エルヴィスのレビュー・感想・評価
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予告編ほど良くはなかった。
スーパースター、エルヴィスプレスリー。 物心ついた頃には亡くなっており、体格や衣装からプロレスラーみたいな人だなーと思っていた。 映画を通して、初めて彼の歌や人生に触れた。 予告編では、彼の鮮烈なデビューを観客に印象付け、傑作になるかと思われたがー。 早逝に追い込んだパーカー大佐に視点を置き、徐々に蝕まれていくエルヴィスを描く。 鏡の迷路から現れるパーカー、甘い言葉をエルヴィスに囁き、思うまま彼を搾取する様は、悪魔そのもの。 一部の演出は良かったが、全体的に軽いスナックのような映画。 なぜエルヴィスは簡単に操られたのか、親への深い愛情、母親との異常な依存関係をもっと丁寧に描いてくれた方が、共感できた。 親子の過剰な愛情がひっかかり、鑑賞後に調べて毒親であったことが分かる。 ついでに映画で見られた奔放な性生活、酒が嘘であることも。 ノンフィクションとみせるなら、彼を不当に貶めるべきではない。 オースティンバトラーの演技は素晴らしかったが、トムハンクスは戯曲的でメフィストのよう。 次々に切り替わる展開に、観客は置き去りにされた感じ。 もっと彼の歌を聞きたかったし、 彼の気持ちを丁寧に描いてほしかった。 期待が大きかっただけに、残念。
愛され続ける反骨児
フレディ・マーキュリー、エルトン・ジョンに続くレジェンド・ミュージシャンの伝記映画は、彼らにも多大な影響を与えた“キング・オブ・ロックンロール”。
エルヴィス・プレスリー。
音楽に疎くとも、勿論その名は知っている。『監獄ロック』や『ビバ・ラスベガス』、曲名は知らなくても聞けば知ってる曲も幾つか。
映画でもよく楽曲が使用され、彼自身もモチーフに。
映画俳優としても活躍。
音楽のみならず、彼の存在そのものがアメリカ文化の一つのようなもの。
スターとしてのエルヴィスや数々のレジェンド、レガシーは知っているが、一人の人間としての生い立ち、背景、苦悩や内面はほとんど知らない。
エルヴィスの熱狂的ファンには2時間半超えでも物足りないかもしれないが、エルヴィス初心者には入門編として無難。
エルヴィスの伝記であると同時に、彼のマネージャーの話でもあり、バズ・ラーマン・ショーでもあった。
華麗なるザッツ・エンターテイメント・ショー!
幕開けから映像、テンポ、音楽センス…全てがショーアップ。
前半はコミカルに。徐々にドラマチックに、悲劇を謳う。
ケレン味たっぷりの演出、世界観。
『ダンシング・ヒーロー』~『華麗なるギャツビー』まで、この一貫したスタイルは、バズ・ラーマン節と言っていい。
ミュージカル/音楽物を任せて、これほど頼もしい監督は居ない。(やはり『オーストラリア』だけは不向きであった)
エルヴィスのマネージャー、トム・パーカー大佐の語りで進められていく。
エルヴィスを見出だし、売り出し、伝説を作り上げた。
その一方、良くない噂を聞く。
見て納得。強欲。ビジネス、金儲け主義。エルヴィスを我が手中から手離さず、過剰に働かせる。
ギャラもほぼ折半。エルヴィスの稼ぎの半分を摂取。
悪徳マネージャー。しかし、敏腕マネージャーであったのも事実。
エルヴィスを金を生む卵とする一方、ショーが成功したら褒めちぎり、重宝もする。
憎々しく嫌な奴であり、凄腕のパートナーで恩人でもある。
そんな曲者な二面性を、トム・ハンクスがさすがの巧演。
善良な役が多いハンクスがこういう役を演じるのも珍しい。本作の見所の一つであり、個人的にも楽しみにしていた点。
エルヴィスが大佐に見出だされるシークエンスが絶妙。
地方のライヴでは評判を呼んでいたが、まだまだそこに留まっているだけ。
奇抜な髪型、女みたいな化粧、ピンクのスーツ。端見、痩せっぽっちの田舎の若者。
緊張し、観客からも野次られる。
が、歌とダンスが始まるや否や、豹変。
新星が今まさに輝き始めた瞬間。
何だかそれがまるで、初の主演映画、初の大役を射止めたオースティン・バトラー自身と被った。
『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックよろしく、彼も本作を機に一気に飛躍するだろう。
なるか、オスカーノミネート。…いや、受賞!?
