「【”独りになって寂しくても、キチンと生きているかい?” 老いの孤独感をコメディ要素を絶妙に絡ませて描いた作品。】」おらおらでひとりいぐも NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”独りになって寂しくても、キチンと生きているかい?” 老いの孤独感をコメディ要素を絶妙に絡ませて描いた作品。】
■劇中、3年前に夫、周三(東出昌大)を亡くした、老いた桃子さん(田中裕子)は放心したような表情で呟く。
”新しい女として生きるはずが、・・・”
-いやいや、そんなことはないよ、桃子さん。夫の最後を看取り、二人の子を育て上げたではないですか・・。娘さんは”時折お金をせびるも”可愛いお孫さんを連れてくるではないですか・・、たまにだけれど・・。
(愛した一人息子は大学入学後、連絡が途絶えてしまい・・。そして、そのために、桃子さんは250万円を騙し取られてしまったのであるが・・。)ー
◆印象的なシーンもしくはキャラクター
1.桃子さんの周りに現れる、”寂しさ1.2.3”(濱田岳、青木官九郎、青木崇高)の面白さ。ババ臭い色の貫頭衣みたいな服の上に、桃子さんと同じ色の毛糸のカーディガンを羽織っている。
口癖は”おらだば、おめだ・・”
桃子さんの寂しさを癒すがごとき現れる”桃子さんにしか見えないらしい”変なトリオ。絶妙にオカシイ。桃子さんの脳内の感情を可視化した沖田監督、上手いなあ。
寂しさ達は腰を痛めた桃子さんの病院の待合室にも表れるが、1と2は”無駄に”むち打ちになっていたり、眼帯をしていたりする・・。可笑しい。
2.桃子さんが、朝起きる時に布団の上に覆いかぶさっている”どうせ”(六角精児)もオモシロイ。口癖は”どうせ、今日も何も起こらないから寝ていなよ・・”である。
3.桃子さんが通う町医者(山中崇)の、さんざん、待合室で患者を待たせておいてからの”暫く様子を見てみましょう・・”で診察終了の”3秒診察”のシーン。
-沖田監督の、シニカルさが小さく炸裂している・・-
4.桃子さんの妄想シーン。予約席に置かれた周三の遺影。
”周三の死は、オラへの計らい・・”と言う言葉。
けれど、未練たっぷりに周三への想いを歌いあげる桃子さん。(田中裕子さん、歌、上手いなあ・・)
-良いシーンである。ついでに言えば、東出昌大さんの遺影の写真が ”あ、この人、絶対におじいさんになったら、こうなるなあ・・” と思ってしまった程、絶妙に良い。
東出さんへの”お仕置きかな?”-
5.若き桃子さん(蒼井優)が、1964年に、見合いから逃げ出して岩手から東京に出てくるシーン。そして、三番目の勤め先の食堂で出会った岩手出身の周三に惚れていくシーン。
-こういう方々が多かったのだろうなあ、高度成長期には・・。この方々のお陰で今の日本があるのである。-
6.秋が深まる郊外の林の中、50年の時空を超えて、若き桃子さんと現在の桃子さんが想いを語るシーンと、幼き桃子さんと現在の桃子さんのシーン。桃子さんの足に残るケロイド状の火傷の理由が分かる。
-50年以上だもんなあ・・。イロイロあったよなあ・・。-
7.桃子さんの絶滅した古代生物への執着シーンの数々。
-成程なあ・・。類人猿に戻った町医者の”生きて、死んで、生きて、死んで・・”。冒頭のシーンをこう繋げたのか・・。-
<人はいつか一人になり、死を迎える・・・。
けれど、その時まではキチンと生きようと、今更ながらに思った作品である。
映像作家、沖田修一の手腕が随所で光る作品でもある。
「ハナレグミ」が歌う、沖田監督作詞の”賑やかな日々”も良い。>
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■蛇足
・劇中、老年の桃子さんに車を売るディーラー(岡山天音)の決め台詞
”遠くの子供より、近くのホ〇ダ!”
ディーラーの数だったら、〇ヨ〇の方が多いぞ!
しかも、桃子さん、ダ〇〇ツの車からホ〇ダに乗り換えではないか!
今度、懇意にしている〇ヨ〇のディーラーさんに使って見たら? と言って見よう・・。 (すいません・・。)
共感ありがとうございます。
主役の田中裕子の演技、佇まいがGoodでした。
老後の孤独に主人公らしいやり方で自然体で向き合っていました。
では、また共感作で。
ー以上ー
失礼します。私の母の田舎(宮城県北部)では、家に誘う時、「おらいさござい?」(私の家にいらっしゃいよ)という言い方をします。少し意味が違いますけれど。
東北は交通の便が悪かったからなのか、地域ごとに少しずつ違ってきますね。
NOBUさんへ
いつもお褒めの言葉、ありがとうございます!
最近、手抜き感想文で楽してるbloodです。本文で手を抜くために、タイトルだけに賭けてますw
アノマロカリスは是非検索してみて下さい下さい!桃子さんのイラストのアノマロカリスは可愛すぎますw
日高桃子さんの自宅のある所沢は、一時期宮崎駿監督が住んでいてトトロの森があるということで一部の方には有名ですが、ホンダの狭山工場(できた当時は最新式の近代的な工場と騒がれた記憶があります。今も稼働しているかは分かりませんが)も近くにあったので、企業城下町的な配慮なのだと思います。
おはようございます。
いさぐ?は、
僕の田舎では、えさぐ?です。
おしょすなあ、は、
しょしな
です。
いしごぐ、は、
僕も知りません。
😁
方言の本で、昔、探偵ナイトスクープのスタッフが出した、
「全国バカアホ分布考」というのが文庫であります。