劇場公開日 2022年7月1日

  • 予告編を見る

「Black+White=💞ELVIS💞」エルヴィス talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5Black+White=💞ELVIS💞

2022年7月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

オースティン・バトラーがとにかく良かった。歌声、歌い方、話す声、眼、ヘアメイク、衣装の着こなし、ステージ上の動き、表情、涙。どれだけのプレッシャーと緊張の中でエルヴィスと向かい合ったのか。ブラック音楽に対する感性とオープンで自由な態度。そして家族、特に母親への愛。ピンク・キャデラック登場!オースティン=エルヴィス、最初から最後まで息子を見守り祈るような気持ちで映画を見ました。

兵役でドイツへ行ったいきさつは映画の通りなんだろうか?エルヴィスのドイツ語による歌:"Muss i denn, muss i denn..." ビロードのように柔らかで深みのある甘くて艶のあるエルヴィスの声。ドイツの民謡なのに、エルヴィスが歌うとまるで別物になる。もう行かなくちゃ、旅に出るからという歌詞だから、映画の中でもその歌は聞きたかった。エルヴィス、どれだけ世界ツアーをやりたかったろう。

エルヴィスの影響力はすごい!映画「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」で東ベルリン側に居た男の子(主人公の子ども時代)は西からの放送を聞いてロックンロールを聞きまくってはママに叩かれてた。エルヴィスのようなダンスもしてた。

編集がとても良かった。保守とリベラルがせめぎ合い、63年のケネディ大統領暗殺、68年のキング牧師暗殺、カウンターカルチャーの台頭と60年代の合衆国がリアルに伝わってきた。オープニングとエンディング・クレジットを飾るキラキラはアメリカの女の子たちの胸をときめかせたエルヴィスそのものだ。エンディングにはエルヴィスがジャンプスーツに使ってた(と思う)ベルトや飾り(ギター🎸やピアノのモチーフ入りもあり)が両脇を飾っていて美しかった。

映画「ナイトメア・アリー」同様、ショービジネスの根本は見世物だ。大佐は音楽のことは何も知らないと言っていたが、儲けるための見る目はあった。海千山千のおじさんに見込まれ結局訣別できなかったのが、エルヴィスの運命だったが大佐が彼のマネージャーをやってなかったら?

迷子のエルヴィスの出口は悲しいけれど離婚後も妻が彼の支えとなり繋がりがあったのは救いだった。エルヴィスを超えるミュージシャンは出ないだろう。字幕監修に湯川れい子さんの名前を見て安心!

おまけ
コディ・スミット=マクフィー(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のピーター役)が出ていてびっくり!相変わらず細くて不思議なオーラがあった。劇中、エルヴィスに感化されてメイクするようになった変化(似合ってた)が面白かった。主役オースティンと共にこれから注目していきたい!

この映画の撮影はオーストラリア。そこでトム・ハンクスはコロナ陽性になったというニュースを聞いて心配したことを覚えている。ハンクスはナレーション上手い。特殊な顔&ボディメイク、凄かった。

talisman
みかずきさんのコメント
2022年7月9日

共感&コメントありがとうございます。

ミュージシャンにとって、観客の熱狂は、魔物だと思います。
観客の熱狂を越える喜び、達成感を見つけるのは至難です。
観客の熱狂の虜になってしまったのは、ミュージシャンとしての宿命だったと思います。
彼は、観客の熱狂を糧にして、人生を駆け抜けたと言えるのではないでしょうか。本望だったと解釈します。

-以上-

みかずき
ねもちゃんさんのコメント
2022年7月8日

共感&コメントありがとうございます
今日改めて少年エルヴィスを観察しましたが本当にどこから見つけて来たのかと…感心しかないです🍀

ねもちゃん
シネマディクトさんのコメント
2022年7月8日

talismanさん、いつもありがとう!トム,ハンクス、特殊メイクだったんですね。役作りで太ったんだと思いました。

シネマディクト
満塁本塁打さんのコメント
2022年7月5日

イイねコメントありがとうございました。トム・ハンクスはメイクでしたか?パンフ購入したものの精読せず、自然劣化かと思ってました。ナイトメア・アリーと共通の感覚。兵役等のストーリーの疑問はごもっともです。多分、兵役の赴任先も優遇されたでしょうし(シンボルですから・・)ロバート・ケネディ、キング牧師への想いも「真相はわからない。かなり想像で「盛っている」」のは「物語」ですから仕方ないですし、許容範囲ですねぇ、スマホも📱、ネットも、監視カメラも高性能の携帯型録音機も、簡易なカメラもない時代事実はいくらでも想像で拡大しますねぇ。良いと思いました。最初と最後も含めデザインの秀逸さはこの監督の持ち味ですねぇ。「古き時代を古いままリアルに描く」のバズ・ラーマンの作り込みの素晴らしさは最高ですね。でも当時のショービジネスを生き抜くには「トム・パーカー」のような「胡散臭くて狡いけど・・海千山千で百戦錬磨のマネージャー」は必要だったと思います。勿論横領はされたみたいですが、トムハンクス演じるパーカーなければ、エルヴィスの成功は無かったと思います。ネットもSNSもコンプライアンスもハラスメントもない時代。イイ相棒だったと思いました。既に1970年台のエルヴィスは「昔のおじさん」ですから、ラスベガスは最適の興行場所だったと思います。海外は無理目だったと・・長文すみません。ありがとうございました😊\( ˆoˆ )/

満塁本塁打
PR U-NEXTで本編を観る