エルヴィスのレビュー・感想・評価
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歌唱力
10回
計10回、鑑賞。
広島で9回、上京ついでの渋谷で1回。
こんなに一作の映画に嵌った事は今まで無い。
エルヴィス・プレスリー、ただちょこっと太っていて、アメリカの人気歌手。
そんなイメージだけの人だったが、この映画でその印象は一変した。
10回観る間、CSでプレスリー関係の番組をほぼ録画視聴した。
それでも観る度々、見逃した処はないかとまた観たくなる。
オースティン・バトラーの快演も素晴らしい。
IF I CAN DREAM (明日への願い)の場面は何度観ても鳥肌が立つ。
配信が始まり、BR&DVD発売も決定して購入予約済だが、もう1回劇場に観にいこうかなぁと云うよりまた観たい。
9/15まで広島の八丁座で公開している。
きっと行くでしょう。
バズ・ラーマン監督、ありがとう。
杜撰なマーケティング
エルヴィスプレスリーは適切なマーケティングがなされただろうか。
団塊ジュニア世代のわたしが捉えたエルヴィスプレスリーとは、マツケンサンバをうたう松平健のようなもんだった。
大人になり、さかのぼって聴くことでエルヴィスプレスリーの深い音楽性を知ったが、もし興味をもってエルヴィスプレスリーを聴かなければ、もみあげでちょっとポテ腹、金持ちの有閑マダム相手のベガスのショーマン──それがプレスリーだった。
極東のじぶんには、ひたすらそんなつまんないプレスリーしか伝わってこなかった。
洋楽厨だったのでビートルズはさんざん探求した。それに比べてプレスリーのマーケティングのヒドさったらなかった。音楽性じゃなくてキワモノの外装ばかりがマーチャンダイジングされ、まったく聴く気になれなかった。じぶんはビートルズのアルバムタイトルを幾つもあげられるのにプレスリーのアルバムタイトルをひとつも知らない。だいたいわたしにとってエルヴィスといえばコステロのことだった。
とうぜん、本作にも描かれているとおり、ほんとのエルヴィスプレスリーはちがう。
黒人音楽をルーツに持ち、ブルースやR&Bを、白人音楽であるカントリー&ウェスタンへ橋渡しした。(かれの存在自体が公民権運動になりえていた。)
ディランやレノンやマッカートニー、多数のロック・ポップミュージシャンの憧れの存在であり、プレイヤーであれノンプレイヤーであれ歌唱やステージアクトに地球上の厖大な数の人々が影響をうけた。
しかしパッケージされたプレスリーは安っぽいショービジネスの象徴だった。
つまり、安っぽい映画の連発とサーカス巡業みたいな商魂とみずからの強欲で、ひたすらプレスリーを貶めたのがトム・パーカー大佐だった。
むろんエルヴィスプレスリー自身がパーカー大佐に強依存し、寛恕してしまうことになるプロセスも映画には描かれている。
が、客観的にみて、さんざんむしり取られて疲弊して死んだ孤独なヒーロー、それがエルヴィスプレスリーだった。
ボヘミアンラプソディのときクイーンを“懐かしい”とのたまうにわかの古参がわいた。
Elvisがそうならなかったのはエルヴィスプレスリーの周囲には音楽愛好家が集まらなかったからだ。
『映画『ミステリー・トレイン』(ジム・ジャームッシュ)プレスリーのゆかりの地としてメンフィスを訪れる若い日本人観光客のカップルのエピソードが含まれている。女の子のミツコはプレスリーに心酔している。プレスリーの亡霊が登場したり、ラジオからプレスリーの曲が流れたりもする。』
(ウィキペディア「エルヴィス・プレスリー」より)
おそらくエルヴィスのファンは1989年の映画ミステリートレインに出てくる永瀬正敏と工藤夕貴のような人たちorヨン様をもとめて韓国旅行へ行く主婦層のような人たち──だった。
