「ガン印の新生SS…いや、ペスターvsネズラ!」ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ガン印の新生SS…いや、ペスターvsネズラ!
DCの悪党チームが再任務!
…じゃなくて、新生!
しかも、“リーダー”を替えて。
その指揮を執ったのは何と! “ライバルチーム”のジェームズ・ガン!
経緯や“あちら”との訳あり諸事情はすでに知られているので、割愛。
旧SSはかなり厳しい意見多くも自分はそう嫌いじゃないが…、ゴメンナサイ、今回の方がずっと面白かったです、ハイ。
のっけからイケイケ、アゲアゲ、ノリノリ!
全編途切れる事無く。
鬼才にして異才にして奇才にして、ちょっと変人?…が、新たなアクション、ユーモア、個性強過ぎの“極”悪党たち、過激なバイオレンス、魅力を引き連れて、“新生SS”任務開始!
“新生”と言っても、一部のキャラが続投なのがユニーク。
ヴィオラ・デイヴィス演じるアマンダ、ジョエル・キナマン演じるフラッグ大佐、ジェイ・コートニー演じるキャプテン・ブーメラン。
そして勿論、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クイン!
やっぱり、彼女は彼女じゃないとね。
ガンは同じ事は繰り返さない。
“SS”の説明は開幕数分で済ませ、メンバー紹介もほとんどせず、いきなり任務へ。
任務内容は、とある島に潜入し、ジャングルに潜むゲリラ部隊一掃。
ところが、逆に待ち受けられ、ハーレイとフラッグ以外全滅…!
実はこれは陽動。別に潜入した“本隊”があった…!
スーパーマンをクリプトナイトの弾丸で瀕死にした事のある最強スナイパー、ブラッドスポート。
正義の為なら持論を突き通す。ヘンテコマスクで筋骨隆々の同じく凄腕スナイパー、ピースメイカー。
ソリが合わず、常に火花バチバチ、ミッション中も張り合う。クールなイドリス・エルバvs無骨なジョン・シナ!
ネズミを操る不思議な能力を持つ少女、ラットキャッチャー2。
水玉模様のコスチュームを着る陰キャラ青年、ポルカドットマン。
中でも抜群に目を引くのが、サメ人間“キング・シャーク”! 知性はほとんどナシ、スキを見せたらマジで食われちゃうほど危険な奴だけど、本当は友達を欲していて、つぶらな瞳が可愛らしい。声担当はシルヴェスター・スタローン!
彼らに課せられた“本任務”は…
島は軍事独裁国家。
その街中にそびえ立つナチスの置き土産の建築物内で行われているという極秘の“スターフィッシュ計画”。
それを秘密裏に阻止する。
やベーミッション!
挑むはこちらもやベー奴らなんだけど…
頼りがいありそうな奴もいれば、役に立つんだか立たないんだか分からない奴も…。
いやいやそもそも、“チーム”として団結出来るのか…?
今回のミッション、コイツら、大丈夫なのか…?
炸裂しまくりのガン・ワールド!
まず、ユーモア。
軽妙で、チクチク刺し合い、とんちんかんでおとぼけで、それが絶妙な笑いを生み出す彼らのやり取り。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の手腕が素晴らしく発揮され、旧SSでいまいち弾きれなかった笑いが弾けた。
過激なアクション×バイオレンス!
今回の特筆点は、これ。
頭脳味噌吹っ飛び、顔面半分吹っ飛び、手足吹っ飛び、身体引き裂け、ペシャンコ…血まみれ人体破壊祭り!
決して小さなお子様には見せないで下さい…。
あの『GoG』のエンタメ派監督が…と思いきや、
実はガンは『GoG』に抜擢される前は、インディーズ作品でエログロ悪趣味の作品を手掛けていたのは有名な話。
言ってみりゃ、初心に戻ったような作風。
ヒーロー映画で出来なかったやりたい放題。
さらに、“あちら”への鬱憤晴らしも…!?
ただ過激なアクション×バイオレンスや笑い、際立った演出だけじゃなく、ドラマ部分もそつなく。
ドラマ部分の肝は、若い2人のラットキャッチャー2とポルカドットマンだろう。
自分は何者か…?
孤独な少女(ラットキャッチャー2)と、娘と疎遠の父(ブラッドスポート)の間に芽生える絆。
ネズミが唯一の友達のラットキャッチャー2。彼女が幼い頃、亡き父に掛けられた言葉が温かい。
実は誰よりもピュアなキング・シャークも含め、いつの間にか“仲間”になっていた。
そんな彼らを引き裂こうとする命令、裏切り…。
が、悪党であっても、悪党にも譲れないものがある。
命の保証ナシの激ヤバミッションに立ち向かっていくクライマックス・バトルは、興奮&迫力&意外や感動も…!?
さてさて、ガンに率いられた新生SSだが、ハーレイは敵の捕虜になり途中まで単独行動。合流するのはクライマックス・バトル直前。
脱出する際、大立回り。背景が花咲き乱れる印象的なビジュアル。
他にもガンならではの印象的で幻想的なビジュアル・シーンが多々。
そして、クライマックス。
ド派手な塔倒壊!…で終わりじゃなかった。
その中から現れたのは、すでに解禁されているから言っても大丈夫だろう。
怪獣出現!
宇宙から来たので一応宇宙怪獣なのだが、ヒトデ型の何処かチープなデザイン、見せ方、街を破壊しながら進む暴れっぷり…。
日本の特撮モノの大ファンというだけあって、ガン、分かってらっしゃる!
最後も面白かったね。何故ならまるで、ペスターvs幻のネズラではないか!(←これ分かった人、相当の怪獣マニアです)
酷評レベルだった旧SSとは比べものにはならないほど、今回は全米絶賛。
が、残念ながら、興行的には比べものにはならないほど差を付けられ…。
まだまだコロナ禍というこのご時世、アメリカでは劇場公開と同時に配信…それらが要因だとか。
期待外れと見るか、それとも…。
『ゴジラvsコング』『ブラック・ウィドウ』『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』『ジャングル・クルーズ』…。
今年の夏は久々にハリウッド大作を堪能。
愛着度では『ゴジラvsコング』だけど、やベー面白さでは本作が一番だったぜ!
となると、続編も是非作って欲しい。
ED後の映像も気になるし。あ、勿論、“イタチ”の方がね。
ガン、“あちら”と和解したけど、現在唯一一人のDC×MCU掛け持ちの難任務を続けて~!
それはやはりあなたが天才だからです!