DUNE デューン 砂の惑星のレビュー・感想・評価
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ダンカン、コノヤロー(涙)
本作はフランク・ハーバートのSF小説の映画版。かつて映画化されたようなのだが、その当時は
砂よりも小さい存在だったため、観たことはない。
小説は読んでいないが、おそらく人類が宇宙帝国を築いた未来を舞台に
出自が謎めいている不思議な力を持つ高貴な身分の青年ポールが
過酷な環境の中生き抜くために独自の生態・技術・信仰をもつ先住民との交流を通して
成長していく物語だと推察する。
この第一作の段階では謎や伏線がさしずめ劇中に出てくる砂虫(サンドワーム)のように張り巡らされていて、
今後どうなるのか砂嵐の中を歩いているように先が見えない。
しかし予知能力を持つ主人公が視た未来は大きく分けて2つ。
1つは先住民の少女に聖剣で刺され、赤い血を流し砂漠の中で息絶えるという未来。
もう一つは先住民と同じく青い目をもち、自らの一族を滅ぼした皇帝勢力の軍勢と戦い
移住前の領地であった青く緑豊かな惑星で勝鬨を上げている未来。
はたして主人公はどの未来に導かれるのか?
あるいはまた別の未来を切り開くのか?
本作で特にカッコよかったのは主人公ポールも敬愛する軍隊のリーダー的存在の「ダンカン」
彼の皇帝軍に対する無双感、そして命を賭してポールとその母ジェシカを守る男気に思わず感動してしまった。
まだ線の細い主人公ポールだが、願わくばダンカンのようにまっすぐに大切なものを護れる男気溢れるリーダーに成長してほしいと願ってやまない。
そして、この作品もまたこれまでの人類の歴史と現実社会への風刺が効いている。
まるで、デューンこと惑星アラキスに吹き荒れる金属をも切り裂く砂塵のように身を切らされる思いだ。
デジャブのようなSFアドベンチャー
SF映像は、壮大だが、もう慣れっこになった。ただビルヌーブの映像感覚は、独特のDUNEの世界観を描き出す。「ブレードランナー2049」などと似ていると言ってしまえば、それまでだが。個人的には、こういう雰囲気は悪くないし、宇宙の虚無感も表現されているように感じられる。
ストーリーは、皇帝に裏切られたアトレイデス家の物語で、スターウォーズのスカイウォーカー一族はそれになぞられる。何かデジャブを観ているかのような思いに駆られる。しかし、これだけ内容に酷似点があっても、演出次第で、全く違う雰囲気の作品になる。時代がどんなに変っても、人間の持つ業は変わらない。大宇宙を舞台に描かれる人間ドラマは、遠い未来とは思えない。
IMAXで観たかった
あんまりって意見もちらほら見かけてたけど、おもしろかった。後半若干だるかったけど寝えへんかったし。
世界観!
