくるものがありました。
皆さんの演技も素晴らしかった。心温まる作品でした。
最後に
「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。」
あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。
詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。
わたしはこの作品を封切り館で"初めて"観ようと思っています。
沢田研二
自由な世界とは
キネマの神様が叶えた夢
原作は知らないですが、良い映画で感動しました。
特に淑子ちゃん(永野芽郁、宮本信子)の一途さと演技力が本当に良かった。
冒頭はダメな父親と不幸な家族が描かれるが、最終的にみんなの夢が叶っていく過程が素晴らしい。
ゴウを有言実行で幸せにした淑子さん。最後まで愛し続けた。
テラシンさんの「テアトル銀幕」。ゴウとの友情。そこで働くことになる淑子さん。
大穴を当てた勇太。家族に一番興味がないと思っていた孫がおじいちゃんを再生させた。
縁を切りたいとも思っていたのに、最後に父親と分かりあえることが出来た歩。
そして自身の台本を最終的に映画化させることができ、”最期”の夢も叶えたゴウ。
そう思って観ていたら、エンドクレジットで叶わなかった夢があったことを思い出す・・・。
沢田研二さんも素晴らしかったが、そこだけは本当に残念でした。
東村山音頭がレクイエムだったと思います。
太陽を盗まなかった男
ショック...原作読んで欲しい
原田マハさんの本が大好きで、その中でも特にキネマの神様は格別に思い入れのある作品でした。
映画が延期になっても豪華な俳優陣ということもあり、期待値は高かったです。
しかし、序盤から演技があまりハマっていないというかなんというか作品にのめり込むことができませんでした。
他の方の指摘もありましたが、菅田将暉さんのイメージは好青年のままなのに年老いてからギャンブル漬けの日々を送っているような感じがして主人公の描き方がぶれているように感じました。
原作の好きなシーンはほとんどなく、ショックでした。
北川景子さんの銀幕スターがあまりに美しくて見惚れてしまいました😳💖
そのためにお金を払った気分です。
原作読み返します、本当にショックでした。
ジュリーが歌う
見どころは、山田洋次の自虐ネタ?を菅田に言わせるところと、沢田研二が歌うところです。
沢田研二のクズっぷりの割に菅田将暉にはクズ感が全然ない。
ということは、淑子さんは大変な苦労したということなんでしょう。
今では万引きを犯罪だと認識してないようなクズじじいが、昔は才能と情熱にあふれた日々を送っていたという。
やっぱりキラキラしてた時代をいちばん描きたかったのでしょうか。
でも単純にモノクロで昔の出来事を描写するというよりゴウの想い出補正の掛かった昔というか、それに映画業界の栄枯盛衰というか妙に輝かしい映像でした。
特に園子がこの世のものでないような特別な存在で実在するとは思えないほど神々しいのでゴウの中にしかいない女神的ものかとも思いましたが、アイテムが残ってるのをわざわざ見せているのでそういう意図ではないのでしょう。
あと、宮本信子と永野芽郁って全然似てないのにこの人がこうなったという説得力がありました。さすがです。
撮影はナマもの、10をわからせるために7言えばよいとはよく言ったものだと思います。
映画を撮るためにまるでアニメを作るような詳細な段取りを組んではまわりがついていけないということなんですね。
蛇足ですが、エクスキューズに見えちゃうからコロナの描写もいらなかったですね。
最初にも言いましたが沢田研二が見事なクズを演じているのですが、沢田研二は声が良すぎてしまって、あんな声のいいクズはいないよな・・って
でも志村けんの代役を沢田研二がやっているということが重要なんだろう。
昔、志村けんが沢田研二のコスプレをしてたのを覚えてますがなんだか感慨深いです。
結構似てたんですよ。
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