エルヴィスのレビュー・感想・評価
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エルヴィスが歩んだ道
1977年8月某日。湯川れい子氏は、日本に滞在中のレノン夫妻にメンフィスのエルヴィスが亡くなった日の地元新聞を土産として届けた。ジョンは「スーパースターというのは、才能を持ったアーティストが才能を持ったマネージャーと出逢うことで生まれる。スーパーマネージャーとそこで食うか食われるか、殺すか殺されるかのせめぎ合いをしなければ生まれないんだよ。」「エルヴィスの場合はかわいそうにエルヴィスが先に死んでマネージャーのトム・パーカーが生き残った。僕たちの場合は、ブライアン・エプスタインが先に死んでくれた。だから僕がまだ生き残っているんだ」と語ったという。まさにこの映画の主題のひとつである。エプスタインはパーカーを師と仰ぎ、彼に様々なアドバイスを求めた。
バス・ラーマンは単なるミュージシャンの伝記ものにしたくなかったんだろう。エルヴィスは本人の意図とは関係なく、欧米における文化や価値観の変遷の大きな担い手となった。
そういうエルヴィスをパーカー大佐を語り部として描いたことは、少々説明的ではあるが、彼の戦略は成功している。
豪華な映像とカット割、今風にアレンジされた音楽。賛否分けれるところではあるが。エルヴィスの服やプリシラの服の再現度が高い。
エルヴィスは人種の壁をらくらくと超えていった。都合の悪い人達は、彼をバッシングした。キング牧師の演説を全て覚えていたという。事実はプリシラではない映画の共演女優と一緒にキング牧師の葬儀のTVを見て泣いた。アカペラで彼女の前でアメージング・グレイスを歌った。混乱しているエルヴィスを見て、パーカーは何もコメントを出すなと念を押した。TVスペシャルのリハーサル中にケネディが暗殺された。エルヴィスは、ギターを弾き、これから僕のすることを見てほしい。今こそ皆がひとつにならなければならない時だからと言った。
70年代の大掛かりなステージはその後のショービズ界に少なからず影響を与えていると思われる。もともと動きやすさから提案されたジャンプスーツは、アリーナ公演で映えるように鋲やラインストーンが散りばめられ、照明に映えた。
そんなエルヴィスを演じたオースティン・バトラーはジョン・トラボルタを彷彿とさせはするが、頑張っている。どちらかというとエルヴィス本人より男性的なルックスのため、前半は何か違うなと思う部分もあったが、後半の大人になり男っぽくなったエルヴィスには、思いの外似ている。
パーカーには似てないが、トム・ハンクスはいやらしい位うまかったが、ちとしつこい。
またリトル・リチャードはゲイで有名だが、アルトン・メイソンは、その雰囲気も醸して最高だった。少年の時に見たアーサー・クルーダップ。蛇足ではあるが1976年頃にヨーロッパのファンクラブの会長がエルヴィスと会った際にあなたの目指したものは何だったんですかという質問に対するエルヴィスの答えは、「子供のときに見たアーサー・クルーダップが本当に格好良くて、いつかあんなになりたいと思ったんだ。それが僕の目標だったんだ」と答えた。エルヴィスは自分が成し得た事を本当の意味で理解していなかったのではないかと言われている。
映画の質とは関係なくエルヴィスを見たい人にとっては、不満が残る。ステージをフルで見たいのに、パーカーのセリフが被る。パーカーの出番をもう少し減らしてもストーリーの本質は保てると思う。
一番盛り上がるという点では、ボヘミアン・ラプソディー宜しくハワイの衛星中継の舞台で終わればいいんだけど、それは許されない。
最後まで描くことでこそエルヴィスとパーカーの構図になるのだから。