公開して時間が経ってたせいでIMAXで観れず。無念。
続編楽しみー。
あこぎで狡猾なハルコネン家VSかわいそうなアトレイディス家
デイビッド・リンチ版を見た人はみな見ているはずの「DUNE砂の惑星」
父は、身内に裏切られて、ハルコネンの手に落ちる。
母は、息子の教育中。
砂の惑星には、秘密がいっぱい。
ハルコネンがやったこと。できなかったこと。
皇帝のたくらみ。
デビッドリンチ版の方が、私は好きだ。
カオス感は、むこうのほうがある。
しかし、今回改めて本作を見て、納得した部分も多いので、高評価です。
納得のいく映像作り
原作小説の映像化ということもあり、ストーリー(プロット)面では疑問を浮かべたくなるような箇所もある。(特に政局面)
しかし映像作りにおいては、美術、衣装、セット、舞台、ロケーションがこだわり抜かれていた。
CGが気になる部分はあったものの、兵士が浮遊しながら降下する場面などは素晴らしかった。
物体をどれぐらいのスピードで移動させるか。ゆったり感。無駄な音楽を廃し、物体の移動だけに視線を集中させる。そのような間の取り方は素晴らしく、『ブレードランナー2049』を継承しながらもさらに発展させた映像づくりになっていたと思う。
アカデミー賞予想
有力:視覚効果、美術、衣装
ノミネート:作曲、撮影
ノミネート可能性もあり:監督、作品
続編ありきでの製作とはいえ、単体の映画としてラストが弱かった(迫力に欠けるものだった)。
とはいえ主人公にとって倫理的に重要な出来事だったのだろう。(主人公の成長)
母・息子の関係性がどう発展していくか、続編では注視したい。
ヴィルヌーヴは「母」というものを重視する監督だ。
主人公が父・部下・仲間を失い、裕福な立場から何にも守られない孤独な放浪者となる様が丁寧に描かれていた。
追い詰められていく悲劇性はよかっただろう。
今作においては映像作り面での素晴らしさが際立った。
『ロード・オブ・ザ・リング』に類する大作だと言えるだろう。
大作ではあるが、典型的ハリウッド大作(派手で、豪華で、轟音で、興奮する、エキサイティングな大作)とはまた異なる大作の形として、『ロード・オブ・ザ・リング』の系譜に加わった。(リドリー・スコット的かも知れない)
『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の前例同様、完結編を待っての大量受賞もありえる。そのため1作目での受賞は抑えられるかもしれない。
古典だけあって「手垢のついたSF」に見えてしまうのが残念。それぞれ...
古典だけあって「手垢のついたSF」に見えてしまうのが残念。それぞれのガジェットの映像的な見せ方は上手いんですけどねぇ。一方で、例えば、今回のオーニソプターを見ても、ふーんだけど、ラピュタでは、始動、巡航、加速、着艦収納と、色々と表情を見せていて、逆に宮崎監督の凄さを感じてしまいました。壮大な物語の序曲なので、まだまだ評価不能。とりあえずの点数です。
【遂に登場!歴史的超大作SF"予告"映画DUNE 】
一言で言うと「凄まじく完成度の高い、盛大な予告映画」である。この映画だけでは評価できないので、続編に期待したいところ。
〜初感〜
娯楽として楽しむ作品というより、現代の映像技術によって再現されたDUNEの世界観、及び映像と音響が醸し出す古典的な雰囲気を味わう作品。喩えるなら、日常的に飲む安いワインというより、年代物のヴィンテージワインを口にする感じ。そういった性質があるからこそ、改めて本作を映画館で鑑賞して良かったと思える。それぞれのワインに合うチーズがあるように、この映画を鑑賞する場として映画館は適していたと思った次第である。
映画全体においてここまで明度が低い色彩(茶色と灰色)を扱いつつ、部族的・民謡的な音楽を使用し、そこに重低音による音圧を組み合わせるという尖った演出。舞台の都合上、色味に任せた派手な演出ができない中で、芸術的なまでに美しい映像と音響表現を施したドゥニ・ヴィルヌーヴ監督にただただ脱帽した。冒頭のエピグラフに「夢は深淵からのメッセージだ」とあるが、この映画自体が夢を見ているかのようであり、この映画が含むメッセージをどのように受け取るかは、人それぞれ違うのだろう。皆さんはどのようなメッセージを受け取りましたか?
