「心にチクチク気持ちい映画です。」はちどり(2018) kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
心にチクチク気持ちい映画です。
ウニは伯父さんに「何歳になった?」と訊かれ、「中2です」と答える。
そう、あの年頃って、「何歳か」よりも「何年生か」の方が決定的な位置付けだった。
そして魔の中2。立派なオバサンの私にも、「もちろん不器用な中2を生きた!」ことをウエットに思い出させてくれる。引き込まれる。団地の室内だって、当時の我が家と同じような照明器具、観葉植物が設えてあるではないか。
結婚なんてクローゼット?、どうでもよくなる?って親が言ってた?
面白いやりとりだなあ。中2にとってはそもそも家族なんて空気だ。あの時代にどんな友だちを持つかって、そちらの方が運命。というにはあまりにも運命的すぎるのだ。
学校は軍隊、家庭は儒教的、運命の友だちは、しかしあまりにも幼く、時にすぐ裏切る。
そんな中、素敵な塾の先生に巡り会えたウニはいいなあ。出会いがあれば別れもある、と言ってしまうには悲しすぎる運命のお別れもあったけど、映画的には韓国ソウルに起こった当時の事件を「巧く」使った。そして今日も明日もそんな事件はいつ起こることの知れなさも思い起こさせてくれる。
30代の女性監督のこれからが楽しみだ。
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