エルヴィスのレビュー・感想・評価
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彼こそ「キング・オブ・ロックンロール」
世界を瞬く間に駆け巡ったそのニュース、
『エルヴィス・プレスリー』がメンフィスの自宅で死亡した
42歳だった
に接した時に、取り立てての感慨を持たなかったことを記憶している。
時に1977年の夏の盛りのこと。
当初は下半身の動きが卑猥とされ、
テレビでは上半身しか映されなかった。
『ビートルズ』が彼の家を訪問したいきさつ。
『パーカー大佐』との関係性。
などなどの、彼に対しての通り一遍な知識は持ち合わせており。
しかし、往時にテレビ等に映るその肢体は相当に肥満しており、
ステージ下で熱狂する多くの女性の姿を見ても
全くピンと来ることはなく、
その熱気の源泉に理解すらできずにいた。
まぁ、自分がガキんちょだったと言えば、それまでだけど。
しかし以降で、故人の人となりについての逸話や、
音楽史上で果たした功績に触れる毎に
観方は変わって来る。
実際は礼儀正しい好青年であり、しかし
周囲への愛情が深すぎるため
自分が抜き差しならない状況に陥ったこと。
若くしてスターダムにのし上がったため、
世間を知ることが無く、信頼した親族にもイイように食い物にされたこと。
肥満ですら、オーバーワークと精神的に追い込まれた結果であったこと。
そして本作。
『パーカー大佐(トム・ハンクス)』が狂言廻しとして登場し、
自身がスパースターを世に出し支えたことを得々として述懐。
加えて「キング・オブ・ロックンロール」の死に、自分に直截的な責は無く、
またマネージメントも正当であったことをつらつらと言い募る。
しかし、物語が進むにつれ、その裏の顔が次第に白日に晒される。
間接的にではあるにしろ、精神的にコントロールし、
早すぎる死への導線を引いたのは、疑いのないところ。
ある種、『ファウスト』と『メフィストフェレス』の関係性を想起させるのだが、
今作の手柄の一つは『エルヴィス』がどのようにカタチ造られたのかを
テンポ良く端的に披露してくれたこと。
その前段の、『パーカー大佐』の人となりを見せる一連のシークエンスでは
かなりの取っ付き難さがあるものの、その一山を越えさえすれば、
物語の要点はすんなりと頭の中に入って来る。
『エルヴィス』に対しての基本的な知識が無くとも、
すんなりと理解できるようになるムリの無い構成と進行。
監督・脚本の『バズ・ラーマン』の腕の確かさを見る。
また主演の『オースティン・バトラー』も素晴らしい。
ハンサムな容姿は当然のこと、就中その歌声や
(たぶん、時として実際の『エルヴィス』の声と
重ね合わせているようだが)、ライブアクトについても
パーフェクトな成り切りっぷり。
黒人に対して偏見の無かった『エルヴィス』ではあるものの、
「公民権運動」にはさほど関心を寄せて無かったとも聞く。
或いは「ベトナム戦争」についても、どちらかと言えば推進の立場だったとも。
人は誰でも聖人君子ではなく、表もあれば裏もあるのは自明のこと。
一つ被害を受けるだけではない側面を描いて見せれば、
人となりへの共感は寄り深まったろうにとも思う。
白と黒
エルビス・プレスリー・・・
名前は知っているが、リアルでは見ていない。
歌もあまり知らないが、どのような人物だったのか気になり鑑賞。
今から50~60年ほど前、白人と黒人が隔離された時代について、
初めてまともに学んだ気がした。
腰を動かして歌うことがこんなに問題なったのか。
ブラックカルチャーを取り入れたパフォーマンスが問題となり、
警察に監視されるとは。
何よりも、エルヴィスとパーカー大佐の関係性。
言葉巧みな大佐にいいように扱われ、騙され。。。
でも、大佐がいなければエルヴィスがここまでのスターになれなかった可能性もあり。
まさに白と黒、いつの間にやら持ちつ持たれつ。
エルヴィスの人生の浮き沈み、華やかなステージ上の姿と苦悩のプライベートの姿。
ここにも白と黒の対比。
この映画、エルヴィスだけでなく大佐も主役だったのか。
いや、むしろ大佐が主役?