1977年のエルヴィスの映像は残酷だが、そこには終始一貫して変わらない純粋無垢なエルヴィスがいる。あまりハイスピードでスターの座を駆け上がったエルヴィスは普通の若者が通る大人への階段を登れなかった。いくつになっても少年のようだったと言われている。それでも彼の笑顔は素敵だ。本人の名誉の為、このコンサートはピアノを弾いているから座っているのであって、他の曲は立って歌ってる。
そしてこの素晴しい歌声にエルヴィスの短くも長く辛い人生に涙する。
多分ファンが一番スツキリしないのはプリシラの描き方だと思う。生きているので忖度はしかないのだけど。
エルヴィスの崩壊の要因は母グラディスの死から始まったと言われている。そして古く悪質なマネージメント、最後はプリシラ・ショック。1972年2月のラスベガス公演にやって来たプリシラは空手教師のマイク・ストーンと一緒に暮らすためリサ・マリーを連れて家を出ると告げ、ボロ雑巾のようにエルヴィスを捨てた。このことにより破滅的な生き方に拍車がかかった。プリシラをグレイスランドに置き去りにして浮気していた本人も悪いが。新しい恋人が出来てもプリシラへの未練は断ち切れなかった。何故なのかは、わからないけど。
ボン・ジョヴィは武道館でハートブレイク・ホテルを、スプリングスティーンは代々木で日本のファンのためにと好きにならずにはいられないを、クィーンとモトリークルーは監獄ロックを日本演奏した。ライブを見るチャンスがなかつたレッド・ツェッペリンも胸いっぱいの愛をの間奏で、
メス・オブ・ブルースやパーティーなどエルヴィスの曲をちょいちょい入れてる。全てはエルヴィスにつながる。
エルヴィスは誰も歩いてことのない道を唯一人進んでいった。後の人たちは、その道を通り新たな道が続いている。
是非エルヴィスの通った道を見てくだい。
音楽映画はハズレ無し
中々見応えがあった。前半は音楽とともに成り上がっていく物語で飽きない感じではあったが、後半はやはり物語として落ちて行くので、話としては面白くもなく、何故大佐にあんなに心酔しているのかもう少しわからせても良かったのではと思う。
前半のカットが早すぎて疲れる。
エルヴィスを見て感じたこと
1 エルビスプレスリーの生涯と周囲の人々の関係を描いた伝記。
2 全編を通すと、プレスリーのおよそ20数年に渡るエンターテイナーとしての浮き沈みが整理されていたと思います。その中で、黒人音楽との出会いから徴兵までの前半が良かった。お馴染みの「ザッツオールライト」や「ハウンドドッグ」の元歌も聴けたのも良かった。彼が歌うときの独特の動きや服装はメンフィスで慣れ親しんだ黒人のシンガ-から学んだもの。南部で生まれそだった彼からすると自然なものであった。ローカルスターから全国的に紹介されると、若者には衝撃を与え、時代の寵児となったが、大多数の大人たちからは社会道徳や倫理観、人種隔離の根本規範を乱すものとして規制を受けた。 こうした中、徴兵に行くきっかけとなった慈善コンサートでのパフォーマンス。ファンの声が彼の心に規制に反発する炎を燃え上がらせ、彼はリミッターを振りきった。「トラブル」は今聴いてもゾクゾクしてきます。
3 後半では、失意の映画乱作時代を経て、歌手の再出発とステージ中心の活動が描かれた。その中では、大掛かりなステージに合うように「ザッツオールライト」をアレンジしていく様やステージの再現が垣間見えたこと、また、再出発後は、プロテストソングなども取り入れ、幅が出てきたことが描かれていたのは良かった。
4 終わり方については、ドキュメンタリーみたいになつてしまったのは残念。弱った状態でのステージ場面や死を悼むシーンはやっぱり寂しい。
なお、マネージャーの扱いは、ひとり語りのシーンは不要だし、簡素化しても良かったと思う。
5 プレスリー役の男優は、地の顔は映画グリースにでていた頃のジョン・トラボルタに似ているように思えた。それでも恥ずかしそうに笑ったときの口元の表情や俯き加減で不機嫌そうな顔付きはプレスリーのそれであった。そして歌唱は見事であった。
哀しい男の物語
観覧後、速攻でエルビスプレスリーの曲を検索すること間違いなし!
