エルヴィスのレビュー・感想・評価
全299件中、181~200件目を表示
エルヴィスが歩んだ道
1977年8月某日。湯川れい子氏は、日本に滞在中のレノン夫妻にメンフィスのエルヴィスが亡くなった日の地元新聞を土産として届けた。ジョンは「スーパースターというのは、才能を持ったアーティストが才能を持ったマネージャーと出逢うことで生まれる。スーパーマネージャーとそこで食うか食われるか、殺すか殺されるかのせめぎ合いをしなければ生まれないんだよ。」「エルヴィスの場合はかわいそうにエルヴィスが先に死んでマネージャーのトム・パーカーが生き残った。僕たちの場合は、ブライアン・エプスタインが先に死んでくれた。だから僕がまだ生き残っているんだ」と語ったという。まさにこの映画の主題のひとつである。エプスタインはパーカーを師と仰ぎ、彼に様々なアドバイスを求めた。
バス・ラーマンは単なるミュージシャンの伝記ものにしたくなかったんだろう。エルヴィスは本人の意図とは関係なく、欧米における文化や価値観の変遷の大きな担い手となった。
そういうエルヴィスをパーカー大佐を語り部として描いたことは、少々説明的ではあるが、彼の戦略は成功している。
豪華な映像とカット割、今風にアレンジされた音楽。賛否分けれるところではあるが。エルヴィスの服やプリシラの服の再現度が高い。
エルヴィスは人種の壁をらくらくと超えていった。都合の悪い人達は、彼をバッシングした。キング牧師の演説を全て覚えていたという。事実はプリシラではない映画の共演女優と一緒にキング牧師の葬儀のTVを見て泣いた。アカペラで彼女の前でアメージング・グレイスを歌った。混乱しているエルヴィスを見て、パーカーは何もコメントを出すなと念を押した。TVスペシャルのリハーサル中にケネディが暗殺された。エルヴィスは、ギターを弾き、これから僕のすることを見てほしい。今こそ皆がひとつにならなければならない時だからと言った。
70年代の大掛かりなステージはその後のショービズ界に少なからず影響を与えていると思われる。もともと動きやすさから提案されたジャンプスーツは、アリーナ公演で映えるように鋲やラインストーンが散りばめられ、照明に映えた。
そんなエルヴィスを演じたオースティン・バトラーはジョン・トラボルタを彷彿とさせはするが、頑張っている。どちらかというとエルヴィス本人より男性的なルックスのため、前半は何か違うなと思う部分もあったが、後半の大人になり男っぽくなったエルヴィスには、思いの外似ている。
パーカーには似てないが、トム・ハンクスはいやらしい位うまかったが、ちとしつこい。
またリトル・リチャードはゲイで有名だが、アルトン・メイソンは、その雰囲気も醸して最高だった。少年の時に見たアーサー・クルーダップ。蛇足ではあるが1976年頃にヨーロッパのファンクラブの会長がエルヴィスと会った際にあなたの目指したものは何だったんですかという質問に対するエルヴィスの答えは、「子供のときに見たアーサー・クルーダップが本当に格好良くて、いつかあんなになりたいと思ったんだ。それが僕の目標だったんだ」と答えた。エルヴィスは自分が成し得た事を本当の意味で理解していなかったのではないかと言われている。
映画の質とは関係なくエルヴィスを見たい人にとっては、不満が残る。ステージをフルで見たいのに、パーカーのセリフが被る。パーカーの出番をもう少し減らしてもストーリーの本質は保てると思う。
一番盛り上がるという点では、ボヘミアン・ラプソディー宜しくハワイの衛星中継の舞台で終わればいいんだけど、それは許されない。
最後まで描くことでこそエルヴィスとパーカーの構図になるのだから。
1977年のエルヴィスの映像は残酷だが、そこには終始一貫して変わらない純粋無垢なエルヴィスがいる。あまりハイスピードでスターの座を駆け上がったエルヴィスは普通の若者が通る大人への階段を登れなかった。いくつになっても少年のようだったと言われている。それでも彼の笑顔は素敵だ。本人の名誉の為、このコンサートはピアノを弾いているから座っているのであって、他の曲は立って歌ってる。