エルヴィスを演じたオースティン・バトラーもよかったが、
やはり大佐を演じたトム・ハンクス、素晴らしい。
ボヘミアンラプソディほどの感動はなかったが、これはこれでいろいろと
感じさせる映画であった。
エルヴィス愛
エルヴィス・プレスリーってすごい人だったんだなぁ。
エルヴィスの伝記映画なのだから、大佐は脇にして、オーソドックスに感動できるように作ってほしかった。
実話だから仕方ないのだろうけども、なんだか、「エルヴィス」を利用して、エルヴィスを利用した大佐を描いた作品みたい。作品としては素晴らしいけど、エルヴィスの映画というよりも、バズ・ラーマンの映画って感じ(もちろんそうなんだけども)。
作り手に、エルヴィス愛があるんか?って思ってしまう。
オースティン・バトラーが演じるエルヴィスの歌唱シーン、パフォーマンスが最高に素晴らしかった。途中に変なもの、見たくないもの放り込まずにずっと見せてほしかった。
大佐カットして、編集し直して別ヴァージョン作ってくれないかな。
直前に午前10時の映画祭で「アポロ13」観たばっかりなので、トム・ハンクスの変わりように驚いた。
音響のいいスクリーンで観たかったけど、バス・ライトイヤーにおさえられてた。バズ・ライトイヤー観にいく人は音響気にしてないだろうに。
こういう作品こそ大きなスクリーン、音響のいい劇場で観せるべきなのに。
それにしても、プレスリー亡くなったの42歳って、残念だなぁ。
思いのほか政治色濃いめ
なんで今この映画なんだろう、って疑問は、映画が始まるとすぐに解けた。
黒人と白人が隔離されていた時代に、黒人カルチャーに影響を受けた。→Black Lives Matter
女みたいなメイクで登場 →ジェンダー問題
ケネディ、キング牧師の死…時代的に避けては通れないエピソードだとしても、政治色が濃ゆいなあ、と思いながら鑑賞。
バズ・ラーマンのギトギトした電飾の世界観とエルヴィスは親和性があるけど、
明確なピーク(はい、ここクライマックスです!なシーン)が分かりづらいので、
後半の落ち目のグダグダなへんが、悪目立ちして、とても長く感じた。
肥満の原因とされるドーナツは、なぜか出てこなかったけど、大人の事情でしょうか?
世の中が危ない時は歌に託せ
スキニーエルヴィス
エルヴィスの歌をちゃんと聴いたことはなかったし人気歌手という漠然としたイメージしかなかったが、運だけでない真の実力の持ち主であり、両親特に母親をとても大切にしていたこと、一人の女性を深く愛したことがよくわかった。
才能あるスターと、彼を見つけ、売り出したマネージャー。話の主軸はどちらか言うとマネージャーサイドかと思う。他人の才能に頼るしかない悲哀。もちろんマネージャーの商才によってエルヴィスは大成功するわけだが、出自は仕方ない部分があるとしてもエルヴィスの死後、ギャンブルしか残らなかったことを考えるとやっぱり凡人だったのかな、と。
オースティン・バトラーはあまりエルヴィスに似てはいないが、サプリミナル的に写真を差し込んでいたのではないかと思うほど時々エルヴィスにソックリな瞬間があった。また顔以上に、エルヴィスはもっと体型がムチッとしていた印象だが、本人も若い頃は細かっただろう。ラストで全身全霊で歌う彼のラストステージの映像を見ると42歳とも思えないくらいボテッと太っていて、色々あったのだろうと思わせ、オースティン・バトラーの細さが効果的だったのかも、という気もした。
いずれにしても、これまで主役級俳優とは言い難かった彼の熱演には、スター誕生の瞬間を見た気がした。
ちょっと詰め込みすぎたのかなんなのか
個人的には、時代背景も当時のことも
知識なく見たので、ちょっと難しかった。
音楽を題材にしてるので、もっと歌唱シーン多いのかなあと思いきや
歌唱シーンだけで初見でも楽しめるのかなあと思いきや
序盤の初めて歌唱中に腰を動かすシーンで、女性が人前でひゃああああああってあんなに発狂してるのえ?なんで?とちょっと最初引いたんですが笑、でも、当時のエルヴィスの映像が出た時に、確かに色気あるかもと、それで若干納得できました。笑
当時の映像を越える色気を出すのは難しいんだなあと思いました。
ただトムハンクスの嫌らしさが漂う演技は凄かった、、
人生を2時間半で描くには短いとは思うけど、映画としてはちょっと尺も多くて見疲れもするし、ちょっと詰め込みすぎたのかも。
エルヴィスというと、 僕の年代からすると一昔前の人だけど、 かれが...
