「衝撃的だった… 純朴な青年がショービジネスの世界にズタボロにされてゆく!」エルヴィス ぴーちぱいさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃的だった… 純朴な青年がショービジネスの世界にズタボロにされてゆく!
まず驚いたのが、アメリカの黒人差別・白人至上主義が音楽にまで及んだ時代があったこと
白人であるエルビスがゴスペルやR&Bがルーツである曲を歌うことで、
黒人文化と白人文化が融合される、と社会問題にまでなる
白人と黒人は、音楽でさえ、ひとつになってはいけないのだ
自分らしいパフォーマンスが許されず、苦悩するエルビス…
しかし!
一生悩まされたのは、狡猾で、言葉巧みな
パーカー大佐の存在だろう
まさに、エルビスの背後霊のように取り憑き
死ぬまで稼がせ続けた
パーカー大佐は、エルビスに、
ショービジネスの世界で高く飛べる翼を与えた
しかし、とまり木で休むための足をもぎ取った
アメリカを出ることもできず、薬漬け、孤独と戦いながら、
飛び続ける鳥のように、エルビスには歌い続けることしか
残らなくなる…
手に入れた栄光とは裏腹に哀れだった
では、パーカー大佐は根っからの悪党だったのか?
エルビスへの愛情がなかったとはいわない
しかしそれは、金の卵を産む鳥を愛でるような
いびつな愛情ではなかったか?
それとも、エルビスのほうが愚かだったのか?
…と、思わせるこの辺のビミョーな表現を、
大御所トム・ハンクスが見事に演じていて
さすがだった!
また、このパーカー大佐の視線で
物語が進行するところも、おもしろかった
ショービジネスの世界で、自分のスタイルを貫いて
生き残っていくのは並大抵のことじゃないんだ…
と、しみじみ思った
フレディ・マーキュリー然り、マイケル・ジャクソン然り…
人気絶頂なのに活動を休止したBTSもいろいろあったんだろうな…とか、
鑑賞後ぼんやり考える自分がいた
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