劇場公開日 2020年6月20日

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「傑作」はちどり(2018) ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5傑作

2020年7月26日
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鑑賞方法:映画館

今年No.1クラスの傑作。
ほぼ何も起こらないといって良いくらいのミニマルな物語ながら、子供とも大人ともつかない14歳の少女の感情の動きを丁寧に描写する抒情詩ともいって良い映画。それを台詞やナレーションでなく、ちょっとした表情や動き、場合によっては日常的な景色に雄弁に語らせる。
彼ほど美しい映像ばかりではないが、感情を映像として切り取る技術は岩井俊二を想わせるし、ちょっとした日常の一場面の積み重ねで感情を伝えるあたりは、村上春樹の初期短編をも想起させる。
ウニや母だけでなく、兄や家父長制の頂点にいる父すらも抱えている生き辛さが、日常的な生活のシーンから伝わってくる。これが初長編作品とは思えない、ある意味円熟した演出もスゴい。
ウニを演じた主演のパク・ジフちゃんの透明感はあの年代特有のものかもしれないが、芝居も素晴らしい。今後が楽しみ。

ぱんちょ