オースティン・バトラーの魅せるパフォーマンスが素晴らしい。圧倒される。
3年掛けてトレーニングしたという、歌、ダンス。
メイクの力を借りてエルヴィスの風貌そっくりに似せつつ、オースティン本人から滲み出る仕草、佇まい、表情、眼差し…。
それらが堪らなくセクシー。同性でも本当にそう思う。
このライヴで大佐に見出だされたエルヴィス。
人気や知名度が地方から一気に全国区へ。
“エルヴィス伝説”の始まり。
そして同時に、社会との闘い、大佐との闘いの始まりでもあった…。
派手なパフォーマンスや腰をくねらせるダンスが若い女性たちを熱狂どころか失神させるほど。
しかしそれが品位に欠けると社会の保守層から圧力。TVやライヴでも禁止令。
カントリー音楽が主流だった当時に、ロックにゴスペルやR&Bを融合させた斬新で画期的な音楽。
ゴスペルやR&Bは黒人音楽。エルヴィスの音楽のルーツ。
しかしそれも集中砲火を浴びる。まだまだ人種差別が激しかった時代。
今見ると呆然。だって今では、それらは音楽のスタイルの一つ。
何でも最初は叩かれる。先駆者が闘い、切り拓いてくれたからこそ、今がある。
エルヴィスの最大の難敵は、やはり大佐だろう。
間違いなく大佐はエルヴィスを食いぶちにしていた。
ほぼ言いなりにさせ、出兵させ、映画俳優として売り出し、グッズやエルヴィスのイメージとかけ離れたクリスマス特番も。
クリスマス特番は別にしても、そのほとんどが成功。
大佐無くしてエルヴィス伝説も無かったのは、まずその通りだろう。
が、エルヴィスもずっと言いなりではない。時に抗う。
抗った時、エルヴィスはまた一段と飛躍する。
クリスマス特番で禁止されていた本来のスタイルで歌った時も。黒人の敬愛者が亡くなり、荒れた国に届ける為捧げの歌を歌った時も。
ぶつかり合っては、各々に結果を残す。
良くも悪くもな、この大佐とエルヴィスの関係性が本当に不思議。
ビジネスに関わる事になった父。母っ子で特に母親を愛していた。
妻プリシラや娘リサ・マリー。
家族を愛していた。
が、仕事やファンに応える余り、家族との距離が離れていく。
大佐と関係がこじれ始めた時、別の協力者たちが。彼らと狙う海外公演。
大佐の策略で海外公演は見送り。“安全”な国内で殺人的なスケジュールをこなしていく。
孤独、過労、自分自身をも見失い…。
手を出してはならない“定番”に手を出してしまう。
気付けば、もう40。若いロック・ミュージシャンやグループが現れ人気を得、自分は“巨大な鳥かご”の中で同じ歌ばかり歌う。
この行き詰まり、苦悩。羽をもぎ取られ、羽ばたけず、このまま朽ちていくしかないのか…?
本作の主題の一つ。エルヴィスの死の謎。
クスリか。
過密スケジュールにより大佐に殺されたか。
その大佐は…
“愛(ファン)に殺された”
愛に応える為、こちらも愛で返す。
最高のショーを。
それがどんなに苦しくても。苦しい時でも。
名声と人気と愛を得た者の宿命。
哀しくもあるが、スターとしての生きざまを見た。
エルヴィスは孤独だったのか…? 辛く、哀しかったのか…?