Versus
エルヴィス・プレスリーという名前自体は知っていましたが、その人物の歌と半生はよく知らなかったので7月公開作の中でも本命◎グリグリで鑑賞。
音楽に対しての苦悩、売れる売れない、闇と光、とかを描くと思いきや、マネージャーとの確執により苦しみ続けるエルヴィスの姿が全体的に描かれていました。いやーそっちじゃないんだよなーと。観たかったのはステージの彼だったのに…。
バズ・ラーマン監督がもっと長いバージョンを作りたいと仰られていたのも頷ける程ステージのシーンやレコーディングのシーンが少なくて中盤はウトウト…。マネージャーの剛腕でとにかく操られているエルヴィスの姿を全面的に押されたら音楽映画での心震える体験が尻すぼみしてしまっているように思えました。
もちろん、オースティン・バトラーの動きで魅せるアクションや歌唱は本当に素晴らしく、ここを…ここを!ピックアップして欲しかったなと思うくらいの迫力がありました。これは大スクリーンでこそ映えるものだったのでこの長所を伸ばして欲しかった…。エルヴィスが生きた時代の背景の華やかさはとてもよかったと思います。
歌唱良し、演技良し、ストーリー構成△…。なんだか惜しい映画でした。求めていたものとの相違の結果なので刺さる人には刺さる、そんな作品だろうなと思いました。自分には掠った程度でした( ¯−︎¯ )
鑑賞日 7/3
鑑賞時間 10:40〜13:30
座席 G-13
エルヴィス・プレスリーの人生、壮絶過ぎる❗
エルヴィス・プレスリーの人生、壮絶過ぎる❗
フレディ・マーキュリーの映画も、エルトン・ジョンの作品も、彼等の悲しみや辛さ、人生の負の部分が描かれてたけど…、う〜む本作品は特に凄くて…エグかったなぁ😨
でもライブシーンは良かったです🎶
オースティン バトラー 初めて知りました。 凄い人!
エルビス プレスリー この名前を知らない人は ほぼ居ないと思いますが、晩年の 肥満体になった話だけ覚えてます。
大好きな ドーナツの食べすぎで ステージで履いていたズボンが破れたとか何とか。
そんな嘘っぱちな話だけ 信じていた私はバカでした。
こんな天才の歌を よく聴いておくべきでした。
今 聴くと 心に染みてきます。
失速するジェットコースター
様々な技法が組み合わされた、監督の高い技量を感じた映画でした。
常時流れる音楽、過去の映像、サスペンス風の構成、ドローンを使った?アクロバットな画角、ジェットコースターの様にノンストップで進んだのはザ映画を感じさせられ大興奮でした。
一方で後半はシリアスな展開となりましたが、かなり間延び感がありました。
大佐視点が逆に首を絞めているかな、という印象です。ボヘミアンラプソティーに似せたくなかったのかもしれませんが、ストレートにライブに取り憑かれたエルヴィスを描いた方が深くなった気がします。
エンディング、エミネム他のエルヴィスサンプリングだったと思いますが、ここもストレートにエルヴィスのベストメドレーか、過去のリアル映像が観たかったですね。
オースティンバトラーの神がかり演技に舌を巻いた
エルヴィスは好きなのですが、オースティンバトラーをあまり知らず、彼に演じられれかな、なんて思っていてあまり興味がなかったのですが、友達に勧められ観て、ビッグスクリーンで見て正解でした。 神がかったような演技、エルヴィスが乗り移っていましたね。 ボヘミアンと異なり、一部オースティンバトラーが実際に歌っているとのこと。 あるインタビューでは、年代により声色が代わるエルヴィスを見事演じ分けているとのこと。3年もかけて役作りしたらしいですが、さすが。見た目はこそまでエルヴィスに似てないですが、最後はエルヴィスにしか見えませんでした。 エルヴィスと同じく、オースティンも幼くして母を亡くしているようですね。共感が役に人間らしさや厚みをもたらしたのでしょう。 トムハンクスの怪演もお見事。 華々しい人生の裏にはこんな悲しいドラマがあっただなんて、知らなかったです。 映画化してくれたパズラーマンありがとう。 ジョナサンリースマイヤーズが出ているエルヴィスより数段良かったです。 また黒人の運動やケネディなど、当時の情勢にからめたのもよかった。 ブラックミュージックからそこまで影響を受けていたのも知りませんでした。 こんなにも偉大な人の早すぎる死を想い、最後は涙せずにはいられませんでした。 また劇場で見たいです。 トップガンも好きでしたが、私はそれ以上に本作が気に入りました。 オースティンバトラーには是非アカデミー賞取ってほしいです。
