「クソエー」モータルコンバット 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
クソエー
ポール・W・S・アンダーソン監督の出世作として1995年にも映画化された人気ゲームがリブート。
ゲームはノープレイ。95年版と未公開続編は昔に見た事あり。
ゲームの映画化モノだし、格闘アクションものだし、内容も簡単そうだし、日本人俳優も出てるし、フツーに楽しめるかと思ったら、
つまらねーゲームの事をよく“クソゲー”と言うが、これからはつまらねー映画の事を“クソエー”と呼ぶ事にしよう。
久々の、駄作であった!
冒頭のステレオタイプな日本描写は仕方ない。所詮ハリウッド。“時代劇”ではなく“サムライ・アクション”なのだから。
失笑してしまいそうな魔界描写も仕方ない。そもそもは金の掛かったB級作品なのだから。
…いや、その“そもそも”が問題。
中身ナシのストーリー、心動かされる事ナシの演出、薄っぺらい人物描写…全てがダメダメ。
そんな事はさておき、バトル!バトル!バトル!
しかも、容赦なく激しく、グロい。
それさえ見せりゃいい!…作り手側の知能指数のレベルが窺い知れた。
でも、ファンからすれば、それが魅力。だからおそらく今回のリブート映画化は大成功だろう。
ただ自分としては、途中から何だか頭くらくらし、疲れてしまった。
それでも頑張って最後まで見たのは、我が日本の誇る日本人俳優の参戦があったから。
“選ばれし戦士”を導く浅野忠信も悪くなかったが、やはり何と言っても、真田さん!
こんなクソエーでも、作品を締める堂々たる演技力と存在感、そして今年61歳ながら魅せるキレッキレのアクション!
千葉スピリッツは永遠に健在なり。
他のレビュアーさんと同じ言葉を重ねるが、
真田さんがカッコ良かった!(★採点と印象の“興奮”はほとんど真田さんへ)
もし、お二方が出ていなかったら…、
考えただけでもゾッとする。
何だか続編というか、シリーズ化もしくはユニバース化構想があるそうだが、それこそ私にとっては、“フェイタリティ”!
にしても真田さん、個人的に演技力や実力は渡辺謙以上だと思ってるのに、ハリウッドからのオファーはキテレツな作品が多い印象が…。
本来の実力を活かせるオファーを、どうかこの世界レベルの日本が誇る名優に!
(それから、久し振りに日本映画にも出て欲しいなぁ…)