そうでもあり、そうでもないと思う。
哀しく、苦しかったでもあろう。
でも幸せでもあり、誰も受けられないほどの愛を受けた。
彼の熱唱や圧巻のパフォーマンスからもそれが分かる。
そうでなければ、今もこうして、いや永遠に愛され続けはしないだろう。
エルヴィス・プレスリー。
それは特別な歌、輝き、存在ーーー。
圧巻のライブシーン☆
スクリーンで観るべき作品。バズ・ラーマンのめくるめく映像と音楽、開始数分でロックの始祖であり稀代のスーパースターに圧倒されて鳥肌が。疑惑のマネージャーの存在や、こんな経緯があったなんて今まで知らず、もっと生きる道もあったのではと残念でならない。 公民権法もまだで、人種差別が強く残ってた時代に、貧しい故に黒人地区に住み、黒人の音楽であるR&Bと白人のカントリーを融合させたのがプレスリーであり、ツアーに黒人女性コーラスを連れてくるなと興行先に言われ激怒、どんなに金を積まれてもツアーに行かなかった、とか知って感動した。 痩せてキラキラしてる若い頃から、40代の太ってきた姿まで、特殊メイクをしつつもどんどん変わっていくオースティンもすごかった。ほんとスターなのよ。初めて観た女の子たちが驚いて目の色変わっていくのとかほんとリアルで、すごかった。
オッサンからは早めに逃げろ
黒人から音楽を盗んだとも言われていたエルヴィスをブラックミュージック史に刻み直した。 ゴスペルとブルースのマッシュアップ、B.Bキングやマベリアジャクソンへの憧憬、キング牧師やロバートケネディ暗殺に対するプロテスト。 エンディングでエミネムのラップが流れるのも熱い。 パーカー大佐との愛憎は今ひとつだったので、構成としてはシンプルに伝記映画にしてもよかったのでは。 語り手がパーカー大佐なので、自分の言葉を奪われてもがくエルヴィスが不憫だった。 いつまでも「分断」を憂うのではなく、こういう映画を作る段階にきているのだと思った。 ストレンジャーシングス のビリー、パワーオブザドッグのあの子とか話題の若手がたくさん出てる
エルヴィスが時代をこじ開ける
トム・ハンクス演じるパーカー大佐のヴィランぶりが強烈。全世界を敵に回すのが確実な演技で、この毒を飲み込まないと、ラストまでたどり着けない。IMAXは朝一番しかないため、早起きして駆けつけたが、音楽的にも伝記的にも濃すぎる内容で、一日分のエネルギーを使った気がする。 パーカー大佐は、エリヴィスが時代の寵児であることをいち早く見抜き、エルヴィスをスターダムに押し上げる。人気が出ると同時に黒人音楽にルーツを持つエルヴィスを当局は敵視するようになる。 ここで、すごいシーンを見ることになる。 大佐に言いくるめられたエルヴィスがトラディショナルなスタイルでライブ会場に登場。観客は、本来のエルヴィスのパフォーマンスを期待している。その一方で、R&B的な体の動きをしたら逮捕しようと警官隊が待ち構えている。 そんな中、エルヴィスは大佐の指示を無視して、やってくれるんだよね、ロックンロールを。ライブ会場にいるファンと全く同じ気持ちになった。俺も警官隊をパージするためにステージに上がっちゃうよ。逮捕なんか怖くない。 まさにエルヴィスが時代をこじ開ける瞬間。ここから始まるうねりは、誰も止めることはできない。 ライブ会場の目と鼻の先で人種隔離政策の強化を訴えている国会議員は、前世紀の遺物で滑稽でしかない。 エルヴィスの本人映像が、物語とシンクロして使われるんだけど、とんでもない感動に襲われる。音楽を愛し、ファンを愛するエルヴィスが、そこにいる。
トム・ハンクスに食われることなく、ちゃんとエルヴィス・プレスリーの映画になっている
キャスティングを見た時、マネージャーが主役なのかと思ったが、確かにトム・ハンクスの怪演は強烈ではあるものの、それでも、ちゃんとエルヴィス・プレスリーの映画になっていて、安心した。その点、オースティン・バトラーの頑張りには、拍手を送りたい。バズ・ラーマン印のきらびやかな映像も、随所で楽しむことができる。 エルヴィスの音楽の起源がブラック・ミュージックにあること、異端児扱いされていた彼が兵役に従事し、そこで妻と出逢ったこと、彼の活躍の背景に黒人の公民権運動や要人の暗殺事件が影を落としていたこと、彼が海外ツアーを行わなかった理由がマネージャーにあったこと、そして、何よりも、エルヴィスがその悪徳マネージャーに利用され、金をむしり取られていたことなど、色々と勉強になることも多かった。 ただ、冒頭で予告され、この映画の最大のテーマにもなっている「誰がエルヴィスを殺したのか?」ということに関しては、やや肩透かし気味であったように思う。ラストに、マネージャーの口から語られるそれは、あまりにも綺麗にまとめられ過ぎているのではないか?まあ、そうは言っても、肥満とか、ドラッグとかだと、身も蓋もない気もするが・・・
見応えあり
彼のような孤高の人は、きっと神様から人類への贈り物なんだなと思う。 だからこそ、彼はその歌で人々を幸せにするという使命が終わったからこそ、天に帰っていったんじゃないだろうか。 それだけにそういう俗世に染まることがない彼の歌声に満たされたってことでしょう。 そうした目でみれば、差詰トム・ハンクスは薄汚い金と欲に塗れた亡者にしか見えなかかった。
黒い!