エルヴィスというと、
僕の年代からすると一昔前の人だけど、
かれが作り出したロック界の偉大な功績を堪能できた。
若き日のエルヴィスがステージで歌い始めた瞬間の、
女性たちの熱狂する姿、
エルヴィスの歌声とダンス、
そして股間!!
股間の揺れと、女性の熱狂!!
股間を強調したいわけではないが、
パフォーマンス、
ショーマンシップ、
ステージのエルヴィスのかっこよさたまらなかったです。
そして、
華やかなステージとは別なプライベートの葛藤、
成功の陰には苦悩はつきもののようだ。
素晴らしい映画だったとは思うが、
映像の編集が変に狙って、
切り替えがたくみすぎたり、
トム・ハンクスが目立ちすぎに感じたので、
もっとエルヴィスに焦点を当てて、
苦悩のシーンも表現して欲しかった。
また、途中で使われていた、
エルヴィスの楽曲を現代風にアレンジしてラップを入れた音楽は蛇足に感じたが、
若い世代を取り入れるには仕方のない戦略なのかな。
自分はこの映画にわざわざラップ音楽を入れる必要はないと思う。
エルヴィスを全く知らずに観た。
音楽的な熱狂を体感
予告ではいわゆる ボヘミアンラプソディ 的なヒットを狙った内容で宣伝されているし ミュージシャン一大叙事詩 という部分ではかぶるのだが、作品のテンションという意味では真逆に近い
ボヘミアンラプソディはとにかくラストに全ての音楽的ボルテージが集約される作りだったが、今作はとにかくずっと ギャンギャン である笑
エルヴィスという人間の人生をキチンと整理して語っていく というよりかは エルヴィスが生み出した音楽的な熱狂そのものをずーっとハイテンションで体験させていく作りとなっていてもうとにかくずーっと興奮しっぱなしであった
エルヴィスのルーツになっている黒人音楽というものの格好良さ、足を動かし出したエルヴィスに熱狂する女性たちの抑えきれない興奮など、編集のリズム感覚とかカットバックの使い方とかとにかく全てが 熱狂 としか言いようがない何かを見事に表しており本当に凄い。
音楽面については 当時のエルヴィスの音楽をそのまま使わずにアレンジ面も含め現代的な音圧になるように調整されており全編にわたってここまで音楽がカッコいい映画は中々無い。
とにかく エルヴィスかっけぇ!! となることに全シーン全力が注がれており、例えばエルヴィスが一度自分のスタイルを曲げて不評を買うシーンも、そのカッコ悪い歌の場面自体は映像としては出さないなど エルヴィスが歌うシーンはカッコいいところ以外は絶対描かないぞ!! という作り手の強い意志を感じる。
トムハンクも流石の演技力。良い人じゃない役もキッチリ出来るんだな笑
大満足!
