劇場公開日 2022年7月1日

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「現代を思い出させないで!その時代に浸りたかった。」エルヴィス momoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5現代を思い出させないで!その時代に浸りたかった。

2022年7月10日
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エルヴィス・プレスリーのLPレコードが者心ついた頃には部屋にあった。両親が若い頃に買ったレコードで、子守唄のように自然と聞いて子供時代をすごした。

日本でも多くのシンガーが影響を受けていると思われる。
学生時代はユニコーンの阿部B、今のABEDONが黒いガムテープでもみあげを作って顔の両サイドに貼り付けて、プレスリーの衣装で人生は上々だを歌うのを観て楽しんでいた。プレスリーのステージパフォーマンスはファンを魅了するのがよく分かる。だから色んなアーティストがマネをしたくなるのだ。

そんな幼い頃から親しんできたプレスリーをオースティン・バトラーが演じてくれた。とても良かったと思う。
若き日から恰幅のいい晩年まで素晴らしかった。

ただ、音楽映画としては本当にひどい。
観客はプレスリーが観たいしプレスリーの曲が聞きたいのだ。
それなのに途中で現代音楽や効果音的BGMはいるか?
ノイズにしかならないわ。
完璧に邪魔で耳障りであった。
エンドロールでも容赦なく。
ヒップホップなどない時代にタイムスリップして余韻に浸っているのだから変なアレンジの曲で邪魔しないでくれと思う。
誠に残念。

伝記的映画は、どの視点から描くかで随分と変わる。
この映画でエルヴィス・プレスリーが誤解されるような可能性も感じたし、エルヴィス・プレスリーを取り上げるという題材はいいのに惜しい作品だったかな。

映画の後に女子トイレに行くと面白いことが分かる。
女子トイレは混んでいて大抵並ぶので友達同士で来ていると感想を言い合うのを聞くことが出来るからちょっと楽しい。
年配の女性が沢山並んでおり、歳格好は自分の母親くらいに見えるので、恐らくリアルタイムでエルヴィス・プレスリーが好きだった世代のお姉さま方だと思う。
プレスリーをリアルタイムで好きだった女性たちからしたら、後半はだいぶ事実と違い都合よく脚色されていたんじゃないかような感想も聞いた。

momo