「もっと感情の抑揚が欲しかった」ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 イーグルさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと感情の抑揚が欲しかった
まず全体の感想として、キャラクター同士の会話が前作に比べてかなり減った印象でした。
事態が事態だから世間話をする暇も無いかもしれないけど、メインキャラが終始グリンデルバルドを考えながら眉間に皺を寄せて闘うのは観てるこっちが面白くない。
せっかくホグワーツの場面が増えてるんだからジェイコブが「魔法学校を見学したい」と言ってニュートが渋々案内するぐらいの休みがあってもよかった気がする。
クィディッチのボールやスニッチ、「怪物的な怪物の本」の登場は嬉しかった。
次にどう繋がるのかわからないけど、そろそろメインキャラに子役か"ホグワーツを卒業したての闇祓い"の若者を入れてもいい。
大人ばっかりだから淡白に感じます。あと真顔が多い。
息遣いと雰囲気でストーリーを進めず、わざとらしい説明口調で魔法や動物の解説をしてほしい。
そもそも呪文の名前を全く言わなかった気がする。下手したら「アクシオ」、「インセンディオ」、「クルーシオ」しかなかったかも。
以下はキャラ別に感想を。
・ニュートスキャマンダー
新しい魔法動物の登場や“キリン"を守るために戦う場面があってハラハラしました。ピケットやニフラーの活躍も増えて魔法動物の面白さを改めて観れた。
でもそれだけだった印象です。そもそも今作は愛しのティナの出番が全く無かったし、ダンブルドアに嫌々付き合わされてた前作と違って妙に積極的に動いてた気がする。キリンの事もあったからか?
サソリの魔法動物の舞いは見てて面白かったけど、予告を見た限りは"洞窟を探索中に危険な魔法動物に遭遇したから舞っている"のかと思ってた。見張りがデブのおじさん1人の裏刑務所て…。
・ジェイコブ コワルスキー
変わらずムードメーカーをしてくれるのかと思ってた。でもニュートとの会話もほとんど無く、ずっとクイニーのことばっかりだった今作でした。
1、2の頃みたいに「なんだあの魔法動物は!?」て叫びながらリアクションしてたのが懐かしい。
クイニーを取り返して結婚したのは喜ばしいけど、魔法使わないんじゃ杖を持った意味ないじゃん。
・テセウス スキャマンダー
真顔ばかりで見せ場が無い。ダンブルドア兄弟を眺めながらニュートと昔話でもしてほしかった。
・アルバス ダンブルドア
あの謎空間は何?周囲に魔法の影響を与えない魔法なのか。クリーデンスの時と、終盤のグリンデルバルドの決闘の時に出たけどハリポタ世界の魔法には似合わない。
ドクターストレンジのミラーディメンションじゃあるまいし。
・アバーフォース
妻か他の子供かの存在をほのめかして欲しい。突然「クリーデンスはお前の息子だ」告げられてもテコ入れに感じる。壁に家族写真の一枚でも置けばいいのに。
それかブラック家の壁紙の家系図みたいな説明をしながら「俺にはもう一人子供がいたんだ…」ぐらいの伏線を張ってたらもっと盛り上がってたと思う。
・クリーデンス
なぜが死にかけとるし。
アルバス家の末っ子にしては歳が離れてると思ってたけど、アバーフォースの子供と言われてもピンとこない。街中を歩いてるダンブルドア兄弟を襲撃して戦ってる時に、アバーフォースと"杖が繋がる"とかして自分の出生を知ってもよかったのに、鏡の文字でブツブツやりとりしてただけとは。
それとして俳優さんがやらかしたみたいだから、次回は墓の中かも。
・グリンデルバルド
政治要素が絡んだら途端に弱体化したなこの人。
まず最初のお茶会でアルバスから「また顔を変えたのか?」と言われ「指導者は様々な顔を使いわけるものだ」みたいなメタ的な会話を挟んでもよかったと思う。ジョニーデップの降板を知らない人のために。
