「淑子ちゃんの幸せ」キネマの神様 きのこさんの映画レビュー(感想・評価)
淑子ちゃんの幸せ
松竹映画100周年記念作品にして主演志村けん
絶対に観たいと思った。
それからいろいろありたぶん観ないかなと思ったけど
やっぱり観てしまいました
この映画は家族に見放されそうなダメ親父ゴウが再び映画の夢を追う話…ではない。本当のダメ人間のお話である
まず思った以上にジュリーがよかった(謎の上から目線)
ダメ人間ゴウがどこか愛嬌のあるキャラクターなってた
でもやっぱりゴウは許せないよ
よく青年ゴウと老年ゴウが結びつかないって意見があるけどそれは淑子のフィルターを通して見たゴウなのだと思った
ギャンブルが好きで女性にだらしないけど才能があって夢に向かって頑張っている。淑子からすると良い部分しか見えてなかったのだと思う
ゴウは悪い人間ではない。だがダメ人間だ
淑子はゴウちゃんに幸せにしてもらおうと思ってないと言ったが母親や出水監督には幸せにはなれないとわかっていたから反対したのだろう
ゴウ自身にもわかっていたからテラシンに告白させたのに淑子が自分を好きだと知るとあっさり受け入れる…
岡山に逃げたゴウを追いかけて淑子は幸せになったのか?映画に描かれていない部分は淑子にしかわからない
けれど
好きな人と一緒になったほうが幸せと他人は言うが
よく知らない人とお見合いして平凡に送る人生が幸せでないと誰が決めたのか!
ゴウは淑子だけでなく家族を何度も裏切っている
そんなゴウに尽くして淑子は幸せだったのか
そして映画のラスト
ゴウは最後に桂園子に手を引かれキネマの世界に行ってしまった。ゴウの魂は淑子の側から消えてしまったのだ
私にはこれが淑子に対する最大の裏切りに思えた
淑子ちゃんアンタ本当に幸せだったのかい?
円山郷直の人間性を否定はしたけど
映画としては面白かったしジュリーのゴウは不快感も最小限でとてもよかった
でもやっぱり志村けんのゴウを観てみたかったです