エルヴィスの“音楽”がしっかり人々に認識されるようになったのは後年YouTubeなどが一般化してからだ。
ましてやエルヴィスの悲劇的な生涯が広く認知されるようになったのは映画Elvisが公開されてからだ。
けっきょくBaz LuhrmannのElvisは搾取されて夭逝する天才の映画だった。
気の毒だったし(映画中プレスリーはとても日本に来たがっていたので)とても残念だった。
『プレスリーは世界的なスーパースターとなったが、終生アメリカ、カナダ以外でコンサートを行っていない。海外での公演ができなかった理由は、移民であるパーカー大佐がアメリカの永住権を所持しておらず、カナダを例外としてアメリカ国外へいったん出国すると再入国を許されない事態を恐れた為だったと言われている。』
(ウィキペディア「エルヴィス・プレスリー」より)
──
Austin Butlerがプレスリーの伏し目がちとなまりのようなクセのような聞き取りにくい英語を再現している。キャリアも長く涼しげな美男子なのに知らない俳優だった。
垂れ鼻と豊頬メイクを施された大佐はトムハンクスにとって得意とする役どころだったにちがいない。
どっと疲れるくらいに激動の叙事だった。
ネット上に元妻プリシラと娘リサマリーと孫ライリーキーオとバトラーとハンクスがおさまったプレミアでの写真がある。見てなんとなくほっとした。
役作りに感服
ラーマン監督が描くショウビズ界の光と影。
(映画.comさんのID統合?とやらが上手くいかず、レビューがPCから出来ない状況でした。
まだ上手く統合できたのかどうか不安ですが)
“エルヴィス”というより“プレスリー”とかつて日本では呼ばれていたキング・オブ・ロックンロールの人生を描いている今作ですが、冒頭から一瞬にしてバズ・ラーマン監督作と分かる独特の映像!きらびやかで目まぐるしく飛び回るカメラワークに圧倒されてしまいますが、そのギラギラ感が見事にエルヴィスの生きた時代とマッチしていました。
ラーマン監督が普通に伝記映画を撮るわけはなく、悪名高きパーカー大佐の視点からミステリー仕立てに綴られています。
エルヴィスを見出したプロデューサーでありマネージャーでもあったパーカーの搾取に苦しめられながらも彼とは縁を切ることが出来ず、いわば表裏一体の二人。パーカーがいなければもしかしたらエルヴィスはスターになっていなかったのかもしれません。トム・ハンクスの怪演があの時代のショウビズ界の深い闇を鋭くえぐりだしていましたね。
そしてエルヴィス役のオースティン・バトラーは文句無しのパフォーマンス!歌も動きも、もちろん色気も期待以上のものを見せてくれて素晴らしかったです。
初めてのラスベガスのステージシーンは本当に鳥肌モノでした。
トム・ハンクスの接待作品
名曲揃い。しかし駆け足でショートカット(画面を分割したり)してしまい、ちょっと画面がやかましい。
まぁ制作陣が見せたいのはソコではないのだなと。
(ただのPVになってしまうしな)
じゃ、もっと家庭の事を描くのかなと思ったら、マネージャーのパーカ大佐との対立がメインであった。
トム・ハンクスの悪役ぶりが際立っているが、この作品において彼にキャリア・役柄ともにタイマン張れるヤツはいない。
エルヴィス役のオースティンにはこのオッサンを喰ってしまうくらいのキャラ設定でいってほしかったが…
とはいえ最初の青年時の演技こそ微妙だったものの、その後だんだん板についてきたのは賞賛に値する。ラストのアンチェインドメロディを歌う本人映像と遜色なかった。
史実として、
環境的には、過多に組んだツアーの数。エルヴィスを孤立させ、スタッフは薬物でドーピング。
内面的には、離婚後の孤独な心のストレスを過食症食で埋め、高カロリー肥満による心臓の負担は増大していく。
これら要因が重なり、結果、処方薬の誤用による不整脈が原因で亡くなった。
