ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へのレビュー・感想・評価
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たおれても起き上がって歩き続けること
たくさんのメッセージをもらえた映画だった。
環境問題は、政治問題であること。
人のつきることのない欲望が、人を支配してしまっているのではないか、ということ。
ここに向き合わなければ、国の利害関係を超えた気候変動の解決はありえないと思った。
獄中生活で自分と対話をしたことが、今の自分の役にたっている、ということばが印象的だった。
日本を訪れたあと、日本人がある時点から西欧化し、古くからある独自のなにかを置いてきてしまったのではないか、と言われて、わたしたちは何を失ったのか、わたしはそもそも日本について何を知っているのか、考えてみたいと思った。
【"人は幸せになるために生まれて来る。転んでも、起き上がり、前へ歩め!" 現代日本を今後担って行く若い方に、特に観て頂きたいと思った作品。】
-国連でのスピーチで消費主義社会を強烈に批判した事で注目され、ノーベル平和賞にもノミネートされた”世界で一番貧しい大統領”だった、ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領。
齢、80歳を越えても、頭脳明晰、該博な知識と過去の左翼ゲリラ時代の苛烈な体験から発する、強烈だが、心に沁みる言葉の数々。
"本当に貧しいのは、"もっともっと"と求める心・・"を始めとして・・。-
■印象的なシーン
・左翼ゲリラ時代、当時の軍事政権により、妻ルシアとともに12年もの長き間、獄中に捕らわれていた彼を狂気から守った"モノ"。
-だが、それ故に、ムヒカ夫婦は子供を持てなかった。
最後半に語られる、貧しい子供達のために学校を作る理由。
それを聞いて涙を堪えるルシアの表情。
若き頃、国を想っての激しい行動を取ったための代償は大きい。
だが、だからこそ、彼の”血が繋がっていなくても、家族を愛しなさい・・”と言う言葉には説得力がある・・。-
・現代日本に来た際の、街の欧米人モデルの広告を観た際の言葉。
-何で、美しい日本人女性が沢山いるのに・・-
・人形の案内ロボットを見る複雑な表情
-日本人は、技術力向上と共に、大切なモノを忘れつつある・・-
・龍安寺の石庭の蹲に書かれた文字の意味を説明されて、
-"ソクラテス"のようだね。-
・広島の平和記念館のノートに記した言葉
-優れた技術でも、使い方を誤ると大変な悪になる・・・-
・特に、東京外国語大学の学生達へのスピーチのシーンは圧巻である。
”自分が出来る事をすれば、君が幸せになり、周囲も幸せになる・・”
-このシーンは、特にお若い方に見て欲しいと思った。-
<ムヒカさんのスピーチを、食い入るように、真剣に聞いている多くの若者達の姿。
涙を流していた女子学生の横顔を見て、"日本の若者はまだまだ大丈夫だ!きっと日本の将来も・・"
と仄かな希望を抱いた作品でもある。>
■蛇足
・今作を鑑賞した方は、殆ど観られているとは思うが、一応記載する。
エミール・クストリッツァ監督のドキュメンタリー映画(早く、新作出してくれい!)
「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」
も、併せて鑑賞されると、より”ホセ・ムヒカの思想”が読み取れるのでは・・
と私は思います。
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