アーサークルダップ、ママソーントン、BBキング、マベリアジャクソン、リトルリチャード、ファッツドミノ..... なのに白人はハンクスノウだけ笑笑。 小学生の時に、エルビスがA面、ポールアンカとニールセダカがB面のLPを父が聞かせてくれました。当時の私にはエルビスが暑苦しく、B面ばかりきいていましたが、今思えばその暑苦しさこそが、エルビスの黒さだったのですね。年バレます。(笑) 今となっては、私は黒人音楽大好きなので、とっても楽しめました。 話としては、レイであり、ジュディであり、ボヘミアンラプソディです。ミュージシャンが歩くまんまの道を行きます。 トムハンクスの、CGか?と思えるぐらいの肥満度と、ハゲっぷり、そして怪演が素晴らしく、思わずこれは何の映画だったのか忘れるぐらいです。残念ながら、主役は喰われちゃったかな。 ところで、プレスリーの奥さんは大事にされながらも、後に「裸のガンを持つ男」でコメディ女優として登場します。 お金って人を狂わせるという感じですかね。金になる才能には恥知らずな人が寄ってきて、その才能を食い物にするという。 ちょい長かったかな。 でも、面白かった。
音楽映画に分類されると思うけど、要当時のアメリカの事情の知識
今年190本目(合計466本目/今月(2022年7月度)2本目)。 今日はこちらなどを含めて複数視聴。その中でのトップバッター。 映画自体は「史実に基づく」など出ませんが、実在する人物を描いたものなので、あることないこと書けませんし(遺族の方とトラブルになる)、出ないとはいえ実質的に「史実に基づく」といってもよいのでしょうね。 多くの方が書かれている通り、この映画は音楽映画に分類されると思いきや、描き方(視点)があのマネージャー視点であるため、何かと「言い訳」が多いこと(当然、主人公はそういう視点は持ち得ても(余りにも取り分が多いとか)、普通は「この歌にはどういう趣旨をこめて作ったか…」などが論点になる)、さらに、当時のアメリカ社会(黒人差別、公民権運動など)を知らないと、一部の字幕の意味がわからなくなるところはあります。 また、若干放送時間が長いかな…(3時間を超えないが、2時間は超える形)も、今のこのコロナのご時世ではちょっときつい印象です。とはいえ、アメリカ映画で日本の映画館事情に配慮するのも限界があったこと、また、支持はしなくても「理解はできる」マネージャーの「言い分」も描き切ろうと思うと、そのくらいの時間枠はいるんじゃないか…というところです(極端に短いと、今度はマネージャばかりの話になって、エルヴィスはどこに行ったんですか?という話にもなっちゃう)。 私は2日目(土曜日)に見ましたが、8割埋まり。私より年上の男性の方が多い印象です。映画の趣旨的にそうなるのは当然なのでしょうね。 アメリカの当時の公民権運動や黒人差別の問題の知識があると視聴にあたって有利ですが、なくても理解に支障をきたすものではないので、フルスコアにしています。
何故なのか?