有名な…
こう、レジェンドと言われる歌手は何かしらの過去があるよね。
エルヴィスは、歌は聞いたことあったけど、そこまで人物像や歴史は知りませんでした。
壮絶、というより周りと時代に翻弄された、という印象。
今でさえある程度守られていたけど、まだそこまで整備されていないとここまでになるのか、という。
そんな中でもやっぱりかっこいいんだよね。
歌唱シーンとか見入ってしまう。
話的にちょっと整理できていない感じがして、展開が分かりづらかったのが残念。
最近、昔のアーティストの映画が多いけど、歌手の魅力、というよりは、物語に振った内容でした。
キラキラに目が喜んでいる。
1971年の秋、デニス・サンダース監督のドキュメンタリー「エルヴィス・オン・ステージ」の封切りを、確か丸の内ピカデリーで観た。高校1年生の小僧は、ベガスのなんたらも知らなかった。オッサンのくせに、派手な衣装で懐メロなロックで熱狂させるパワーに目を見張ったのが、エルヴィス・プレスリーの初体験。ヒット曲の数々や、ダサい歌謡映画の数々はテレビ放映などで知見はあったが、ライブでの彼はコレが最初だった。このドキュメンタリー作品は大ヒットし、続編の「エルヴィス・オン・ツアー」も公開されたが、こちらはあまり印象が無い。オン・ステージのインパクトが強すぎたようだ。
本作「エルヴィス」は、そんなラスベガスでの成功を後半の軸に、そこへ至るエルヴィスとパーカー大佐と呼ばれるマネージャーの、アメリカンドリームの旅の物語。メンフィスの少年エルヴィスが、スターへ駆け上るストーリーは、黒人排斥運動や公民権運動との歴史的流れとシンクロさせて描かれる。エルヴィスの音楽のルーツが黒人のR&Bやゴスペルにあり、BBキングとの親交も含め、黒人へのシンパシーを持ち続けたとされている。
トム・ハンクスがオスカーを獲った「フォレスト・ガンプ 一期一会」のエピソードに、エルヴィスがガンプの動作から独特の腰フリを編み出すというシーンがある。一種、エルヴィスの生みの親というお笑いネタだが、本作の全権を持つマネージャーのパーカー大佐は、まさに本当にエルヴィスを創った人物だ。「エルヴィス」は、今年の賞レースでは外せない作品となるだろうが、トム・ハンクスの、幾重にも嘘を塗り固めた油断ならないパーカー大佐役の熱演も、高評価されると断言できる。トムとエルヴィスの、なんとも言えない因縁を感じる。
名作「ムーラン・ルージュ」をはじめ、監督作品すべてでゴージャスでカッコいい描写にキレがある、バズ・ラーマンの腕が冴える。さらに目眩くスピード感とリズム感が冴えるモンタージュ、そして編集の技も相乗効果で、煌びやかなアメリカンショービズの世界がスクリーンに溢れかえる。そのキラキラはエンドロールまでをも観客の目を楽しませる。
アメリカ史に残るレジェンドの生き様
誰しもが知るエルビス・プレスリー
ただ同時代に生きた訳ではないのでどういう人物だったのかまではわからなかったが、燦然と輝くレジェンドのダイナミズムに酔いしれました。
オースティン・バトラーがまさに今プレスリーの如くプレイするステージパフォーマンスの激情に震えました。
背景の歴史も人種隔離政策や保守派の弾圧、今で言うトキシックマスキュリティや、相次ぐ暗殺。
そんな中、苦悩しながら歌うエルビス・プレスリーが今なお語り継がれる魅力の1片が見えた気がしました。
トム・ハンクスの老獪なマネージャーも見応えバッチリだし、大好きなアメリカンクラシックカーがたくさんでて眼福。美術、衣装も素晴らしい。
ただ驚いたのは他の方がレビューで、エルビスは酒、タバコはほぼ飲まなかったという点、調べてみたら本当らしいので、そこをどう捉えるかでだいぶ評価はわかれる気がします。
しかし、オースティンバトラーの熱演は間違いないので個人的にはとてもおもしろかったです
音楽良かったよ
短命が運命なのか
最初のエンターテイナー!
私が産まれたのはビートルズが日本に来た年
エルヴィスは生きていた、ビートルズも健在
ジャクソン5はまだデビューもしていなかった
そう、幼い頃から劇的に変わっていく世界の音楽を目の当たりにしてきた
その最初がエルヴィス・プレスリーであったのかもしれない
彼が歌っていた姿は映像からわかるが何を思い幸せだったのかどうなのかはこの映画からでもわからない
最高の瞬間を何度も何度も味わって人の一生のあり得ないほどの感動を世界に与えてきたことでしょう
ジョン・レノンやマイケル・ジャクソンもそうだったようにエルヴィスも世界を変えるためだけに産まれて来たのだろうか
神の使いのような存在に思えてしまう
もう一度彼の歌を聴き直してみようと思うのです
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