そして今作やったことが
・キリン奪って殺す
・クリーデンス脅す
・集会で胴上げされかける
・ユスフ カーマからリタの記憶を奪う(でも裏切られる)
・クイニーに裏切られる(やっぱり)
・キリンをゾンビにして動かす
・クリーデンスに裏切られる
…なんじゃこりゃ。前作のラストの集会演説みたいな自分の思想を話す場面を今作にも入れて欲しかった。俳優も変わってしまったし。
こんな男を崇拝する魔法使いたちの心情を知りたい。1人くらい「グリンデルバルドが魔法界を導くんだ!!」と叫びながらニュート達に特攻するとか。
そもそも未来を知って死骸に頭を下げさせる作戦でいいのかよ。ヴォルデモートのほうがまだ魅力のある悪役やってたぞ。
未来を知られてるせいか主人公たちが後手後手に回るのは仕方ないにしても、スッキリしないオチでした。
せっかく血の契約を破棄したんだから謎空間じゃなくて街中をビュンビュン飛びながらバチバチする戦闘を観たかった。
↓ご自由に今作の感想や愚痴を書き込んでください。
キャラクター同士の会話が前作に比べてかなり減った印象でした。というのは的を得ているなとおもいました。あと、折角ホグワーツのシーンがあるんだからもっとジェイコブのワクワクシーンを足してほしかった印象はありますよね!一泊してる設定だしそれくらいは入れても良かったような…
ただ、何点か気になることがあったので以下に書かせていただきます。
・呪文に関しては熟練者は無言であるというような前提が原作でも言われていたのでそこは忠実だったかなと思います。
恐らく強力な難易度の高い呪文または強く作用して欲しい時だけ呪文を発するのが熟練者であることを示しているのではないかと思います。ハリポタでも大人は映画でも原作でも割と戦ってるときは呪文唱えてないんですよ。
・ジェイコブが魔法使わないんじゃ杖を持った意味ないじゃん。とのことでしたが、魔法使えちゃうとそれはもう魔法使いなんですよ…。
芯が入ってないのであれはあくまで魔法界に潜入して何かあったときに杖持ってないってなると不味すぎるから、マグルであることを誤魔化すためのものだったのだと思います。
子供でも知っているような木を使っていたのもその証拠かと。
・アバーフォースは妻か他の子供もいないはずなのでそれこそどんどん足していくのはどうかなという感じがします。確かに突然子供って言われてもなって印象はありますが、もっと弟を気にかけていれば〜っていうのを強調するためにも匂わせとかがなかったのかもしれないですね。
・クリーデンスが死にかけてるのはオブスキュラスに蝕まれているからだと思います。
それは1作目から言われていますが基本オブスキュラスを生むものは身体が持たず、10歳くらいで死んでしまうのでクリーデンスはダンブルドアの家系なので自身の力が強くたまたま生き残れていたに過ぎません。
・"杖が繋がる"に関しては兄弟杖でないとその現象は起きないのでやってしまうとハリポタの設定を覆してしまうので不可能かと思われます。
長文失礼いたしました。どうしても気になってしまったので…ただ、他の部分については同意できる点が非常に多かったです。
ファンタスティックビーストというタイトルなのにダンブルドアメインにうつってる感じが否めず、もっと動物出してほしいなって思っちゃいますよね。別シリーズで出してリンクさせても良かったのではという気もします。
おはようございます。
レビュー全体が、凄く、参考になりましたし、
”まず最初のお茶会でアルバスから「また顔を変えたのか?」と言われ「指導者は様々な顔を使いわけるものだ」みたいなメタ的な会話を挟んでもよかったと思う。”は的確かつ、オモシロイ発想ですね。
いづれにしても、ファンタスティック・ビースト愛溢れるレビューだなあ、と思いながら拝読させて頂きました。
では、又。これからも宜しくお願いいたします。