「はみ出し者」ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
はみ出し者
期待を裏切らない出来だった。
悪党共が世界を救うわけなのだけど…そのシステムにも動機にも納得のいく設定だった。
グダグダとやらない所も小気味いい。
作戦が始まってから2日間くらいでカタがつく。なのだが、しっかり起伏も作られていて実にスムーズに物語が流れていく。
そして「え!?」って思えちゃう事が目白押しだ。
主人公達は基本的にヒーローではなく犯罪者達なので、道徳に縛られる事もなく、正義を執行する義務もない。思うがまま、思いついたまま、自分に正直と言えない事もない。だからこそ、枠組に捉われないというか、枠を意識する必要もない。
そんな原点から発想されるアレやコレやに意表を突かれてしまう。
ゴアな表現も結構キャラクターを表現するに効果的で、この描写が入る度に、このチームが正義の味方ではないって事をいちいち認識させられてしまう。
いわゆる、各々のキャラに準じた行動と結果が紡がれていくような感じだ。
そんな悪党達にも一欠片の良心はあるようで、それが作戦成功に関与する要素なのも小憎らしい。
Queenだけは「なんかこっちのが楽しそう」って雰囲気を最後まで捨てなかってのも◎だ。
そんなこんなで、かなり練られた脚本で、楽しかった。その他のギミックも楽しいし。
crazyと思えたのは、怪獣の倒し方だった。
巨大生物に群がるネズミがウィルスにしか見えない。
コロナに食い荒らされる人のようで…タブーにガッツリ踏み込むブレない姿勢に思えてしまった。
とにもかくにも、悪党が悪党のまま、世界を救うってコンセプトは完遂されており監督の手腕に唸る。
原作とか読んだ事はないのだが「これぞ!」って思える出来なんじゃなかろうか。