これだけの尺を使ってるのに盛り上がる音楽シーンよりも苦悩したりするシーンに明らかに時間を振ってるのは何故なのか?あれほどエルビスを「搾取した」と言いながら、視点が常にカーネル寄りなのは何故なのか? どうもバス・ラーマンの意図がどこにあるのか、探りながら見ていたが分からずじまい… オースティン・バトラーの演技は良かったと思う…
パフォーマンスシーンの映像表現が圧巻
エルヴィスのスター性を描く映像表現が圧巻だった。 激しく細かなテンポでのカット割がとても効果的で楽曲を詳しくは知らない私でもかなりの高揚感を得られた。 この映像表現により、エルヴィスがスターであるということを文句無く納得でき、 圧倒的スターだからこその苦悩を寄り添いながら鑑賞することが出来た。 時代を変える、時代を創るレベルのスターは眩しいくらいの光りを多くの人に見せつけてくれるが、その裏側では深い闇の部分も同居しているのだと考えさせられた。 現代において自分がスターだと感じているヒトたちに対して、改めて最大限のリスペクトを送り続けたいと思った。
この監督は作り込みが細かくて良い。それとエルヴィスと悪徳マネージャーの骨太ドラマで魅せる。最高ですね。
この監督は「バズ・ラーマン」はワシ的に「華麗なるギャツビー」の昔の時代。懐古を 古めかしく見せるのではなく、リアルタイムの昔として描く手腕、細かい作り込みが・・素晴らしいから・・期待してた。 +衰え、太ったとはいえまだまだイケる「トム・ハンクス」 伝説のプレスリーの人生が融合して、映像的に最高でした。 でも、ジジイのワシでも「ジョンレノン亡き後の、ビートルズ振り返り 世代だから」 「プレスリーの世代=存命でも映画館には来れない超高齢者」 だから「前3段除いて、ほぼ満員御礼」の観客、エルヴィス知らない世代だと推測された全員! だいたい「Beatles現役世代も殆ど客席にいない」 不思議だけども、Beatles来日すら55年前だから・・当然といえば当然。 私はビートルマニアで「プレスリー=太ったオッサン」という認識しか無いけれども その偉大さは昔から知っている。確かに、ビートルズやボブディラン以後もその影響は計り知れない 「偉人」である。 でも「ラブミー・テンダー・アイ・アイ・ラブ❤️You♪♫・・」と「監獄ロック」のメロディーくらいしか 知らない。体たらくだが私と同じ昭和40年代前半世代はこんなもの・・ でも事前予告、広報の良さに加え、バズ・ラーマン監督とトム・ハンクスの信用力で 「映画館で観ない理由が全く見当たらない期待作」であって、見事に応えてくれた いきなり「ワーナー」のロゴから、最後のエンドロール後の「エルヴィス」の消灯的なデザインまで 徹頭徹尾、秀逸なデザインで魅せる。 エルヴィス役は「オースティン バトラー」抜擢だが歌を含め好演。トムハンクスも「老獪な悪徳マネージャー」好演 衝撃のデビューから、円熟期、晩年のプレスリーの骨太ドラマ。 正直なところ、音楽は前述のとおり「馴染みがない=星⭐️マイナス▼0・5」 でも、最後は、薬漬け、太り過ぎで「立ってることもままならない」本物のプレスリーの 「UNCHAINED MELODY?=エルヴィスオリジナルでは無いけれど、誰でもメロディー知ってる曲」 の実写は心に響く最高の熱唱でした。病身に鞭打って歌う姿に感動! ロバート・ケネディ、キング牧師との接点は少し、美化、盛っているのかもしれない あと、保守政治家、警察との激闘も・・ ただ、黒人のリズム&ブルースとの出会い から 偏見への反逆 マネジャーとの確執的な流れ ビートルズ等に押されて、なんとなく下り坂「ラスベガスでの興行にこだわらざるを得なかった」 のは事実であろうから、見応え十分の映像内容でした。 まあ1950年代とビートルズの登場の1963が実際には全盛期だっただろうから、本人も苦労したろうね。 「悪徳マネージャー トム・パーカー」もそれしか生き様なかったのだと思う。 実は主役は2人の人間ドラマ。音楽全く知らなくても楽しめます。ただ、予告編と1枚紙の無料リーフくらいは観といた方が良いです。最後の本人実写が「コレは映画の演技?実写?本人?」と惑わせたところがこの作品の真骨頂ですね。
期待はずれ
素直に面白くなかった。 マネージャーの言い訳の半生を聞かされる映画で、エルヴィスが主人公にみえなかった。 音楽に対してのフォーカスも全然足りない。 クイーンやエルトンジョンの映画みたいなのを期待していただけにがっかりすぎる。 宗教や黒人差別解放とか、現代の視点で描きすぎ。音楽を描こうって映画じゃ無いんだろうな。