〜DUNEという映画を取り巻く歴史的な背景、他作品への影響〜
原作は1965年に刊行されたSF小説『DUNE』。
これを1968年に映画化しようと試みたポドルフスキー。当時、映像化はできなかったものの彼によって書かれた資料が後のSF映画に与えた影響は数知れず…また原作は『スターウォーズ』『風の谷のナウシカ』にもインスピレーションを与えたという。本作『DUNE/砂の惑星』の映像化に至るまでに原作が与えた影響、映像化に関する歴史的な背景があまりにも厚みを増しており、純粋に作品単体として良し悪しを評価できなくなっていると感じる。研究対象になり得る作品とでも言えばいいのだろうか…
〜音響について〜
圧巻の音響。鑑賞後に言葉の出てくる洋楽、邦楽を聞きたいとは思えなくなった。というわけで、シュトラウスの『英雄の生涯』という曲を聴いて帰りました。
〜映像の色彩について〜
茶色と灰色ばかりの世界をよく描いな。
映画の中の色彩の好みがわかった。もっと鮮やかなのが好き。服の色彩も意外と大事。
〜独特の映画体験〜
◎冒頭の始まり方が独特
通常の映画であれば、ワーナーとレジェンダリーのロゴが出る前に、エピグラフが入らないし、劇中のサウンドが前置きなくいきなり始まらないと思う。今作は「夢は深淵からのメッセージだ」のエピグラフから始まり、ワーナーのロゴも映像に溶け込んでいる。ロゴから既に映画が始まったかのような感覚。
前半は眠くなったが、それすらも演出だったのではないかと思わされる。まるで、後半は夢の世界にいたかのような没入感だった。特に、アトレイデス家が襲われてからの脱出からは目が離せなかった。
もう一度見たいと思うというより、もう一度見ねばと思わせてくれる作品。一回見ただけでは物語の全容を把握し切ることが難しい。登場人物たちの思惑が渦巻きすぎて、誰目線で物語を見るかによって役者の表情が意味する非言語的なメッセージを受け取りきれない。
〜感情移入について〜
キャラクターの掘り下げや育ってきた環境については鑑賞者の予備知識に委ねられており、映画の中では深掘りされないため、兄貴的な存在であるダンカンが死んだシーンで泣くことができなかった。とはいえ、人物の背景を事細かに描いていたら、何時間かかるんだという作品のため、泣ける映画として捉えない方が無難に楽しめる。
〜SF映画というジャンルについて〜
さて、皆さんは、「SF」というジャンルに対して何をイメージするだろうか?
・高度に発達した人工知能
・人間の遺伝子を改変した生物たち
・超次元的なロボット
〜映画館での個人的な教訓〜
◎コンタクトで映画は見ないこと▷目が乾く
◎予習とネタバレについて
予習のし過ぎも考えものである。特に、映画を鑑賞済みのYoutuberが「ネタバレなし」といいつつ出す用語解説動画は気をつけたいところ。彼らは鑑賞したが故に、無意識のうちにネタバレに近いことをポロッと吐き出すことがある。これは、資金力・労働力の制約などの要因から自身の動画がネタバレになっているかどうかを吟味できていないことにも由来する。つまり、大半のYoutuberは論文の査読と違い、自身の動画の校閲を十分にしているとは言えないのである。特に、「動画の再生数」や「チャンネル登録者数」を増やすためにホットな映画を扱いたいという目的のYoutuberの場合、見る人への配慮が足りないということが多い印象を受ける。おそらく、本人も自分がネタバレ発言をしていることは意識していないのかもしれない。しかし、これから鑑賞する人にとっては見る意欲を削ぎかねない。
ネタバレに関して別の見方をすると、A君にとってネタバレでないことが、B君にとってはネタバレになるということもある。ここでわかることとしては、ネタバレの許容範囲には個人差があるということだ。これは、ストーリーの大まかな流れを説明することが、ある人にとってはネタバレになりうるということだ。自分がどんな情報をネタバレと感じるかどうかは、映画に限らず多くのコンテンツを見る前に把握しておきたいところである。
そのため、予習をする際は①自分のネタバレの許容範囲を知っている友人からの解説、②映画公開前の用語解説動画、③公式サイトの用語解説サイト、あるいは妥協点として④原作のみを読んだ人の解説にとどめておく方が良いだろう。自分は予習をし過ぎて、このPART1の映画がどんな幕切れをするのか知ってしまい結構萎えた。
◎自身初となるヴィルヌーヴ監督映画を鑑賞
『メッセージ』『ブレードランナー2049』も見てみたいと思った。
◎SFの醍醐味とでもいうべき、現実世界とは全く格別した世界観が楽しめる
そして、この映画に登場する役者たちは実際に住んでいるかのような生感がある。
◎映画に合わせて刊行された新訳版の『デューン/砂の惑星』を読みたくなる。
◎砂漠における過酷さ、水の大切さに対する描写が少ない。
劇場で見るのが1番だと思う
出遅れで鑑賞。IMAXで見れたけど見た後4DXでも見たくなって出遅れたことに後悔。
めちゃくちゃ面白かった。
悪の坊主3人組みのシリアスマッドマックス味が好き。
羽ばたいとる!!
