「アイドルとファンの対比が見事」あの頃。 マルホランドさんの映画レビュー(感想・評価)
アイドルとファンの対比が見事
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2004年という時代設定があり、当時のことは忘れかけていたが劇中の小道具を見るとその当時の空気を匂わせてくる。それでいて今とはかけ離れたまだアングラ状態の世界を肌で感じられる作りでいろいろと細かい。今でこそ握手会なんてものは当たり前にあって、地方に来てくれたりわざわざ東京にまで出なくてもいい時代である。
しかし2004年当時を考えてみるとアイドルに会うためには大都会に出なければならないし、握手会は厳正な抽選を経て得られるビッグイベントだったということを考えると当時の彼らのようながむしゃらに女の子を追いかけるという必死さがどこか物足りなくなってる気がする。
映画を見ていてなんだか懐かしくなったなあ。
そしてモー娘。からの一人のアイドルの卒業までを描いているのかと思いきやそのグループを追いかけたとあるファンの人生からの卒業も同時に描いている。コズミンはとても嫌な奴だけど、そんな彼がグループの中で一番オタクをしていたように見える。死ぬ時までアニメグッズに囲まれるとかある意味では理想の死に方かもしれない。
一方ではアイドルの卒業ライブ、一方ではコズミンのお別れ会。それを対比して見せてたのが面白かった。
何かに熱中するっていいよなあ。
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