「敵キャラの弱さが致命的ながら、戦争ではなく選挙を描くところが「今」にマッチ」ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
敵キャラの弱さが致命的ながら、戦争ではなく選挙を描くところが「今」にマッチ
魔法界の危機を描くものの、今一つ盛り上がりに欠けるのは、グリンデルバルドが最強・最悪の魔法使いには見えないためか?少なくとも、ハリー・ポッター・シリーズのヴォルデモートに比べて、キャラにインパクトがないのは明らかだろう。
前作の最後で、魔法界を二分するような抗争が始まるのかと思ったが、グリンデルバルドは、選挙で勝てるほどの支持は得られておらず、キリンを使ったズルによって、自らそのことを認めてしまっているのである。戦争ではなく選挙を描いたところは、特に今の御時世では好ましいと思えるものの、映画的には、見せ場の乏しい「ショボい」内容になってしまった感が否めない。
マッツ・ミケルセンのグリンデルバルドは、ルックスでは怖さを増してはいるが、ダンブルドアとの過去の因縁を考えれば、ジョニー・デップの方がロマンチックな話になったのではないかと考えざるを得ない。そうであれば、グリンデルバルドも、ヴォルデモートとは違う形でキャラ立ちしたかもしれないと、少し残念に思うのである。