「子どもと大人の間を描く」はちどり(2018) ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもと大人の間を描く
クリックして本文を読む
両親と兄・姉の5人家族のウニは自営業でしつけが厳しい父親のせいで礼儀はきちんとしているが、学校では居眠りをしたりして、クラスメートからは不良っぽいと思われている。別の女子中学の親友と通っている漢文塾に来た新しいソウル大学休学中の女の先生が、これまで出会った大人とは少し違うタイプで、心を開いていく。親友と遊び半分に文具店で万引きをしたら見つかってしまい、親友に裏切られるという経験をした時も話を聞いてくれた。そんな中、耳の裏のしこりの切除で数日間入院することになり、先生もお見舞いに来てくれ、立場の違いを超えて分かり合える気がするのだった。しかし退院後、塾に行くと先生は退職してしまっていた。
主人公の女の子のとびきりの透明感とは反対に、周囲の友達たちはとことん普通で少し露骨。塾の同級生が付けているマスクがユニクロみたいなデザインで20年以上のものとは思われず、監督がなぜ1994年を舞台にしたのかが最後の事故でやっとわかったが、逆にその事故でなければならない必然性はわからなかった。「中二という微妙な年頃を、1994年の韓国社会を背景に描いた作品」というのが作為的に感じられ、小学生を描いた同じ韓国映画「わたしたち」の方がずっと良かった。
コメントする