主役はトムハンクスだった。
エルヴィスのファンでも無く、名前とアメリカで熱狂的なファンがいることくらいの浅い知識しかない。
どうして、アメリカで熱狂的ファンがいるのに、日本ではクイーンやビートルズみたいなファンがいないのか。(いや、いるとは思うが国民的認知度という意味で彼らよりも明らかにファン層は薄い様に感じる)
その理由が映画を観て分かった。
物語の最初から雲行きは怪しかった。
なんせ、主観で物語を語るのがトム・ハンクスだ。
エルヴィスの映画なのにエルヴィスと対峙している役が彼を語るのだ。
予感は的中した。
歌唱シーンなんて、ポップなCMみたいなカット割やら画面構成をされて、一曲もまともに流れなかった。
あー、知ってるかもねー。
聞いたことあるかもねー。
くらいにサラッと流されてしまった。
オースティン・バトラー演じるエルヴィスがどれだけ滝汗を描いて舞台上で熱唱しても、トム・ハンクス演じる大佐が無駄に長い台詞を挟んでステージを分断する。
エルヴィスはトムパーカーにとっての金のなる木、金を生むガチョウだ。
ステージで魅せるアーティスト性やファンを惹きつけるカリスマ性は過度に誇張され股間がアップになるカメラワークとエルヴィスを観て興奮して声を荒げる金髪女で表現している。
自身の人生なのに、母親に依存するマザコンで、マネジメント能力の低さから家族にも利用され、マネージャーからも搾取され続ける。
才能があるが故に妻や家庭の愛とは別の大衆から得る崇拝的な愛を欲して孤独になる。
孤独で空虚な思いを抱えながらドラックに溺れ、ステージに立つために医師の治療を受け睡眠薬で眠る。
果たして、エルヴィスは幸せだと思って生きたんだろうか?
物語の終わりで、本人の歌う姿が映る。
伸びやかな声、情熱的な視線からは本作で観てきた線の細いエルヴィスとは別人なんじゃないか?と思うほど魂の熱量を感じた。
果たして、この映画はエルヴィスと言う題名を冠して良いのだろうか?
タイトル違い、解釈違いなのではないだろうか?
サーカスを営み、そこからプロデューサーの腕を磨いていったトムパーカー。
大佐にとっては、サーカスで扱われる芸人もステージに立つアーティストも金儲けの道具に過ぎなかったのかもしれない。
アーティストはあくまでステージに立ってパフォーマンスをする才能がある人間だ。
熱狂してくれる場所がないと死んでしまう部類の人間だ。
表現者の求める芸術性が昇華された時に、大衆の心は一気に魅了される。
大衆の心を掴んだ瞬間、スポットライトがピンライトに変わり、全ての注目を自分に集めることができた瞬間があるからこそアーティストは作品を作り続けることができる。
本来なら、アーティストとファンの熱量を緩和し、健全な距離感でパフォーマンスを発揮させることができる環境を整えるのがマネジメントの仕事であり、役割だ。
素晴らしい才能を世界に広めることができなかった。縁の下の力持ちになれなかったマネジメント失敗者の自伝的映画だった。
エルヴィスの生い立ちを知るつもりで鑑賞するには良いだろう。
エルヴィスの歌を聴きたいので有れば、レコードや音源を聴いた方が良い。
アーティストは声の中に生きている。
演出と映像含め全てがワチャワチャしてて落ち着かない
金曜レイトショー『エルヴィス』 確か中学生だった頃に訃報のニュースを見たアメリカの象徴的なイメージの大スター!エルヴィス・プレスリー その後は、有名な楽曲のVTRとものまねタレントのイメージしかなかったですが・・・ こんな半生だったとは知りませんでした。 物語は、マネージャーのトム・パーカー目線でのお話 流石のトム・ハンクスと、プレスリーの妻を演じたオリヴィア・デヨングも綺麗が、後半の楽しみの一つでした^^! 主演のオースティン・バトラーは、クイーンのフレディを演じたラミ・マレックに匹敵するレベルの素晴らしさ! 何故、ワールドツアーをしてないの!?って思ってましたが、この作品観て理解出来ました。 ラストで、無くなる前の弾き語りの映像40過ぎって事ですが・・・ 見た目のイメージは、50後半くらいの貫禄と年輪を重ねた疲れ具合にも納得の半生でした。 観た感想は、全てがワチャワチャしてて私的には観づらく落ち着かない作品って感じで、2時間39分・・・・長かった^^;;;; ボヘミアンより観る人選ぶでしょうね。
エルヴィスの映画はたくさんあるけれど、間違いなく傑作!
