劇場公開日 2022年12月2日

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「ロック様降臨!」ブラックアダム おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ロック様降臨!

2022年12月7日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

1年ぶりのDC新作、しかもロック様を主演に迎えるということで期待していた本作。アメコミに疎い自分でも楽しめる、期待を裏切らないおもしろい作品でした。

ストーリーは、5000年前にカーンダック国で封印された破壊神テス・アダムが現代に復活し、ヒーローチームJSAとの確執を経て、カーンダック国王の末裔が悪魔の力を手に入れて変身したサバックを倒すというもの。序盤こそ語りによる説明が多かったですが、以降は迫力の映像でぐいぐい引っ張ってくれます。

本作は新アンチヒーロー・ブラックアダムのお披露目作品なのですが、その誕生から現代に復活する経緯をわかりやすく、テンポよく描いてくれたのは好印象です。加えて、後半で明かされる、息子にまつわる秘密がよかったです。前半での彼の言動が伏線となり、アドリアナ親子に関わっていく理由がわかった気がしました。破壊神でありながらDCヒーローとしてどのように描かれるのかと思っていましたが、まさかこんな展開になるとは思ってもみませんでした。

ただ、そこからJSAとの共闘がいささか性急な感じがしました。そもそもアメコミに疎くて他のヒーローはまったく知らなかったので、そう感じただけかもしれません。当然のように登場してきたホークマン、フェイト、サイクロン、アトム・スマッシャーは、有名キャラなのでしょうか。彼らが所属するJSAとはどういう組織なのでしょうか。これらを知っているかたなら、このあたりの展開も楽しめたのかもしれませんが、自分にはモブヒーローのように映ってしまいました。ドクターストレンジを彷彿させるフェイトのラストバトルなんかはけっこう熱かっただけに、各ヒーローをもう少し掘り下げてくれれば、もっと感情移入できたのではないかと思います。

ウリのアクションシーンは、これでもかの大迫力で言うことはありません。例によって気持ちいいほどのぶっ壊しまくりです。アダムに備わる能力はまだまだ未知数な感じが漂い、エタニウムが弱点ぽいのも興味深かったです。これはスーパーマンにとってのクリプトナイトみたいなものでしょうか。であるならば、これをうまく活用してブラックアダムをもっと追い詰める展開があってもよかったように思いますが、それは次作にとっておいたのかもしれません。ラストの映像から予感させるこの先の展開も興味をそそります。

主演はドウェイン・ジョンソンで、彼の醸す雰囲気がブラックアダムにぴったりでした。JSAヒーローに、オルディス・ホッジ、ノア・センティネオ、クインテッサ・スウィンデル、ピアース・ブロスナンらが顔を並べています。

おじゃる