劇場公開日 2020年12月12日 PROMOTION

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無頼 : 特集

2020年12月7日更新

社会に風穴を開ける作品が、世に放たれる! 「パッチギ!」井筒監督の新作は、激動の昭和描く“和製ゴッドファーザー”

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アウトサイダーたちの奮闘を描き続けてきた井筒和幸監督が、8年ぶりにメガホンを握った! 12月12日公開の新作「無頼」で題材としたのは、社会からはじき出された“あぶれ者たち”。彼らの濃密な人間模様を通じて浮かび上がるのは、“欲望の資本主義”を追いかけた戦後日本の光景だ。

敗戦直後の動乱期から所得倍増、高度経済成長、政治の季節やオイルショック、果てはバブルの狂騒と崩壊――昭和の“リアル”が146分に封じ込められたことで、井筒版「ゴッドファーザー」とも言える作品が誕生した!


ヤクザ者たちは、世間という“良識の監獄”の外側で生き抜いていた… 「大河ドラマの風格」×「常識が通用しない世界」で誕生した衝撃の一作

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物語の中心となるのは、松本利夫(EXILE)が持ち前の存在感で体現した不屈の男・井藤正治。ここでは、昭和をひたすら真っ直ぐに生きた井藤の歩み、彼の立身出世を後押しした“ヤクザ流の処世術”を紹介しよう。


■舞台は激しく変転し続けた昭和!独立独歩の無頼漢が、命懸けの裏社会を駆け抜ける

1956年の夏。ここから主人公・井藤正治の物語は始まった。辛酸をなめた極貧生活、母の顔も知らず、甲斐性なしの父は呆気なく死んだ。

「俺にはもう、世間なんてない」。不良街道一直線である。そんな当て所ない井藤が足を踏み入れたのは、切った張ったのヤクザ道。暴走族あがり、ツッパリ、落ちこぼれ、全共闘くずれが集う組という“家族”を作り、裏社会を駆け上がっていく。

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井藤の歩みとともに描写される実在の事件&社会風俗は、昭和という時代の写し鏡だ。この“もうひとりの主人公”とも言える昭和の変遷が、物語と絡み合い、本作に「ゴッドファーザー」「アイリッシュマン」のような大河ドラマとしての風格を備えさせた。

栄枯盛衰は世の習い――時の流れとともに変調していくヤクザ者たちの生きざまが、とことん生々しい。

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■糞尿バラ撒き、ユンボ突撃、逮捕も臆さぬ報復――頂点への道を阻む者に容赦なし

井藤が目指すのは、富士山の頂上のように高い“ヤクザ界の頂点”。その行く手を遮る者には、一切容赦はしない。

亡き祖父の恩義を無下にして、融資を渋った銀行にはバキュームカーで襲来。汚物をたっぷりとお見舞いする光景は、まさに地獄絵図だ。

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仕事を邪魔する政治ゴロを見つければ、ユンボでアジトに突撃し、徹底的に“お仕置き”。懇意の組長が対立組織に暗殺されたと知れば、井藤組は「渡世の掟」を貫く。

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ピストル&ダイナマイトを携えると、警察のバリケードも突破し、ターゲットの邸宅へめがけてダンプで突っ込む。彼らに世間の常識は通用しない。

命がいくらあっても足りない世界では、躊躇や戸惑いはご法度だ。「これがスクリーンの中の出来事で良かった……」と胸を撫でおろすほど“危うい場面”のつるべ打ちとなっている。


【予告編】 正義を語るな。無頼を生きろ。 寄る辺なき者たちの群像劇

アウトサイダーを描き続けてきた井筒和幸監督の“集大成”! 400人の出演者、ハードすぎる長期撮影…入魂のクオリティに酔いしれる!

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井筒組の作品づくりは、気合の入り方が段違い! 井筒監督のブレないスタイル、“本物”を求めて芝居に打ち込んだ俳優陣、数々の困難にもめげなかったスタッフ陣――製作の裏話から“作り手たち”の飽くなき探求心が伝わってくるはず!