一方、大佐の方はそこから20年ものうのうと生き延び、搾取した金でギャンブル三昧贅沢に暮らしましたとさ。(その後の裁判で負け、エルヴィスに関する権利をすべて剥奪されたが)
悪名が轟いているが、ショウビズ会においては才能があったのだろう。(意外なことに元妻初め遺族は彼を悪く言っていない)
このくそジジイがちゃちゃを入れなければ来日が実現していたかもしれないと思うと口惜しい。
「胸さわぎの腰つき」ペルヴィス・プレスリーよ永遠に。
スーパースターの表と裏
世界的なスーパースター、たエルヴィス・プレスリー。
楽曲だけでなく、彼のパフォーマンスがどれだけ唯一無二のものであったか、時代や音楽を変えてきたか、そのルーツがどこにあったのかなど、スクリーンを通して初めて知るプレスリーの物語を堪能できました。
とにかくオースティン・バトラーのパフォーマンスが凄い!プレスリーを体現し、物凄いクオリティのショーで魅せてくれます。
悪徳マネージャーのパーカー大佐を演じたトム・ハンクスも貫禄の演技。いつものいい人感は無く、胡散臭さたっぷり。でもどこか親しみや魅力を感じて信じてしまいたくなる感じもあり、さすが。
ド派手なショーや独特の衣装、当時の情勢など、細かなところまで作り込まれた作品。
すごかった!!
ちょっと物悲しさが残る映画だった
エルヴィスとパーカー大佐の物語
今更ですが見てきました。
エルヴィスが生前だった頃、まだ小学生でしたが名前だけは知っていました。強烈な音楽も。
突然の訃報と葬式の映像。流石に衝撃過ぎて覚えています。
キングオブロックンロール、生きる伝説みたいな人でも若くして死んでしまう。ショックでしたね。
楽曲含めそれが私のエルヴィスでした。
他の事は全然知りませんでした。
この映画で初めて知りました。
ロックンロールが聞いちゃいけない様な音楽、下手すりゃ逮捕。
黒人は差別して白人と分けるべき、とか
今の世の中では違法になる事を当時は堂々とやっていた。生まれる前の遠い時代の出来事、でもキング牧師暗殺の時代もまだそうだった。
何も知らなかったが既に自分は生を受けていた。
エルヴィスは少年時代黒人少年達とも遊んでいたり黒人達が歌う音楽も好んでいた。
白人だの黒人だの気にしていなかった。
良いものは何でも良いものなんだ。
そんな音楽の行き着く先がロックンロール。
しかしそれが若者に受けても頭の硬いお偉いさんには受け入れられず良い子として徴兵も受けた。
それでも世間の目が厳しいから音楽では無く映画に転進していたとは知らなかった。映画は音楽プロモートの一つだと思っていた。全然違っていた。
エルヴィスは音楽ができず葛藤していたんだと。
その後ロックンローラーとして復活。
まさか命を削る程の状態だったとは。
それとエルヴィスを見出したパーカー大佐。
軍隊の大佐では無かったけど辣腕ぶり
守銭奴ぶりでのあだ名らしいが彼のマネージャーぶりは詐欺師一歩手前と言うか
想像を絶する口八丁手八丁であっと言う間に
スターダムに乗せて大儲けしてみせた。
やり過ぎな面も強欲な面もあり人間臭いと言えば良い言い方だが、もっとドロドロした物を感じる人物だ。
確かに凄い人ではあるが汚い人でもある。
それを見事に演じ切ったトム・ハンクスは恐るべし。
そんな二人の関係性の物語。持ちつ持たれつではあるが、ちょっとエルヴィスの方が可哀想に見えるかな。まあエルヴィスも散財しまくってたからあまり人の事を言えないかも知れないが、若すぎる死が余計そう思わせるのかも知れない。
何にせよこの映画は音楽だけでは無く時代性も絡んでいて今では想像もできない世界で音楽を通じて新しい時代を切り開いた一人の男とその相棒の伝記見たいな映画だった。
そうか、ラーマンの派手な絵作りは、プレスリーと相性ぴったりなんだ、と気づかされる一作
