「SF映画(小説)の金字塔作品、映画ファンとしては避けて通れないマスターピースですので一念発起して鑑賞」DUNE デューン 砂の惑星 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
SF映画(小説)の金字塔作品、映画ファンとしては避けて通れないマスターピースですので一念発起して鑑賞
本日は早稲田松竹さんにて『DUNE/デューン 砂の惑星 PART1』(2021年/155分)『DUNE/デューン 砂の惑星 PART2』(2024年/166分)の豪華2本立て(1,500円)上映!
チケット販売は当日の窓口のみで開館前から並びましたが何だかオンラインが無い学生時代に戻ったようで懐かしいですね。
2本合わせて上映時間は5時間半!本日はどっぷり「砂の惑星」の世界に浸りました。
『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)
専門用語の多さや、40年前に観たデヴィッド・リンチ監督版『デューン/砂の惑星』(1984)が難解だったため、ずっと食わず嫌いでしたが、SF映画(小説)の金字塔作品、映画ファンとしては避けて通れないマスターピースですので一念発起して鑑賞。
専門用語が飛び交いますが、私なりの作品解釈は…西欧の列強各国が中東に埋蔵されている石油(映画では香辛料)を求めて侵攻。中東の現地住民は巨大な砂虫を利用しながら抵抗、自分たちを解放してくれる預言者(救世主)の出現を待つのだが、その預言者は実は敵側の支配者の子息だった…といった感じでしょうか。
まるでアラブ独立闘争を描いたデヴィッド・リーン監督『アラビアのロレンス』(1962)に似ているのですが、原作者のフランク・ハーバートも認めており、実際にリーン監督の手で映画化も企画されていたそうですね。
「預言者・救世主の出現を待つ」プロットはユダヤ教、キリスト教、イスラム教が多い国々では日本以上に身近な内容なのでしょう。
広大な砂漠のパノラマ、視覚効果の派手さもさることながら、建物、武器、戦闘服、戦闘機ほか細部の小道具や美術の洗練された美しさは過去のSF映画のなかでは秀逸、どれも派手さはなくすべて機能的でフォルムが美しいですね。
美術の良さは『メッセージ』『ブレードランナー 2049』でも証明済み、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のお家芸ですね。