■「ガキ帝国」「岸和田少年愚連隊」「ヒーローショー」 井筒作品に貫かれた“魂”

出世作「ガキ帝国」では少年院上がりの不良たち、「岸和田少年愚連隊」では格差教育の落ちこぼれの不良少年、「パッチギ!」は在日朝鮮人の高校生、「ヒーローショー」では平成の“失われた世代”のはぐれ者たち。

井筒監督が掲げた共通点は「社会から無用とされ、貧困と差別、汚辱と暴力で抗ってきた『寄る辺なき者たち』」というもの。その“魂”は「無頼」にも継承された。本作では、現代の若者に対し、抑圧に屈しない井藤らの姿を通じて「寄る辺なきこの世界を生き抜け」というメッセージを放っている。

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■3000人以上がオーディションに参加! 配役の決め手はリアリティに繋がる“顔”だった

松本のほか、柳ゆり菜、中村達也、ラサール石井、小木茂光、升毅、木下ほうかといった実力派に加え、約400人の俳優陣をオーディションで選出。

選考基準となったのは、役のイメージを反映した“俳優の顔”。演技面に多少の不安があろうとも、リアリティが重視されたのだ。

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撮影現場でも、その信念を曲げず、徹底的にリアリズムを追求していく井筒監督。厳しいオーディションを勝ち抜いた俳優たちの芝居にも、安易にOKを出さない。

念入りに演技指導を行う様子は、まるで学校の職員室に呼ばれた生徒が、教師に怒られているかのような光景だった。

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■コンプライアンスの壁、ロケセットの破壊――苦難続きの撮影は、一切妥協せず!

各時代を象徴した衣装や髪型、美術チームによる風景への“色付け”、当時の高級車を登場させるなど、映像の厚みが増した意匠は数知れず。一方で、映画の題材が「コンプライアンス上、問題がある」という理由で撮影を断られたことも。

重機を操縦するスタッフがカメラテストの段階でテンションが振り切れ、ロケセットを破壊するというトラブルにも見舞われた。しかし井筒組の士気は下がらない。

全国各地を飛び回り、最終的にはカンボジアへ。網走での撮入から1年。多大な労力をかけ“最上の画”を求め続けたのだ。

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ケネディ暗殺、ロッキード事件、リクルート事件、そして暴対法施行へ… 世間を揺るがす事件の裏で、“無頼の男たち”はどのように生き抜いたのか?

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劇中に度々挿入されるのが、本当にあった昭和の出来事。この要素が“リアリティ”を格段にアップさせているのだ。井藤組が目撃し、時には大きな影響を与えていた事例を抜粋したので、チェックしてみてほしい。


■ケネディ大統領暗殺、東京オリンピックの裏側で決意「ヤクザで所得倍増だ!」

第35代米国大統領ジョン・F・ケネディがパレード中に銃撃され死亡した63年、当時21歳の井藤は、ある転機を迎えていた。兄貴分のヤクザにそそのかされ、町の地回りを襲撃したのだ。

しかし計画はあえなく失敗。刑務所で迎えた64年は、日本中が東京オリンピックの金メダルラッシュに沸き、高度経済成長が加速していた頃だ。出所した井藤は“貧乏こそ敵”だった人生に別れを告げるように、ヤクザの道を突き進む。

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■田中角栄元首相逮捕に世間が騒然するなか、武闘派・井藤組は内部抗争に直面!

米国の航空機製造大手の受注を巡り、賄賂罪、外為法違反の疑いで内閣総理大臣・田中角栄が逮捕された。64年、世間を賑わせた「ロッキード事件」である。

「トラ対ライオン」という風変わりな興行に着手していた井藤組も、この事件には注目。だが、それ以上に、ある危機に神経を尖らせていた。それは親分筋に当たる川野組組長と橘組組長の不仲。

井藤は内部抗争を避けるべく策を練るのだが、急転直下の事態に直面する。

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■日本最大級の新興宗教団体と癒着! 未公開株を巡る“儲け話”にニヤリ

次第に大所帯となっていく井藤組。金を稼ぐために近づいたのは、怪しげな新興宗教団体「大日教団」だ。霊園開発の用地買収をサポートし、組としての“力”を獲得していく。

そんな井藤組のもとには、霞ヶ関の政治家が資金の用立てに来ることも。政治家は「リクルートコスモス社の株がもうすぐ店頭公開。あれは“確実”」と不敵な笑み。

このやり取りは、未公開株が賄賂として譲渡された88年の「リクルート事件」を連想させる。

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■昭和の終焉――社会での居場所を奪った暴対法「ヤクザは生きるなってことだろ」

バブル経済が崩壊した後、井藤は不動産金融や証券会社を配下にし、色褪せた時代を乗り切ろうとしていた。だが、ヤクザたちの活動を規制する暴対法が91年に施行。

食えなくなって自殺――そんな虚しい“最期”を耳にすることが多くなった。「ヤクザは生きるなってことだろ。生まれた時から引きずっている境遇があんのにな」と“男を売って生きる時代”の終焉を悟り、井藤が下した決断とは……。

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