そしてこの素晴しい歌声にエルヴィスの短くも長く辛い人生に涙する。
多分ファンが一番スツキリしないのはプリシラの描き方だと思う。生きているので忖度はしかないのだけど。
エルヴィスの崩壊の要因は母グラディスの死から始まったと言われている。そして古く悪質なマネージメント、最後はプリシラ・ショック。1972年2月のラスベガス公演にやって来たプリシラは空手教師のマイク・ストーンと一緒に暮らすためリサ・マリーを連れて家を出ると告げ、ボロ雑巾のようにエルヴィスを捨てた。このことにより破滅的な生き方に拍車がかかった。プリシラをグレイスランドに置き去りにして浮気していた本人も悪いが。新しい恋人が出来てもプリシラへの未練は断ち切れなかった。何故なのかは、わからないけど。
ボン・ジョヴィは武道館でハートブレイク・ホテルを、スプリングスティーンは代々木で日本のファンのためにと好きにならずにはいられないを、クィーンとモトリークルーは監獄ロックを日本演奏した。ライブを見るチャンスがなかつたレッド・ツェッペリンも胸いっぱいの愛をの間奏で、
メス・オブ・ブルースやパーティーなどエルヴィスの曲をちょいちょい入れてる。全てはエルヴィスにつながる。
エルヴィスは誰も歩いてことのない道を唯一人進んでいった。後の人たちは、その道を通り新たな道が続いている。
是非エルヴィスの通った道を見てくだい。
音楽映画はハズレ無し
中々見応えがあった。前半は音楽とともに成り上がっていく物語で飽きない感じではあったが、後半はやはり物語として落ちて行くので、話としては面白くもなく、何故大佐にあんなに心酔しているのかもう少しわからせても良かったのではと思う。
前半のカットが早すぎて疲れる。
エルヴィスを見て感じたこと
1 エルビスプレスリーの生涯と周囲の人々の関係を描いた伝記。
2 全編を通すと、プレスリーのおよそ20数年に渡るエンターテイナーとしての浮き沈みが整理されていたと思います。その中で、黒人音楽との出会いから徴兵までの前半が良かった。お馴染みの「ザッツオールライト」や「ハウンドドッグ」の元歌も聴けたのも良かった。彼が歌うときの独特の動きや服装はメンフィスで慣れ親しんだ黒人のシンガ-から学んだもの。南部で生まれそだった彼からすると自然なものであった。ローカルスターから全国的に紹介されると、若者には衝撃を与え、時代の寵児となったが、大多数の大人たちからは社会道徳や倫理観、人種隔離の根本規範を乱すものとして規制を受けた。 こうした中、徴兵に行くきっかけとなった慈善コンサートでのパフォーマンス。ファンの声が彼の心に規制に反発する炎を燃え上がらせ、彼はリミッターを振りきった。「トラブル」は今聴いてもゾクゾクしてきます。
3 後半では、失意の映画乱作時代を経て、歌手の再出発とステージ中心の活動が描かれた。その中では、大掛かりなステージに合うように「ザッツオールライト」をアレンジしていく様やステージの再現が垣間見えたこと、また、再出発後は、プロテストソングなども取り入れ、幅が出てきたことが描かれていたのは良かった。
4 終わり方については、ドキュメンタリーみたいになつてしまったのは残念。弱った状態でのステージ場面や死を悼むシーンはやっぱり寂しい。
なお、マネージャーの扱いは、ひとり語りのシーンは不要だし、簡素化しても良かったと思う。
5 プレスリー役の男優は、地の顔は映画グリースにでていた頃のジョン・トラボルタに似ているように思えた。それでも恥ずかしそうに笑ったときの口元の表情や俯き加減で不機嫌そうな顔付きはプレスリーのそれであった。そして歌唱は見事であった。
哀しい男の物語
観覧後、速攻でエルビスプレスリーの曲を検索すること間違いなし!
エルヴィス・プレスリーの人生、壮絶過ぎる❗
エルヴィス・プレスリーの人生、壮絶過ぎる❗
フレディ・マーキュリーの映画も、エルトン・ジョンの作品も、彼等の悲しみや辛さ、人生の負の部分が描かれてたけど…、う〜む本作品は特に凄くて…エグかったなぁ😨
でもライブシーンは良かったです🎶
オースティン バトラー 初めて知りました。 凄い人!
