「原作ファンからすると…」とんかつDJアゲ太郎 YUYANさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンからすると…
原作ファンです。
原作で好きだった点は以下の要素
①ディフォルメされた独特な絵柄ながら、意外とリアルにDJプレイや渋谷のクラブカルチャーをあげ太郎と一緒に学べる教則的な側面で楽しめる。
②悪い人は出てこない&ストーリーもいい意味で王道でなく、話がサクサク進んでいく勢いのよさ。
③そしてなにより、とんかつ屋とDJという、一見繋がりなさそうな要素を、勢いとパワーでシンクロさせていき、それらが相乗効果となりあげ太郎が2足のわらじを履く仕事人として成長していく。
そん好きだった要素が、今回の映画ではどれもうすーーくうすーーーくされ、無難な王道音楽映画のプロットに落としこまれてしまったなぁという印象でした…
特に気になったのが、原作ではオイリーさんの三日間のDJ特訓で、DJにとってどんなテクニックが必要なのか(カットインやスクラッチ)主人公も読者も知るのですが、本作では謎のDJ KOOの動画を見せられ、あとはあげ太郎の家にある教則本…
ディグやチルアウト回も大事だと思うんだけどなぁ。原作で最初にクラブのあれこれを教えてくれる忍堀さん的な人必要だったのでは?
挫折してからのラスト音楽カッコイイでしょ感&家族の物語なんてどこにでもありそうな映画。大衆向けにするのはいいけど、もっと原作ならではのテーマを出して欲しかった。
と、原作と比べると否定的な面はありましたが、ラストの音楽シーンや、劇中歌ジューシー&クリスピーなどは正直アガってしまい、楽しい音楽映画として観れますよ!!