バズ・ラーマンの名を世界に知らしめた『ダンシング・ヒーロー』(1992)を想起させる、若さの熱狂ときらびやかな舞台装置、そしてスピーディーなカメラワークが堪能できる一作。
ラーマンの作品は基本的に、主人公然とした主人公が話の軸になる、という物語的な明快さがあるんだけど、本作は題名となっているエルヴィス・プレスリーではなく、そのマネージャー兼プロモーターで、一般的には悪名で知られるトム・パーカー(トム・ハンクス)の目を通した物語、という点で少し変則的な作りとなっています。
エルヴィス・プレスリーという不世出の天才が登場した瞬間の、言葉にできない、見ることも許されていないような気がする、でも目が離せないし、身体の奥から突き上げるような衝動が沸き上がっている、という興奮状態をこれ以上ないほどに見事に表現しています。もちろんプレスリー(オースティン・バトラー)の切れのある動き、激しい音楽とカメラワークがその興奮を十二分に表現しているんだけど、一番印象的なのは、得も言われぬものに遭遇して言葉を失っている女性たちの「眼」です。この演技、表情がその場の熱狂をスクリーンの外に溢れさせています。
トム・パーカー視点で描いているから、何か定説とは違ったパーカー像、プレスリー像を見せるのかと思ったら、基本的に評判通りの悪徳プロモーターだったという!このあたり、本作の制作にプレスリー家がかかわっていることも関係してそう。
ほぼスクエアのパンフレットも内容豪華で、劇中曲の解説まで掲載しているのはありがたいです!
普通の音楽映画ではないです。
心が揺り動かされた。
単なる音楽映画ではないです。
すごい内容の深い映画です。
「エルビィス」の歴史と「アメリカ」の歴史が交差するように描かれています。
アメリカの黒人差別排除運動、キング牧師暗殺、ケネディ大統領暗殺、
激震の歴史に、リズム&ブルースとカントリの音楽を融合した「エルビィス」は巻き込まれていく。
「アメリカ」の音楽と一緒に、「アメリカ」の黒人差別の歴史が描かれた作品です。
また、一番驚いたのは、「エルビィス」が主人公ではなく、トムハンクス演じる「マネージャー」だということです。この「マネージャー」が悪者で、「エルビィス」から、金を搾取します。
音楽で光り輝く「エルビィス」,金によく深い「マネージャー」の闇。
この光と闇が絶妙に表現されている。
また、光輝くエルビィスと対象的にある差別の闇。
光と闇の対決が描かれています。
最後に勝つのはどちらか。
こういう観点で見ると面白い作品です。
エルビスのルーツとスタイルが解決
この掴みは見事
プレスリー好きな父と母にチケットを送ったことで、自分もと思い立ち行ってきました。
まずその相性。キングの煌びやかなステージと、バズラーマンのゴージャスな演出がものすごくフィットしていたんですね。
それは息を呑むかのようで、世間が初めてプレスリーに触れた衝撃を我々も追体験しているかのようでした。
段々と増えていく女性の歓声はとてもリアリティがあり、自分も高揚してくるのがわかる程。この掴みは見事というしか無かったですね。
また主演のオースティンバトラーのパフォーマンスも素晴らしく、表情からもプレスリーの色気を感じました。
あとちょい役だけどリトルリチャードの登場は個人的に嬉しかった。結構似てたし。
ただ、彼を語る上で切り離せないのはわかるのですが、パーカー大佐にあまりにもウェイトが乗り過ぎな印象がありました。
それとラストの映像で全部持っていってしまった事ですか。
ここら辺の作りは彼の熱心なファンよりも、"名前は知っている”位のライト層の方がその生い立ちを楽しめるでしょう。
それでもやはり、序盤のステージはとても見応えがありましたね。
できたらIMAXで観たかった迫力でした。
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