子供の頃から憧れ続けたルーツロックのレジェンド、エルヴィス 今までさまざまな視点の映画がつくられてきたけど、こんなにも深く、ディテールに拘って、エンタメに仕上がった作品はなかったですよ!さすがムーラン・ルージュのバズ・ラーマン監督。 黒人音楽のゴスペルとR&Bを融合したROCKは、エルヴィスの本能がなければ生まれなかったし、今僕たちが聴いている音楽さえ変わってたかもしれない。パンクもヒップホップも、若者から起こるムーヴメントにはかならずREBELがあって、その最初の瞬間を目撃ではなく体験できるのです。 数々の伝説シーンと、そこにいたエルヴィスの想いがリンクして、エンタメなのにずっと涙が止まらなかった。写真でしか見たことのないテネシーの初ステージ、何回も映像を観た68カムバックスペシャルやラスベガスツアー、アロハフロムハワイなどで、当時のオーディエンスのように感動できたし、エルヴィスの意気込みに涙腺が緩んでしまいます。 42歳の若さで謎の死を遂げたキングオブロックンロールの優しさと哀しさがリアルに響いてきて、僕の記憶にある今までの伝記映画が全て陳腐になってしまいましたよ。 監督がこだわり抜いたディテールで、その時代にすっとタイムトリップできる映画マジックも堪能。50年代から70年代の時代背景に合わせたトーンやファッションやセット、映像手法や演出まで変えているのがすごいです。あとねマニアックだけど、バックバンドミュージシャンの弾き方や楽器まで、完璧に再現していましたよ。 そして子役時代からディズニーチャンネルで鍛えられた主演のオースティン・バトラーは、オスカーも狙える名演でした!顔は似てないけど、全ての世代のエルヴィスの仕草や癖まで研究され尽くしていて、この役への意気込みが半端ない。 オリジナルはもちろんだけど、ドージャ・キャットやマネスキンなど今をときめくアーティストのカヴァーや、サンプリングのサウンドトラックもカッコいい!キングを今の時代にイマジネーションした楽曲が、作品の質を上げている。 さまざまな書物を読んで、パーカー大佐の人物像は知っていたけど、人間味に溢れた描かれ方をしているのはよかった。名優トム・ハンクスの妙です。話にはなかったけど、エルヴィスが逝ってしまった翌日に凄まじい量のグッズやレコードが用意されていたり、不可思議に死後も儲け続けたパーカーもまた、ミステリーに包まれているんですよね。 もしかしたら彼は、苦悩に満ちたエルヴィスを、葬儀というフェイクで逃したのかもしれない。生存の確実な証拠に約3億が支払われるという懸賞金までかけられてるKINGだから、そんな思いを巡らせるのも楽しい。 もうねこの作品の魅力が書ききれません。劇場であと3回は観る。どうしようもない世の中で、幅広い世代にキングのLOVEを伝えてくれてありがとう😊
いくらなんでも3時間は…
懐かしい楽曲にラップを重ねる表現が新しくご機嫌なBGM。 ワクワクしながら楽しく観ているうちに空調効き過ぎて寒くなる。 なぜこんなに冷やすんだろ。 カッコいいシーンが続くも2時間を過ぎれば集中力も削がれ寒いから早く終われと願う後半は辛い。
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