あの飛行機がグッと来ました。ジブリっぽくて素敵!
原作的にこっちが元ネタなんかな?
読んでないのでわかんないです。
2部作ってことで、評価なんとも言えんですが、、
少し物足りない感じでした。
まぁ、物語はこれからってとこなのでしょうがないかも?
映像とか綺麗だし、主人公が憂いを帯びたイケメンってのが最高。暗くてよくみえん感じがリアルでよかった。
サンドワームもデカくてカッコいい。
ツッコミどころとしては、
あの能力強すぎ。あんなんやれるヤツもっと迫害されるっしょ。危険過ぎて皇帝に一番に殺されると思うんですけど、対抗手段あるんかな?
採掘機、サンドワーム来たら脱出機と連結して持ち上げるシステムだったけど、最初から採掘機に実装しておけば良いだけでは?
休憩で再利用水飲んでたけどツバより絶対オシッコだよね。
敵襲撃、あんなデカイ戦闘機とかでバンバンミサイル打てるのに、外であんな白兵戦になるかな?
スターウォーズとかゲームオブスローン好きな人にオススメっす。
秀逸な映像と音楽
デヴィッド・リンチ版が一話完結(一応)だったので
こちらも一話完結と勝手に思ってました。
皇帝が出てくると思っていたので、ちょっと残念。
次回以降に期待です。
箱の中に手を入れて我慢するシーンは、そういえばそんなのあったなぁという感じです。
対人戦闘のシールドは薄くなり、ハルコンネン男爵の気持ち悪い吸引シーン(?)は無し。
母上は息子より早く走るし、ジェダイみたいなこともできるし強いです。
機械のデザインも凝ってて、映像と音楽はなかなか楽しめました。
緊迫感はありましたが、ストーリーは全部終わってみないと
良し悪しがちょっと分からない感じです。
砂漠の王
何十年ぶりかに観た「DUNE」
めっちゃ進化してるし面白かった。
もはや当時の記憶は無いにも等しいのだが…こんな物語だったとわ。
王道の展開にも思えるのだけど、主人公の未来を見通す力がなかなかに曲者で…漠然とした選択をするのではなく、彼は時にその未来に反抗したりする。
観ている未来も1つではなくて、それが何に作用されてビジョンを変えるのかは分からないのだけど、明確な意思をもってその未来を変えていくのだ。
そんな反骨精神溢れる性格なのに、あの容姿。気品漂う横顔。男の俺が見ても綺麗だなと思う。
おまけに声による強制睡眠みたいな能力も持ってて、なかなかにワクワクするキャラなのだ。
どうやら何部作かになるみたいで、本作はpart oneと銘打たれてた。名家のボンボンが砂の民と合流するまでが描かれてる。
皇帝の政治力とか、敵勢力とかサンドワームとか見所はいっぱいあって、何より胸を躍らせてくれるのはSFの空間表現。
…もうホントに素晴らしい!
何十年も前のDUNEもSF超大作ではあったのだけど、当時の評価としては俺の中でも低かった。
作品の内容に映像が追いついていかないような印象があった。物語としては面白いが…みたいな。
ところがだ!
その物語を何倍にも広げてくれる映像の数々。
想像の斜め上をいく宇宙船の造詣とか、都市の雰囲気とか、内部構造とか…クリエイターの想像力を存分に堪能できる!