エルビス プレスリー この名前を知らない人は ほぼ居ないと思いますが、晩年の 肥満体になった話だけ覚えてます。
大好きな ドーナツの食べすぎで ステージで履いていたズボンが破れたとか何とか。
そんな嘘っぱちな話だけ 信じていた私はバカでした。
こんな天才の歌を よく聴いておくべきでした。
今 聴くと 心に染みてきます。
オースティンバトラーの神がかり演技に舌を巻いた
エルヴィスは好きなのですが、オースティンバトラーをあまり知らず、彼に演じられれかな、なんて思っていてあまり興味がなかったのですが、友達に勧められ観て、ビッグスクリーンで見て正解でした。 神がかったような演技、エルヴィスが乗り移っていましたね。 ボヘミアンと異なり、一部オースティンバトラーが実際に歌っているとのこと。 あるインタビューでは、年代により声色が代わるエルヴィスを見事演じ分けているとのこと。3年もかけて役作りしたらしいですが、さすが。見た目はこそまでエルヴィスに似てないですが、最後はエルヴィスにしか見えませんでした。 エルヴィスと同じく、オースティンも幼くして母を亡くしているようですね。共感が役に人間らしさや厚みをもたらしたのでしょう。 トムハンクスの怪演もお見事。 華々しい人生の裏にはこんな悲しいドラマがあっただなんて、知らなかったです。 映画化してくれたパズラーマンありがとう。 ジョナサンリースマイヤーズが出ているエルヴィスより数段良かったです。 また黒人の運動やケネディなど、当時の情勢にからめたのもよかった。 ブラックミュージックからそこまで影響を受けていたのも知りませんでした。 こんなにも偉大な人の早すぎる死を想い、最後は涙せずにはいられませんでした。 また劇場で見たいです。 トップガンも好きでしたが、私はそれ以上に本作が気に入りました。 オースティンバトラーには是非アカデミー賞取ってほしいです。
もっと音楽が聴きたかった。
パーカーが居なかったら本物のKING of Rock'n Roll…になれたかも
僕はElvisは神様と思っているけど、それはやはり50年代にRock(ロカビリー)というジャンルをポピュラーにしたのと、サンレコード時代のなんとも艶っぽい歌(Xmasアルバムもゴスペルぽくて好き)は唯一無二と思うから。MLKもまだ活動してない頃から黒人音楽に心打たれ、畏敬の念まで持っていたところも尊敬できる(白いとんがったシーツの団体発祥の州でだ)
その辺りはとても分かり易く映画にしてくれてるんだが、一曲だけでも良いからこれぞElvis!て曲をじっくり見せて欲しかった。Elvisをよく知らない若い人も感動する様なシーンを。
ただね60年代後半のステージはRockとは呼べない…大金持ちが金持ちの為に歌うElvisショー。やはり Rockに金持ちは似合わねえなあ。
南部の秀でたミュージシャンは悪魔と取引してたから早世してしまうのが悲しいが、Duane Allmanはもっと生きていて欲しかったけどElvisは…どうだろう…いやElvis本人が一番辛かったかもしれない。
PSプリシラがあんなに良い奥さんだったと知れたのも収穫。
キングオブロックンロール
エルビスの曲が歌声が感動的、そんな内容を期待しながら鑑賞したが全編曲は流れるのだが大佐の語りが耳障りに思えるほど曲が心に入って来なかった、ストーリー的には歌手と個人マネージャーの関係性はいつの世も何かあるんだがここまで貪り続けていたとは思わず。
実話ではあるがまだまだトムパーカー大佐という人物を深く描かれて無い気がする、トムハンクスが憎らしく思える程ハマり役だが大佐の鬼の部分は隠されているような気がする、でなければ42で命を落とす事も無かったのではないかな、大佐がスターダムに押し上げたのは事実だがマネージャーが違う人物でもゴスペルやR&Bに感化されたエルビスは黒人音楽を世に広めたのだからスターになっていただろう公民権運動など人種差別が問題になっていたこの時代にふさわしいヒーローだった
Black+White=💞ELVIS💞
オースティン・バトラーがとにかく良かった。歌声、歌い方、話す声、眼、ヘアメイク、衣装の着こなし、ステージ上の動き、表情、涙。どれだけのプレッシャーと緊張の中でエルヴィスと向かい合ったのか。ブラック音楽に対する感性とオープンで自由な態度。そして家族、特に母親への愛。ピンク・キャデラック登場!オースティン=エルヴィス、最初から最後まで息子を見守り祈るような気持ちで映画を見ました。
