「なぜ作ったのか理解に苦しむ続編」マトリックス レザレクションズ REXさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜ作ったのか理解に苦しむ続編
うーん、はっきりいって残念。
これ以上、最高傑作の1をかすませるような続編を作らないでほしい。
・一作目を振り返りすぎ
・セルフパロディが多過ぎ
・バレットタイムを移動するアナリストの動きなど見せ方がチープ
・音楽で盛り上がておきながら、寸止めされるアクション
・延々と説明を聞かされ、話が進まない
・全体的にバトルの緊張感が感じない
新しい用語が続々登場して、全体像を把握するのが難しい。
結論的には、機械側(アナリスト)がトリニティーとネオをDNAから再構築し、マトリックス内で無限ループを作り出したのは、二人の求め合う愛の力が人間電池としてコスパがいいから…(しかし覚醒してしまうとマトリックスからいなくなるので、適度な距離感で求め合うのがいい)ということだが、それでは、バックスが最初観ていた「古いコード」の無限ループ世界は不要では?このバイナリーの必要性が謎。
スミスの立ち位置も中途半端で、新しい創造主(アナリスト)から支配されたくないから彼を抹消したいのかと思いきや、ネオの覚醒は邪魔だという。無限ループから脱出するには、ネオの覚醒が必要だから敵対する理由はないのでは?
いずれにしてもマトリックスからどう抜け出すのか…というところはもっと緊迫感もって演出してほしかった。
1でトリニティーに助けられたネオが今度は逆の立場になり、トリニティーを覚醒させるという点はいいのだが。
結局アナリストのことも倒さないし、大多数の人間電池を解放するという目的はまた1と同じで、振り出しに戻った感がある。
ネオとトリニティーを失い電力不足必至のアナリストたちとの戦いが、新しく勃発するのだろうか。それとも必要犠牲とみなし、アイオの人間たちは、羊は羊のままにさせておくこと望むだろうか。いずれにしても過去に電池戦争を起こした機械たちが、みすみす二人を放置するとは考えにくい。
でも、これ以上同じパターンを繰り返す連続ドラマ仕立てになっていくのは勘弁なので、これで最後にしてほしい。
あなたは、与えられた筋書き(人生)を追い心に反して生きる、生け贄の羊のような存在のままでいいのか?と問いかけるテーマは変わっていないが、それが1を観ていない人にどこまで刺さるか。
同じ日にみたキングスマン ファースト・エージェントでも羊が出てきたが、あっちの羊は凄いぞ(笑)。
関係ないがアイオに飾られていた、蝋燭でまつられたモーフィアス像がチープだったことが妙に笑えた。この新作、なんとなく予算が足りなかった感じもする。