初見のサンドワームの異様さったらない。
圧倒的な存在感で、今作でも一際目立つ。
今まで夢でしか登場しなかったヒロインとも出会うのだけど、なかなかに衝撃的な出会いだった。
この粗野な感じも、なんかいい。
おそらくならば、皇帝に反抗する勢力を率いていくのであろう。なのだが、細部を彩るギミックが何から何まで魅力的で…楽しみでしかない。
主人公の数奇なる運命を見守っていきたい。
そうなのだ…。
ここまで映像が特化してたら主人公云々とかはもはやどうでもいいのだが、今作に限っては違う。
彼を追っかけたい。
砂に覆われた世界を揺るがす星で、彼は何を成し遂げていくのか。
お飾りではない主人公の存在感に、監督の手腕とティモシー・シャラメの可能性を感じてしまう。
始まり
IMAXレーザー/GTにて鑑賞。
内容は、良くも悪くも始まりの物語といった感。
世界観や、物語の前段となる部分の説明がほとんどで、いよいよこれから話が前に進む!というところで本作は終了。
次回作をお楽しみにするしか選択肢がないというワナw
感想も何も次に期待するだけ、それだけです。
IMAXドアップで画がもつ美少年を愛でる
原作も過去作も何も知りませんが、スターウォーズにも影響を与えてる昔のSF小説が原作だな、くらいの知識で観ました。
二部作前提なので、ストーリーは多少盛り上がりに欠けるんだろうと思っていましたが、その通り欠けました。2時間半でこれだけ?という感じ。ゼンデイヤちゃんがちょっとしか出ないし。やっと始まったなくらいです。
メカやガジェットはとてもおもしろいです。トンボのような戦闘機(?)は素敵。保湿スーツも機能はまぁそうでしょうって感じだけど、デザインがジェンダー配慮な感じで新しいなと思える。
そしてそして、IMAXカメラをフル活用した映像や音響はぜひ映画館で観たほうが良いです。
IMAXカメラで撮った現代最高峰の映像でティモシー・シャラメのアップ。IMAXにまったく負けないシャラメは必見。動きのあるシーンでは上下のスクリーンの大きさを意識した構図になっています。砂漠を歩くような無機質なつまらないシーンになりそうなところも映像美で魅せます。
複数作品の構成は否定しませんが、マトリックスなどのように一発あてなきゃ次がないくらいのつもりで作ってくれたらなぁと思いつつ、期待値が高くなかったのもあり、楽しく観ることができました。
絵の迫力は凄い
砂の惑星は大昔のSF小説で、中学の頃に読んでいるはずですが、すっかり忘れていました。王蟲とかジャバ・ザ・ハット(ん、というか、あの宇宙船を飲み込むウツボみたいな方か?)と言った芋虫系の大ボスみたいなサンドワームが支配する星でしたよね〜。
超能力の女性種と、麻薬でワープ航法に長けたミュータントみたいな種族が設定であったのですが、その辺りはすっ飛ばし、王子様の放浪冒険譚になっています。
それでもすごいSF映画ですよ、こりゃ〜。サンドワームの迫力、アラキス星の街の景色、トンボみたいなヘリコプター、どれも1級品のSFです。ただ、人間ドラマ中心なので、それをチラッとしか見せないのがニクイね〜。
なんか、すごい作品をみたんだろう、ということはわかるのですが、心の整理が追いついていない感じです。
基本設定やあらすじを頭に入れてから映画館に行こう!
