「ガン節ガンガン炸裂!!」ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
ガン節ガンガン炸裂!!
DECEASED クセがすごい個性の塊!"暴力 言葉のプロ" & 特盛濃厚キャストが仕掛ける強烈劇薬カオスの余韻後味から抜け出せない!
彼の言わずとしれた代表シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(GoG)』と共通するのは、犯罪者や【はみ出し者】に落ちこぼれたちが即席チームでヒーローになるという大枠そしてメッセージにもなる根幹の部分。
また、本作がいくらブッ飛びクレイジーだからと言って『GoG』で見せた胸アツ涙腺崩壊ドラマ性を蔑ろにしているわけではない。本作でそれを担うのがブラッドスポートとラットキャッチャーの【(疑似)親子/家族関係】。『GoG』で言えばヨンドゥとスターロード、あるいはガーディアンズの中におけるグルート。やもすればエルバは『ジュラシック・パーク』のサム・ニール。前回のカッコいいウィル・スミスを凌ぐくらいメチャクチャ最高な"黒い貫禄"エルバ、百発百中じゃないとこの決死部隊タスクフォースXのリーダーは務まらない?娘、大切。
FIRE! 見るからにやべぇマキャベリストなジョン・シナもノリノリでサイコー!サイコ?この2人のキャスティング凸凹組み合わせ秀逸。毎度ながら鬼才ジェームズ・ガンの"トモダチ"戦友盟友マイケル・ルーカー、映画オリジナルキャラT.D.K.に扮するネイサン・フィリオン、そしてスタローン。
スタローンと言ったら『ランボー』『エクスペンダブルズ』と【"戦場(バトルフィールド)としての途上国"、あるいは独裁国家・軍事政権のそれ】を活かした社会は側面もあるアクション映画を長年にわたり撮ってきた功労者であり、そんな彼の功績にも本作はある意味で報いているのかもしれない。
前作(?)エアー版スースクに続きヴィオラ・デイヴィスの役柄はやっぱりヤバい。予告から期待していた通りリック・フラッグは前作にも増して格好良いけど、やっぱり前作と同じく相手側に捕まりすぎ?
クソったれた世界を救う、それだけ --- ジェームズ・ガンはジェームズ・ガン、彼はやはりクソやばスゴかった。一貫して確固たるビジョンを持った歪んだ脳内と自由すぎる発想に溢れた型破りなアイツが帰ってきた!オファーを受ける条件は"誰を殺してもいい"?誰がいつ死ぬか分からない!ディズニーの傘下で今や一大ブランドになったMCUではできないことをワーナーDCで好き勝手やっちゃう。表現の幅として本来の作家主義に原点回帰するような行きすぎやりすぎクレイジー、メインストリートのならず者。取り扱い注意の完全ルール無視で相変わらず我が道を突き進んでいる。
キッレキレな中毒性エグい。開始早々ド肝抜かれるようなものすごい前フリ布石で、その後も進んで"地雷"を踏みに行くように予期せぬタイミングで"答え"を与えてくれる。映画偏愛タランティーノにも通ずるようなセリフの応酬と暴力描写、それらが作品を形作るクセ個性として見る者を独自の中毒性にハメる。安易安直なファンサービスを拒むようなサプライズや裏切り。時に自らの首を絞めかねないくらい切り札をバンバン捨てていくようにとんだ隠し玉を持った食わせ者である一方でふとしたときの拍子抜けなんかも結果的にバランスいい。何より毎回最後、帰結するところは王道に映画的カタルシスに満ちていて感情的にも満たされるから、道中何やって暴れ回ってもいいという天才的にイカれたバランス感覚の持ち主であることを今回再確認・確信した。
テンポの良さと頭のおかしさが光る(←褒めてます)!例えば事ある毎に画面に出る文字情報タイトルなども一歩間違えれば鼻につくものになるけど、そういうバキバキコテコテしさなんかも彼の手にかかれば不思議なマジックに感じられるからスゴい。集合体恐怖症 vs 集合体恐怖症、キモい大王スターロとネズミ軍団。数に数をぶつける圧倒的気持ち悪さ含め、今回も記憶に残る未だ見たことない画が展開される。今年トップレベルに楽しみにしていた、今週公開の必修科目!!
P.S. 盟友枠で言うとMCUで共に活躍する、こちらも天才監督・俳優タイカ・ワイティティもか。同じく今週公開『フリーガイ』も出ている!