兵役でドイツへ行ったいきさつは映画の通りなんだろうか?エルヴィスのドイツ語による歌:"Muss i denn, muss i denn..." ビロードのように柔らかで深みのある甘くて艶のあるエルヴィスの声。ドイツの民謡なのに、エルヴィスが歌うとまるで別物になる。もう行かなくちゃ、旅に出るからという歌詞だから、映画の中でもその歌は聞きたかった。エルヴィス、どれだけ世界ツアーをやりたかったろう。
エルヴィスの影響力はすごい!映画「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」で東ベルリン側に居た男の子(主人公の子ども時代)は西からの放送を聞いてロックンロールを聞きまくってはママに叩かれてた。エルヴィスのようなダンスもしてた。
編集がとても良かった。保守とリベラルがせめぎ合い、63年のケネディ大統領暗殺、68年のキング牧師暗殺、カウンターカルチャーの台頭と60年代の合衆国がリアルに伝わってきた。オープニングとエンディング・クレジットを飾るキラキラはアメリカの女の子たちの胸をときめかせたエルヴィスそのものだ。エンディングにはエルヴィスがジャンプスーツに使ってた(と思う)ベルトや飾り(ギター🎸やピアノのモチーフ入りもあり)が両脇を飾っていて美しかった。
映画「ナイトメア・アリー」同様、ショービジネスの根本は見世物だ。大佐は音楽のことは何も知らないと言っていたが、儲けるための見る目はあった。海千山千のおじさんに見込まれ結局訣別できなかったのが、エルヴィスの運命だったが大佐が彼のマネージャーをやってなかったら?
迷子のエルヴィスの出口は悲しいけれど離婚後も妻が彼の支えとなり繋がりがあったのは救いだった。エルヴィスを超えるミュージシャンは出ないだろう。字幕監修に湯川れい子さんの名前を見て安心!
おまけ
コディ・スミット=マクフィー(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のピーター役)が出ていてびっくり!相変わらず細くて不思議なオーラがあった。劇中、エルヴィスに感化されてメイクするようになった変化(似合ってた)が面白かった。主役オースティンと共にこれから注目していきたい!
この映画の撮影はオーストラリア。そこでトム・ハンクスはコロナ陽性になったというニュースを聞いて心配したことを覚えている。ハンクスはナレーション上手い。特殊な顔&ボディメイク、凄かった。
ファンからの愛を一身に受けた。
ロックの神様エルヴィス・プレスリーとそのマネージャーとしてエルヴィスの手網を引く男の話。
まず、この映画のエルヴィス・プレスリーがずっと"スター"として画面の中に居続けていたのに感動した。ステージ上の足つき、ダンス、ファンサービス、プライベートにおいてのスマートさ、何から何まで完璧にスターのエルヴィス・プレスリーを演じたオースティン・バトラー最高。そしてめっちゃかっこ良かった。
個人的にBBキングに会いに、黒人街に車で来て街の人にファンサービスしながらバーに入っていくシーンがめっっちゃカッコ良かった。あのシーン全部の仕草が全て完璧、スマート。
最近の同じような音楽伝記映画、『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』はスターの本当の顔をスターではない普通の人として描こうとしてたのに対して、本作はエルヴィス・プレスリーはずっと手の届かないスターだった。エルヴィスを搾取し続けた大佐ですら、エルヴィスにずっと手が届いていなかったような気がする。
私自身ジャニーズが好きなアイドルオタクとして、本人の幸せが1番と思えど、アイドル(偶像)としてのその人が好きなのは十分分かっている。エルヴィスのダンスに熱狂するファン達はその一瞬生まれる実態のないなにかに歓声を上げているようで、それを一身に浴び続けることはドラッグよりもハイになる瞬間なんだろうなぁ。
あと、バズ・ラーマン監督の映画を初めて劇場で見まして、とてもこの大袈裟でありながら徐々に悲しい結末へと向かっていく不穏さがたまらんね。
差別が酷い時代 音楽でも…。
日本に来たかったんだね。 泣ける映画だった。
数年前にクイーンの映画がヒットしたが、同じ感じ。いい意味。
天才エルビス、黒人音楽を取り入れ、独自のパフォーマンスでスターになる。
マネージャーは酷使する。
ドラッグ、家庭崩壊、死亡。
リアルに知らない世代で、映像として観たので新鮮だった。
全299件中、181~200件目を表示