DUNEの原作は、海外では非常に有名な全6部(日本の文庫だと全17巻)からなる長大なSFシリーズです。その設定や世界観はスターウォーズや風の谷のナウシカにも影響を与えたと言われています。
「砂の惑星」はそのシリーズの第一部であり、今回の映画はその前半部分にあたります。
原作がそれだけ有名なためか、ビルヌーブ監督も、いちいち説明しなくてもみんな大体わかるっしょ!とい感じで、基本設定や用語はサクサクッと流れていってしまうので、油断すると置いてけぼりにされてしまいます笑。なので多くの低評価があるのも理解できます。(採点もそれを考慮してマイナス1にしています。)
私自身は、遠い昔に原作小説を読みデビッドリンチ版の映画を鑑賞済みで、その上で事前に復習してから鑑賞したので、なんで何回も女の夢見るの?お母さんなんで超能力が使えるの?敵のボスがなんで宙を浮いてるの?箱に右手を突っ込めと言ってきたおばさんは誰だっけ?等々、なんとかフォローできました笑。
観客に知識がないと楽しめないというのは娯楽映画としてどうなんだという指摘はあるかと想いますが、それだけの理由でこの映画をスルーしてしまうのはもったいないと想います。
ぜひ基本設定やあらすじを頭に入れて(できれば原作小説を読むのがベスト)IMAXで観てください。自分が本当に砂の惑星に降り立ったような臨場感とストーリーへの没入感が堪能できます。
あと第一部故に、負け戦の鬱展開から少し希望が見え始めたところでのTo be continuedが、低評価の一因にもなっているかと思いますが、めでたく第二部の製作も決まったようで、めでたしめでたしですね!
左、上、下、右
かつてSF少年だったことがあるので、フランク・ハーバートの原作は知っていたが、読んだことはなかった。デヴィッド・リンチ版も大昔見たけれど、覚えていない。
今回の映画化はとにかく映像と音響の迫力が凄い(IMAXで鑑賞)。ドゥニ・ヴィルヌーヴは「メッセージ」の時もそうだったが、臨場感の醸成に秀でている。サーダカーの襲撃シーンやトンボ型ヘリコプターでの脱出、砂嵐への突入など、矢継ぎ早に連打されてへとへとになる。ヴィルヌーヴ監督とは「渦」で出会ってからいろいろ見てきたが、このようなSF大作をものにするようになるとは感慨深い。堂々たるものである(ただ、以前のようなニューロティックな作品もたまには手がけてほしいが)。
物語の上では香料の利権という設定になっているが、中東の石油を巡る欧米諸国の介入の暗喩のようにも見える。フレメンの佇まいはベドウィンのようだ。
視力検査のようなタイトル・ロゴも面白い。たぶん左、上、下、右だと思います。
原作に忠実だと長大すぎてつまらないのかもしれない
最大級のIMAXスクリーンで見たら大迫力ですごかった。ただ、座席のネット予約で敗北したというか、前の方の席しか空いてなかったから、首を上下に振らないとスクリーンの上から下まで見えなかった(笑。臨場感は当然すごくて飽きなかったけど。
印象に残ったのはサーダカーとハルコンネン軍に襲撃されて要塞都市みたいなのが壊滅するシーン。西暦(?)1万年以降のことだから兵器の性能や威力がとんでもなく発達してるような感じで、兵士も要塞都市自体もそれぞれ不思議なシールドで守られていたところ、案の定シールドが解除されてしまい、おびただしい数の大小の飛行体から砲撃され、巨大な建造物が次から次に大爆発。ロードオブザリングとかプライベートライアンとかいうレベルの市街地、要塞の砲撃じゃなくて、100倍とかそれくらいあるように見える要塞都市の巨大建造物が次々と1発で吹っ飛ぶから、ふつうはみんな逃げまどうか一瞬で消えるかするだろうと思ったら、シールドも火器も無いのにさっきまで寝てた恰好で刀みたいなものを振り回して地上で敵に反撃するアトレイディスの兵士たち。絶対負けるしありえなさすぎて信じられないけど、いかにもな感じで大迫力で展開するので信じかけてしまうというか、ちょっとドラマチックすぎる(笑。そういえばアトレイディス軍て「万歳!」みたいな感じで「アトレイディス!」て全員で声を合わせて叫びがちな感じだったから、愛国心が強いんだろうなあ…のちに遠くから要塞都市が燃えるのをポールが眺める場面になり、やっぱ主役なのねって感じだった。てかポールって名前なんなんだろう。なぜ宇宙のみんなが英語で話すんだろう…
原作は全然知らないけど長編小説シリーズらしいし、今回の映画版はスッキリしない終わり方というかPart 1だし、映画化の限界というのは本当かもしれない。もう少し言葉とかがわかりやすくて楽しみやすい映画にしようと思ったら大胆な翻案が必要なのかも…リンチ版の映画ではそのつもりだったのかな(笑。大胆に翻案したらスターウォーズになるということなのかな。まあ続編が楽しみです。
続編があるのだろうが、酷すぎる。
全てがパクり。
部分部分が、これまでの映画のコピーだ。
全体はスターウォーズ。
忍者映画や、怪獣映画等だ。
そう言う映画と思ってみるならば良いが、そうでないなら笑いから怒りになる。
良い点と言えば、映画館で観るべきスケールの大きさは感じる。
後編早く観たい!