もっと音楽が聴きたかった。
エルヴィスプレスリーの…
エルヴィスプレスリーという存在は、知っていたけどどんな人とかは知識が無く見始めました。
映画が始まるとすごい影響力を持った存在だなと改めて感じた。それは、この映画もそうだけどこの人に似ている日本の歌手とかも多い様なって感じだからです。
自分の家族の為に一緒懸命な姿とても誠実でかっこいい。だけど、その人気を利用しようとするマネージャーがとても悪い存在であったのがエルヴィスの悲しい末路に繋がってしまうのかと思うととても残念な気持ちになったな。
真っ直ぐな存在だからこそ人の欲望の中で翻弄されてしまう。
フレディとは、また違った映画であったけど、音楽と人物像がとてもかっこいい映画であった。
金と名声の為に苦しみながらも男としての生き様を見た様な気がした。
個人的には、幕末の武士達の様な自分の信念を通してそれでも無念さを残す様な所を感じたかな。
あと、マネージャーのトムハンクスが全く気づかずにみていてエンドロールで驚きました。
パーカーが居なかったら本物のKING of Rock'n Roll…になれたかも
僕はElvisは神様と思っているけど、それはやはり50年代にRock(ロカビリー)というジャンルをポピュラーにしたのと、サンレコード時代のなんとも艶っぽい歌(Xmasアルバムもゴスペルぽくて好き)は唯一無二と思うから。MLKもまだ活動してない頃から黒人音楽に心打たれ、畏敬の念まで持っていたところも尊敬できる(白いとんがったシーツの団体発祥の州でだ)
その辺りはとても分かり易く映画にしてくれてるんだが、一曲だけでも良いからこれぞElvis!て曲をじっくり見せて欲しかった。Elvisをよく知らない若い人も感動する様なシーンを。
ただね60年代後半のステージはRockとは呼べない…大金持ちが金持ちの為に歌うElvisショー。やはり Rockに金持ちは似合わねえなあ。
南部の秀でたミュージシャンは悪魔と取引してたから早世してしまうのが悲しいが、Duane Allmanはもっと生きていて欲しかったけどElvisは…どうだろう…いやElvis本人が一番辛かったかもしれない。
PSプリシラがあんなに良い奥さんだったと知れたのも収穫。
素晴らしかった
若くて何もない時期からスターに上り詰めていく時の熱狂ぶりが最高だ。ビリビリダンスもいいし、女の子が発狂するさまがすごい。
エルビスが現役の時がうっすら記憶にあるのだけど太ったおじさんで、石原裕次郎も当時太っていて二人に共通するものを感じていたら二人とも若い時はすごいかっこいい。ひらひらのついた衣装がかっこわるいと思っていた。亡くなった時は特になにも感じなかった。食パンにバナナを載せてピーナツバターを塗ったのが大好物でそれを食べすぎて太ったと言われていたので、そのパンを爆食いしている場面を待っていたらなかった。
音楽ときらびやかな演出が素晴らしくて長くても全然飽きない。エルビスの曲を字幕付きで聴けていい。特にクリスマス特番の文学的な、厳しい現実とそれでも希望を持ち続けようというような内容の曲が歌詞が分からないと全然ピンとこないだろうからよかった。
キングオブロックンロール
エルビスの曲が歌声が感動的、そんな内容を期待しながら鑑賞したが全編曲は流れるのだが大佐の語りが耳障りに思えるほど曲が心に入って来なかった、ストーリー的には歌手と個人マネージャーの関係性はいつの世も何かあるんだがここまで貪り続けていたとは思わず。
実話ではあるがまだまだトムパーカー大佐という人物を深く描かれて無い気がする、トムハンクスが憎らしく思える程ハマり役だが大佐の鬼の部分は隠されているような気がする、でなければ42で命を落とす事も無かったのではないかな、大佐がスターダムに押し上げたのは事実だがマネージャーが違う人物でもゴスペルやR&Bに感化されたエルビスは黒人音楽を世に広めたのだからスターになっていただろう公民権運動など人種差別が問題になっていたこの時代にふさわしいヒーローだった
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