皆さんの口コミや評価通りの作品でした。飛び抜けて面白い作りではありません。極めて上品に作られていて、ジョークもありません。初回作は、スターウォーズより前の作品と言われていますから、まさにスターウォーズの原型のような趣です。前半は起伏が少なく間延びしましたが、後半に入ると俄然目を引いていきます。そして観終わった時には、是非後編を必ず観てみたいという思いに駆られました。父や味方の軍を失い、生き残った妻とその子供が戦うわけですが、この妻役のレベッカが美しいので、劇中の花だと思いました。子供は少年から青年へ変わりつつある年代ですが、醜い皇帝と戦うために、砂の惑星に住む人間たちと協力して戦いを開始します。彼はいわば彼らの指導者、救世主としての使命を全うするためにこの星に来たと宣言するところで、この全編は見事な終わり方をしました。とにかく早く観たいです。
絵画的であり、詩的であるSF。
かつてホドロフスキーがデューンを計画していた頃は、皇帝の世界観がギーガー、メビウスが宇宙船のデザイン、ミックジャガーにダリ皇帝などと絢爛豪華なピースで10時間の大作だった。
リンチ版でややコンパクトになったものの、異界の星の雰囲気は語り継がれ、そしてその間の幾多の子孫(SF映画として)を経て、本家の登場となったのだが、描き尽くされた現代での最新版デューンの存在価値は、そのSFの世界観の持つ、絵画的、詩的な要素を描き切った監督の手腕による所が多い。
海岸で立ち去るポールを背景に、巨大なアトレイデス家の艦隊が海面より浮き上がる。
その絵画的なシーンは、美しさもさる事ながら、強大で勢力を伸ばしているアトレイデス家を描き切っており、同時にその無機質な描き方で、これから起こるであろう悲劇を予感させていてとても美しい。
今回の映画ではその情報量の多くが語られないため、観る側の解釈に委ねられるところも多く、人によっては断片的で理解不能と、この作品に対する拒絶反応が出ていると思う。
監督の前作のブレードランナー2049を観て、その作風に親和性があれば、今作はとても分かりやすく、感情も揺さぶられるものだと思う。
小説よりもくどい回数で描かれる予知夢の点と点が繋がる物語の終盤でこの作品は終わる。
彼女の言う通り、始まり、である。
雄大でまるでこの星の神の存在であるかの様に描かれている砂虫は、後にナウシカで描かれた王蟲のそれと同じだし、数多くのシーンが既視感に包まれているものの、今作は重厚なサントラを添えるハンスジマーの手腕もあり、今作はとても息が詰まるような重力の下で2時間越えの長丁場を走り切る。
昨今のDC、マーベルの主要役者達が一堂に揃い、レジェンダリー製作でありながら、中国の要素は控えめな今作が無事、美しい形で産まれて来た事に感謝しかない。
p.s. Tジョイ系で今作フューチャーの「スパイス味ポップコーン」を食べたのですが、想像を絶する普通さで悲しかったです。
全92件中、21~40件目を表示